december ice
今日確かに12月のスイッチが入った。
音楽なんて聴くんじゃなかった。
「迎えに来て。」と願ういつかの私の手を繋いだ瞬間、
それは灰になって黒いTシャツがまた汚れた。
ガソリンが無くなってその場で捨ててしまいたいほど重たいバイクを押して歩く。
何でこんな日に限って、と胃を犯したくなる。
死にかけても送ってくれた手紙。
未読無視する人間にだけはならないでおこう。
ひろちゃんにやっとLINEギフトを贈れた。
毎年お誕生日に贈っていたのに今年は沢山の人に祝われてる光景を目の当たりにして1ヶ月も過ぎてしまった。
これから会うことはもうほとんど無いかもしれない。
ひろちゃんの好きな食べ物を忘れるまでは、僕はひろちゃんを忘れないと思う。
知り合いの知り合いが借金をしていただの不倫をしていたみたいな話を今年は沢山聞いた気がする。
誰がどんなことをしていても驚くことは無くなったけど、大人になるってそういうことだ。
色んな人と別れていく。
残った少しの人と繋がっていく。
昔の音楽ばかり聴いてしまう。
苦しい時のズルい逃げ方を学んでいく。
恥ずかしいなと思う人が増えていく。
苦い食べ物が好きになる。
謝られると許してしまう。
たまに胡座をかいてしまう。
自分の矛盾が見えなくなる。
期待した自分が悪いと思う。
うどんも良いけどお蕎麦も良い。
ここ数日、自分のいびきで目覚める。
今日はすごい音量だった
急にどうしてしまったんだろう。
テレビでWBCの特集番組がやっていたのでずっと観ていた。
野球が無かったら大谷翔平がいなかったら阪神やオリックスの好調が無かったら。
2023年、私は何に勇気を貰ってストレスを解消していたんだろう。
意外と思われるでしょうが野球やサッカーをラジオで聴いたりテレビで観たりするのが大好きなんです。
数ヶ月ほど書いては消してを繰り返して温めていた欠片をやっと整理してnoteに書き込んでいく。
それなのにこの日にしかきっと書けないものになっていて改めて文章を書くということは不思議な作業だなと思う。
自分へ手紙を書いてそれがあなたに届いたんだと思います。
久しぶりに反応が怖くなって朝5:00ごろに投稿してみる。
もっとみんなが見てもらいやすい時間に投稿すれば良かったと思ったけど、私のnoteはたぶん午前中に投稿するのがいい気がする。
そんなことないんだけど、なんかそんな気がする。
美容院の予約を何とか入れた。
5分あれば済んでしまうこの作業に1年も費やしてしまった。
やることいっぱいなこのタイミングにそんなとこ行って良いのかなとも思うが「それも仕事なんだよ」とメンバーに言われたのを思い出す、そりゃそうだ
爪もせっかくだしやりたいなと思ったけど流石にもうこれから数日のスケジュールを考えるとタイムオーバーだ。
今度また良きタイミングで中矢さんにお願いしてみよう。
地震でベッドが揺れる。
サッカー日本代表監督のインタビューが途中でいつか見たことのあるような画面に切り替わる。
だらしない正月気分を垂れ流していた全てのチャンネルが一気に既視感のある緊張感を大量生産していく。
私たちは知っている。
この表情、この温度、この色、この文字、この空気、
「津波にげて」
緊急事態のアナウンスが日本中で行われているにも関わらず、私の元には津波の恐怖よりも美容院の予約時間が押し寄せてくる。
今から洗濯をしてお風呂に入って予約は19:30だから早めに出たら少しぐらい喫茶店なりで仕事は進めれるだろうか、こんな年始に喫茶店なんてやってるんだろうか、電車は混んでるだろうか、バイクで行く方が楽だろうか、そもそもこんな日に外に出ていいのだろうか、余震とかがあるんだよって聞いたことがある気がするけどそれっていつまで待ってたらいいのだろう、きっと場所的には大丈夫なはずだが今から行動する私の何かが不謹慎な行動に当たらないだろうか、そういえばカットする際に美容院の人に何かを伝えなきゃいけなかった気がする、忘れてしまったのでメンバーに連絡して聞いた方がいいだろうか、こんなタイミングでそんなこと送っていいものだろうか、果たして私が今考えなきゃいけないことはこれでいいんだろうか、だって今日を逃したら大切なワンマン前に美容院へ行く日が無くなってしまう、でも、でもどうして、他人事に過ぎない出来事がこんなにも胸をざわつかせるんだろう
とりあえず急いでお風呂に入る。
少しだけ身体に纏わりついていた薄い何かが剥がれていった気がする。
ベッドに腰掛けてドライヤーの電源を入れようとした時に美容院から電話がかかってくる。
「お客様のご予約されたお時間ですとお正月料金と深夜料金がかかるのでプラス¥15,000かかりますけど大丈夫でしたか?」
全ての気が抜けて動かない頭で何とか日程変更をしてもらう。
残りの力を振り絞ってドライヤーだけ済ましたもののその場から動けなってしまった。
しかしそんなタイミングでインフル明けのスタッフから体調回復のLINEが来る。
全ての力が抜けてしまったはずなのに、待ってましたとばかりに私は大量の指示メッセージを送りまくる。
Twitterのタイムラインもテレビもこんな状況なので今日発表する予定だったトピックは後ろ倒しにすることにした。
本番までダイエットの為に1日1食を目指していたが急激に空腹と眠気が襲う。
もうこうなったらおしまいだ。
誰かに「ごめんなさい」と言って体内の全てのスイッチを切る。
誰に謝ってるんだろうと薄れゆく意識の中で考えたがきっと未来の自分に違いないもののもはやそんな答えはどうでも良くて、ただただそれが人間の性だと言わんばかりの自然な成り行きでウーバーイーツのアプリのボタンを押す。
こんなタイミングでウーバーイーツを頼むなんてドライバーの方を考えると不謹慎だろうかとに一瞬頭によぎるが急激な眠気と食欲で正常な判断ができない。
きっとこのまま注文したら私は届く前に力尽きて、数時間後に目覚めたら玄関まで冷めた海鮮丼を取りに行くことになるんだろうなと思った。
きっと洗濯機の中で今踊ってるTシャツやバスタオルはその頃にはもう身を寄せ合うように固くなって空が広がるのを待っているんだろう。
今日はとても正月らしい日になったなと思った。
無理矢理パソコンの電源を押して、ただただボタンを押しているだけの1日が終わろうとしている。
ワンマンライブの直前はいつも全てから逃げ出したくなる。
余りのプレッシャーに中止にならざるを得ない理由を全力で探す。
しかしいつもよりその感情が軽い分、少し澱みや濁りが浮かんでいる気がする。
できるだけテレビもSNSも見ないようにする為にInstagramで流れてきたゲームアプリをインストールしたが、やはり詐欺アプリでやりたいゲームに辿り着くには途方も無い時間かお金がかかるようだった。
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