ダムが気になる(伊那市)
伊那市でも、いよいよ桜が満開を迎えた。お花見のメッカ、高遠城址公園の南側にある高遠ダムでは、桜色のライトアップが始まっている。この高遠ダムは昭和33年に作られたもので、発電や農業用水に使われているという。さらにおもしろいのは、この高遠ダムの水は約10㎞のトンネルを経由して春近発電所という県営最大の水力発電所まで流れていて、発電用水として活用されているということだ。
高遠ダムから北に2㎞ほど行くと、高遠ダムと同じ昭和33年に作られた美和ダムがある。美和ダムもなかなか魅力的なダムで、大雨のときやその翌日に足を運ぶと、洪水吐きから濁った水がゴウゴウと勢いよく流れるさまを見られる。
だから大雨の日は、ついこれらのダムを見に行ってしまう(大型台風のときはさすがに危険なので諦めるけど)。そして「街を守ってくれているのね」としみじみ思ったり、建築物としての圧倒的な存在感に関心したりする。
ダムは”自然破壊”という文脈で語られることも多い。たしかにそれも正しいだろう。実際、かつてあった集落や田畑がダム建設によって水没しているという事実もあるわけで……。でも、じゃあダムなしでどうやって水害を防ぐことができたのか?それに今となっては再生可能エネルギーのひとつとして、水力発電が見直されているという側面もあるし。
つまりダムは「いい」「悪い」だけでは決して語れない。
だからこそ、気になってしまう存在なんだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?