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大正時代から続く天竜川のほとりの映画館(伊那市)

伊那市内に映画館があることは、前々から知っていた。伊那市内を南北に流れる一級河川、天竜川のほとりに建つ「伊那旭座」だ。それなのに、これまで一度も観に行ったことがなかった。
映画には数か月に1回くらいの頻度で行っているけれど、シネマコンプレックスのある松本までわざわざ足を伸ばしていたのだ。
ところがつい先日、「伊那旭座には2階席があって……」という話を地元の人から聞いたことで俄然興味が湧いてしまい、勢いでそのワンダーランドに足を踏み入れてみた。

伊那旭座での映画鑑賞は、あまりにワンダフルだった。
昭和のどこかで時が止まってしまったような、ノスタルジックな館内。近くにこんな素敵な場所があったなんて!
ちょっと調べてみたところ、この伊那旭座は明治時代の芝居小屋をルーツにもつ映画館で、2つのスクリーンのうちより大きなスクリーンと多くの座席を有する「旭座1」のほうは、大正2年(1913年)に竣工した建物を基礎としているらしい。ざっと110年前だ。
かといってレトロ感を全面に押し出すわけでもなく、ただ長く現役であり続けただけ、という感じ。伊那市には、この映画館以外にもそんな”現役レトロ”な店がいくつもあるからとても楽しい。
2024年1月中旬には、終戦直後の日本を舞台にした映画『ゴジラ₋1.0』も上映されるとか。この映画館と最新作のゴジラとの相性は抜群に違いない。

「旭座1」「旭座2」という2つのスクリーンがある伊那旭座。
かつてのチケット売り場。現在は館内に売り場がある。
旭座1にて、人生初の2階席デビュー。赤いビロードのイス、洋風の間接照明など風情がありすぎる。


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