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「MIU404」最終回によせて

毎週、金曜22時から始まる1時間がすごく楽しみでした。関係者の方々にとっては、予定が大いに狂う修羅場続きだったと思いますが、こんなに高いクオリティの、最高のドラマを届けてくださって、本当に感謝しています。
素直に、めちゃくちゃ面白かった!最高のラストだった!そして、録画や配信視聴が当たり前になった現代において、リアルタイムで観ることの楽しさを再認識させてくれたドラマでした。
9月4日に最終回を迎えた「MIU404」の魅力について、自分がなぜこんなにも熱狂できたのか、改めて振り返っておくためにnoteをまとめます。

2020/09/10追記:「MIU404」と綾野剛

金曜ドラマ『MIU404』

新井プロデューサーの「刑事ドラマがやりたい」という発案でスタートした企画とのことでしたが、よくある刑事モノじゃないな、と思う点がいくつかありました。

「まだ間に合う」絶望と希望の分岐点

事件発生直後に現場へ駆け付ける「機動捜査隊(通称・機捜)」が舞台なので、”起きた事件以上の悪い事態”を食い止められるかどうか。それが多くの回でのキーになり、手に汗握る緊迫感を生み出していました。
既に起きてしまった殺人事件の犯人を見つける、あるいは亡くなってしまった被害者の死因を究明するのとも違う。「MIU404」には“正しい道に戻れる可能性がある、狭間にある人々”を救えるかもしれないと、いつもかすかな希望が感じられるドラマでした。
第3話から度々登場したピタゴラ装置に象徴されるように、誰かとの出会い、出来事が分岐点になり、絶望と希望の狭間で揺れ動く瞬間が描かれていました。時々“間に合わなかった”事件もあり、それがドラマに深い傷を残していきました。たとえば第8話。ガマさん、いつか伊吹に会ってくれたらいいな。

脚本家・野木さんの最終回直前インタビューにもありましたが、ラスボス久住が”普通のおにいちゃん”なのも新鮮でした。よくある刑事ものって、黒幕が警察トップだったり、政治家だったり。でも「MIU404」に出てくる警察は(いろんな人達がいましたが)正しいことをしようとしていた。仕事熱心な人たちだった。それが嬉しかったです。そういう「地に足がついた感」のリアルさが、毎回“さすが、わかってる…!”と思えました。

伊吹役の綾野剛さんのインタビューでも「感情のスケールが大きい/新しいスケールのドラマ」と仰っていて、起きる事件も、解決に奔走する人々にも強く感情移入できるからこそ、毎回1時間の中で気持ちよくぶん回された感があります。


2組のバディの成長

志摩&伊吹、陣馬&九重のバディの成長モノという面もありました。
野生のカンと並外れた身体能力にモノを言わせてきただろう伊吹が、論理と理性の志摩と組むことで、それを正しい方向へ活かせるようになり。だけでなく、“悪い奴はぶん殴れ”的な荒っぽさではなく「正義は弱いモノだから、皆で守っていかないと」と言えるようになった。
正真正銘エリートだった九重もそうです。自分と違う立場の人々のことを“理解できない”と切り捨てていたのが、「全部、聴く」と言えるまでに、人間的に成長した。バディから教わったことや経験が、彼らを人として大きく成長させました。特に九重の成長は、見ていて本当に気持ち良かったです。彼のお父さんも良いキャラだったな。

そして最終回では、伊吹と志摩が、「絶対に許せない悪=久住」に対して、警察のルール内で対抗するのか、できるのか。その揺らぎに、視聴者としては振り回されました。ギリギリではあったけど、ルール内で久住のしっぽを掴み、そして捕えた。それが本当に嬉しかったです。道を踏み外さないでくれてよかった。

エンディングで「まあ間違えてもここからか」と”ゼロ地点”から言ってくれたのも、心に沁みました。きっと自分も、これからの人生、いろんな分岐点に立つと思うのですが、そのたびに、この言葉を思い出せるといいなと思います。


SNSを通した盛り上がり

毎回、スタッフ、キャスト、ファンの三位一体でSNSが盛り上がっていました。本当に楽しかった!
まず、スタッフによるTwitterでの供給が凄かったです。放送スタートがずれ込んだこともあり、SNSでの露出をあえて増やしていたと何処かで読みましたが、それがさらにドラマとリアルが連動した感じを呼ぶムーブメントを生み出していたと思います。キャストのオフショットもですが、野木さんもの制作秘話が楽しみでした。特に“推し”演出。
キャスト陣のSNSは、特に綾野剛さんのInstagramが秀逸でした。本気モード!
そしてファンのTwitter。放送時は毎回Twitterトレンド1位、放送後の考察Tweetも楽しみでした。
10話ではTwitterと、ドラマ内のSNS「つぶったー」がシンクロしたようでゾクゾクしたし、「#MIU404イラスト企画」も素敵だった!

キャスティングはひらめき重視? 新井順子プロデューサーが明かす、『MIU404』の全容


キャスト&スタッフ陣の熱量

「MIU404」公式サイトより。

約2年ぶりのTBSドラマ出演となる綾野剛&星野源のW主演!×『逃げ恥』『アンナチュラル』の脚本家・野木亜紀子によるオリジナル脚本でお届けする一話完結のノンストップ「機捜」エンターテインメント!
警視庁“機動捜査隊”(通称:機捜)で綾野・星野がバディを組み24時間というタイムリミットの中で犯人逮捕にすべてを懸ける!

キャスト
警視庁刑事部・第4機動捜査隊
伊吹藍(綾野剛)、志摩一未(星野源)、九重世人(岡田健史)、陣馬耕平(橋本じゅん)、桔梗ゆづる(麻生久美子)/我孫子豆治(生瀬勝久)
久住(菅田将暉)

スタッフ
脚本:野木亜紀子/プロデューサー:新井順子/音楽:得田真裕/演出:塚原あゆ子・竹村謙太郎・加藤尚樹
主題歌:米津玄師「感電」

脚本の素晴らしさ
野木亜紀子さんの脚本が、凄まじく、素晴らしかったです。面白かった!期待以上でした。魅力的なキャラクター、リアルな展開も勿論ですが、期待値を超えた最大の要因は「臨場感」でした。現実=SNSと連動する新たな世界観を創出されたように感じています。
TVドラマを見る醍醐味を、視聴者が手にしているスマホ=Twitterと連動させることで、「臨場感を共有する」面白さを実感させてくれた。それが最も現れたのが10話「Not Found」のクライマックスだったと思います。リアタイしなきゃ勿体無い、と思わせてくれた。勿論、録画でもTVerでも繰り返し視聴していましたが、リアタイしている時のワクワク感、本当に楽しかったのです。

あと何かと”持ってる”ドラマでしたね。題材がリアル(社会問題)を扱うので、ある程度の共感、臨場感は約束されていたと思います。でも、まさか「GO TO…」が社会的にホットワードだったタイミングに第5話が放送されるとは。そして最終回当日に、ミスタードーナツのキャンペーンでドーナツEPを扱う“久住”役の菅田将暉さんが登場するのも凄い。思わず買ってしまいました、ミスド。

演出の素晴らしさ
脚本と出演陣の演技の素晴らしさに加え、演出という“魔法”の凄みを「MIU404」で改めて感じました。
米津玄師さんの「感電」のイントロとサビがかかる瞬間の「絵と間」が素晴らしい。特に第1話、第2話は鳥肌が立ちました。見るたびに涙が零れてしまう。美しすぎる演出、匠の技ですね。


全話レビュー

自分用の全話レビューです。志摩&伊吹のバディ名場面と、各話の名場面をメモしました。すべてのシーン、台詞が名場面ですけど、敢えてピックアップ!

そして9月19日から「Paravi」でディレクターズカット版が配信されるそうで、これは…入会しなければならないかも…!(4話のクライマックス、”額に拳銃を突き付けられながらメロンパンの歌を歌う志摩”が観たい…!)

第1話「激突」
2020年6月26日放送/演出:塚原あゆ子
バディ:「俺までマウント取っちゃったじゃないかー!」「なんだかテンション上がってきたー!」
場面:水溜りのシーンから「感電」のサビが流れる。ふみこさんと千砂ちゃんの笑顔。そのあと「機捜っていいな/超いい仕事じゃーん」と言う伊吹の笑顔
*まずはお披露目の回ですね!伊吹、もしかしてやばい奴?からの、めっちゃいい奴だった!の展開が最高でした。


第2話「切なる願い」
2020年7月3日放送/演出:塚原あゆ子
ゲスト:加々見崇(松下洸平)、田辺将司(鶴見辰吾)、田辺早苗(池津祥子)
バディ:「おまえは頭がゆるふわなんだよもー!」「まあでもさ、俺は信じてあげたいんだよね」
「加々見は自殺するかもしれません!」ひそかに泣く伊吹
場面:田辺夫妻の「ごめんね」の声。加々見と富士山。深々とお辞儀する加々見
*加々見は殺人犯なのか、無実なのか?無実でいてほしい…と田辺夫妻や伊吹と同じように願い、犯人だったと絶望しながら、でも希望はあるんだと感じられた神回でした。


第3話「分岐点」
2020年7月10日放送/演出:塚原あゆ子
ゲスト:成川岳(鈴鹿央士)、勝俣奏太(前田旺志郎)、亀田(岡崎体育)
「アンナチュラル」より毛利刑事&向島刑事
バディ:「俺はあいつを意外に買ってる/誰と出会うか、出会わないか。この人の行先を変えるスイッチは何か。その日が来るまで誰にもわからない」
場面:桔梗隊長「(未成年の犯罪について)5年後、10年後の治安はそこにかかっている」
勝俣の懇願に毛利刑事「こっちは警察なんで!通報があれば調べもしますし、助けもしますよ?」
*罪を犯した少年たちが”正しい道に戻る瞬間”を目の当たりにしました。戻れない少年、成川もいたけれど。そしてラストの久住(菅田将暉)登場にギャアー!となり、リアタイの醍醐味を初めて実感した回でした。


第4話「ミリオンダラー・ガール」
2020年7月17日放送/演出:竹村謙太郎
ゲスト:青池透子(美村里江)
バディ:「死にてーのか」「は?おせーんだよ」
場面:「私が助ける/最後にひとつだけ」空港へ向かう配送車を見送る、「最後にひとつだけ」の笑顔
*どこなら綺麗に生きられるだろう?と嘆いていた青池透子が最後に浮かべた笑顔。間に合わなかった…?けれど青池透子の最期が、本当に幸せそうだったから、幸せの定義って誰が決める?と希望を感じられる回でした。


第5話「夢の島」
2020年7月24日放送/演出:竹村謙太郎
ゲスト:チャン・スァン・マイ(フォンチー)、水森祥二朗(渡辺大知)
バディ:「水森は少しは楽になったのかな」
場面:「日本嫌い、なりたくなかった」と泣くマイちゃん
「外国人はこの国に来るな!/ジャパニーズドリームは全部嘘だ!」と叫ぶ水森
「俺は今、何十万人の話しはしてない。マイさんっていう一人の人間の話しをしている。日本に憧れてやってきた、一人の、たった1回の人生の話」と志摩
*まっすぐに現実を見つめるのが怖い、見なかったふりをしたい。けれど見つめなければいけない問題を直視させてくれる回でした。


第6話「リフレイン」
2020年7月31日放送/演出:塚原あゆ子
ゲスト:香坂義孝(村上虹郎)
バディ:「行かなかった、俺はどっちにも行かなかった。チャンスはあった、何度も」
屋上で対話するふたり、「ま、安心しろ。俺の生命線は長い」と笑う伊吹
場面:「最初から裸だったらなんでもできるよ」
「香坂ちゃん、サンキューなー(空を指差して)」
「俺は警察だ!」
「あなたのおかげで元気でーす」を聴いた志摩の顔
「忘れない、絶対忘れない」地面を撫でる志摩
*伊吹が志摩を救った話。死にたがりの相棒殺しの魂を解き放った。志摩が、地面を撫でて泣くことができて、本当に良かった。


第7話「現在地」
2020年8月7日放送/演出:加藤尚樹
ゲスト:大熊邦彦(三元雅芸)、ジュリ(りょう)、倉田靖典(塚本晋也)、出前太郎・飛田(井口理)
バディ:「それにゃ!」「にゃー!」
「なあ志摩、10年あったら何ができるかな/俺はラッキーだったな」
場面:陣馬さんのプロレス技、確保シーン
「悪い大人もいるけど、ちゃんとした大人もいる/君たちは1人じゃない」
「行き先も決まったところで…歌っていい?」
*コメディ回ですよね、アンナチュラルで言う東海林容疑者事件の…全部のシーンが最高すぎて面白すぎて、何度もリピしました。


第8話「君の笑顔」
2020年8月14日放送/演出:竹村謙太郎
ゲスト:蒲郡慈生(小日向文世)
「アンナチュラル」より:坂本さん、神倉所長
バディ:屋上の伊吹を迎えにきた志摩。「俺ひとりで生かせるつもりか?行くぞ、相棒」伊吹の目に涙が光る。伸ばされた手を握って立ち上がる
場面:「俺は許さない」
「誰でもやり直せるって教えてくれたじゃんガマさんが俺に!/俺はどこで止められた?」
「同じ場所に行けなくてごめんな」
「あの子に、伊吹に伝えてくれ。おまえにできることは何もなかった。何もだ」
*つらい。ただつらい、見るたびに腹の底が熱く、重たくなります。間に合わなかった、止められなかった。しかも、伊吹が誰より慕っていたガモさん。ドラマ前半はアンナチュラル組(神倉所長も!声だけ中堂さんも!)登場でテンションMAXだったので、感情の振れ幅が半端なかった回です。


第9話「或る一人の死」
2020年8月21日放送/演出:塚原あゆ子
ゲスト:羽野麦(黒川智花)、エトリ(水橋研二)
バディ:「間に合った…!」「間に合った!」
場面:「ここね、俺が1番好きな道ー!/よっしゃ帰ってきたー!みたいな気持ちになんのよ」「機捜の皆が守ってる街だね」
「目の前だよ!」
「ありがとう、一緒に戦ってくれて」
「全部、聴く」
*間に合った!緊迫感が半端ない回でした…すべての場面がクライマックス。井戸からハムちゃんを救出して、伊吹と志摩が「間に合った!」と抱き合うシーン。ここのふたりの演技が、本当に凄まじかった。ここの演技、ふたりのアドリブらしいですね。素晴らしい場面でした。


第10話「Not Found」
2020年8月28日放送/演出:竹村謙太郎
ゲスト:特派員REC/児島弓快(渡邊圭祐)
バディ:「生きてりゃ何回でも勝つチャンスはある!」「了解、相棒」
場面:「人の努力をさ、なんだと思ってんの…/食べなきゃ、冷めちゃう」「冷めても旨いのが機捜うどん」「じゃあいっか」
*「生きてりゃ何回でも…」の伊吹、本当に凄まじい演技でした。充血した目が印象的で、ほんの僅かな時間で苦渋の選択をした、そんな顔でした。伊吹が乗り移っている、生きてる。そのものだと思いました。


第11話「 」→「ゼロ」
2020年9月4日放送/演出:塚原あゆ子
バディ:I♡JAPANのTシャツを着て笑う志摩と伊吹。メロンパン号の後ろから飛び出す伊吹。屋形船を巡る大捕り物。「また間違えるかもな/まあ間違えてもここからか」「そういうこと~」
場面:メロンパン号の火消に役立ったSNSのつぶやき。桔梗隊長の最後の挨拶。陣馬さんを目覚めさせた九重の涙。まめじの「未来を優先!」額を切った久住が茫然と目を見開く表情。久住が自分の過去を黙して語らず、最後の言葉が「俺は、お前達の物語にはならない」
*リアタイして本当に良かったです。全部が名場面。志摩と伊吹が”正しいこと”を貫く刑事のままで、本当に良かったです。ラスト、2020年夏にマスク姿で密行するふたりの姿に、”私たちのリアルな世界も、こんなふたりが守ってくれるのかもしれない”と心強い気持ちにさせてくれる、最高のエンディングでした。ずっと残り続けてほしいドラマだと、心の底から思います。

『MIU404』に“最終回ならではの仕掛け”? 新井順子P「今このタイミングならではのラスト」

「MIU404」最終回は大どんでん返し!感動&興奮の声やまず

全話録画していますが、Paraviのディレクターズカット版も見たいし、円盤も手に入れたい!(「アンナチュラル」の円盤、INTERVIEWが充実していて素晴らしかったから!)いつまでも「MIU404」について考察したいし、夢中でいたいです。

本当に素晴らしいドラマをリアルタイムで追えて、楽しい夏でした!スタッフ、キャストの方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。


BOOKMARK(随時追加)

TVガイド:番組情報&記者会見情報(出演者インタビュー)

クランクアップ!(2020.9.4:公式サイト)

『アンナチュラル』の成功が切り拓いた10年越しの企画 野木亜紀子が語る、『MIU404』制作の背景(2020.6.26:Real Sound)

そういう「やられたー」みたいなドラマが出てくるためにも、いろんなことをやっていきたいです。この手があったか、みたいな。そういう意味でも、挑戦はし続けないとなと思います。今回は事件モノですし、主演は綾野くんと源さんですし、プロデューサーがTHEエンタメ好きな新井順子、そして演出が信頼している塚原あゆ子という座組みなので、思い切りエンタメも見せつつ、それ以外を好む層にも楽しめるような作品にできたらと思います。

『MIU404』機捜を舞台にした理由 リサーチ反映させた“機捜うどん”にも注目(2020.7.10:マイナビ ニュース)

新井プロデューサーは「リハーサルから食べていて、3時間くらいうどんを食べっぱなしだったので、みんな『もう食べられない』、『おなかいっぱいでつらい』って。でも、お腹がすいているという設定だったので、監督から『勢いよく食べてください』と言われ、『限界だー!』って言いながら食べていました(笑)」と裏話を明かしてくれた。

塚原あゆ子が明かす、毎回違う味で作る『MIU404』 テレビドラマの最前線で考えること(2020.7.24:Real Sound)

塚原:プロの人たちって、楽しく仕事をしているように描くといいんじゃないかなっていう気がしているんです。苦しく働いてる人より、自分の使命を持って生き生きとやってる人が見たいと思うので。そして、実際に機捜の方々に取材でお会いしたときにも、そう感じたんですよね。

キャスティングはひらめき重視? 新井順子プロデューサーが明かす、『MIU404』の全容(2020.8.7:Real Sound)

新井:そうですね。熱量を引っ張るためにSNSをつぶやき続けて、グッズをたくさん作って。でも、新しい情報を出すことがなかなか難しい。なので、楽しみにしてくださった方がイラスト企画で盛り上がってくれたのは、本当に感謝しかないです。いろんな人の力があって、スタートできたと思っています。6月末にスタートが決まったときには、何よりも「出せてよかった」という気持ちでした。

綾野剛×星野源『MIU404』が“初動”を描くワケ 野木亜紀子脚本作にみる“分岐点”のあり方(2020.9.2:Real Sound)

数々の「分岐点」を描いてきた野木亜紀子作品の中でも、やり直しが何度もできることを示唆している『MIU404』は、実は今の暗い世の中を照らす、これまでで一番優しく希望に満ちた物語なのではないだろうか。

『MIU404』に“最終回ならではの仕掛け”? 新井順子P「今このタイミングならではのラスト」(2020.9.4:Real Sound)

「最終回についても、エンタメ的にもうひと盛り上がりさせたいと思っていたんです。でも、もう撮影日数が限られているんで、カーアクションは1話より派手なことはできない……。じゃあ、最終回は〇〇で勝負するから、とりあえず『台本はまだだけど、〇〇と〇〇を押さえてきてー!』みたいな(笑)。すごいですよ、このチームは本当に。機動力が機捜並。最後まで一緒に走ってくれて感謝しかないです」


脚本家・野木亜紀子を直撃!「MIU404」の物語ができるまで<「MIU404」インタビュー前編>(2020.9.3:ザ・テレビジョン)

だから、ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(ピタゴラ装置)の視点を見いだせたときはホッとしました。第3話で志摩が話していますが、人は生まれ持った環境や、誰と出会うか出会わないか、あるいは何かしらのタイミングといったいくつものスイッチによって、たどる道を否応なく左右されてしまうという視点です。

最終回直前!野木亜紀子が「MIU404」で描きたかったもの、そしてラストは?<「MIU404」インタビュー後編>(2020.9.4:ザ・テレビジョン)

「アンナチュラル」(2018年TBS系)のとき、予想を超えてキャラが濃くなっていたのは、中堂を演じた井浦新さんだけでしたが、今回は綾野さんと星野さんが2人とも自由に演じていてキャラがとても濃くなっている(笑)。アドリブも多いですしね。第1話で志摩がゴミ箱を蹴り飛ばしたのもそうで、その後に伊吹がうれしそうに「なんだかテンション上がってきた!」と言うのもアドリブです。自分で書いていないのに、第1話の中ではあのくだりが一番面白いなって思いました(笑)。

菅田将暉、悪役も演じきる巧みな“顔遣い” 『MIU404』久住役に感じる人間性の深み(2020.9.4:Real Sound)

「菅田さんは、音楽に関してもパンクロックや、オルタナ、アングラに興味があったり、人間のいろんな面を研究して、影があるものへの面白みをいつも吸収している。謎が多く何かを抱えてるような役になると、彼が吸収してきたものを、いろいろと試しながら、楽しんで演じているんだろうなというのが見えます。菅田さんが演じたことで、久住という役が物語に与える影響が大きくなっている可能性もあるのかなと思いました」

「MIU404」最終回目前に脚本・野木亜紀子氏を直撃取材!「プライムタイムの民放ドラマで堂々と社会問題を扱うこと自体に意義がある」(2020.9.4:TVガイド)

「ドラマや映画に対しても、世の中のいろんな物事に対しても、誰かの発言に対しても、自分が理解できない時に『じゃあそれは何なのか』って考えようとする人がすごく減っちゃって、“自分が分からない=ダメ”に直結してしまう。例えば、大坂なおみさんが何と戦って何を訴えているのか、1人の人間が人生懸けて訴えていることを理解しようともせず、非難ややゆばかりする人を見ると悲しくなります。若い人はその点は柔軟だと思うんですが、そういうことをできなくなってしまっている大人がじわじわと増えているように思え、気になっています」

「MIU404」星野源&菅田将暉、可愛すぎるオフショット!(2020.9.5:シネマトゥディ)

ミュージシャン、俳優の星野源がTBSドラマ「MIU404」最終回放送後、ラスボスを演じた菅田将暉とのオフショットをInstagramに投稿し、1時間経たぬ間に1.1万件の「いいね!」、2,000件近くのコメントが寄せられる反響を呼んでいる。

【ネタバレあり】『MIU404』を特別なドラマにした“失われた夏” 久住の存在が暗示したもの(2020.9.5:Real Sound)

誰もがスマホとノートPCだけで、社会を崩壊させられるだけの悪になれてしまうこの世界で。志摩が久住に「俺たちと、ここで苦しめ」と声をかけた真意は「生きろ」にも聞こえた。生きていれば、もしかしたら間違うこともある。でも、それを正すチャンスもきっとある。いつだって、この瞬間から、その選択から、まだ見ぬ明るい未来への世界線が紡がれることを、忘れないでほしい。それは紛れもなく、誰のせいでもない《 0 》の夏を過ごした私たちへのメッセージだ。

『MIU404』最終回は驚きの展開に 制作陣の攻めるクリエイター精神とキャストの熱演に圧倒される(2020.9.6:Real Sound)

そのクリエイターとして“攻める”姿勢に拍手を贈りたい。きっと私たちは2020年の出来事と共にこのドラマのことを記憶しつづけるだろう。「あの夏、『MIU404』があった」と。

【ネタバレ】『MIU404』に出会えたことが、きっと分岐点になる(2020.9.6:Plus Paravi)

たくさんの人が毎週金曜日を楽しみにしていた。22時が来るのを胸弾ませて待っていた。改めて思う、エンターテインメントは決して不要不急ではないのだと。このドラマを日々の糧にしていた人は、きっと大勢いるはずだ。
テレビをつけたら誰でも観られる。日常のすぐそばに非日常のワクワクがある。それが、連続ドラマの素晴らしさ。『MIU404』は、連ドラの面白さを改めて確認させてくれた、極上のエンターテインメントだった。

伊吹と志摩のように前に進むしかない 『MIU404』が視聴者に向けて投げかけたメッセージ(2020.9.7:Real Sound)

こうした境遇にさらされながらも“生き延びた”ドラマだけあって、回を追うごとにスタッフ・キャストの「祈り」にも似た気迫が画面越しにひしひしと伝わってきた。特に綾野剛・星野源の主演両者と、久住を演じた菅田将暉の鬼気迫る演技はK点を超えた感があった。「少しでも良い世の中を目指し、身を賭して闘う」という姿勢が、物語の中の伊吹と志摩、それを演じる綾野と星野、共演者、スタッフのストイックさと見事に交差していた。

『アンナチュラル』から『MIU404』へと続く“ピタゴラ装置” ゼロ地点から未来へ向けて(2020.9.9:Real Sound)

ピタゴラ装置はゴールまできたらおしまい。バッドエンドへの分岐を回避した『MIU404』もこれでゴールと思ったら、桔梗が隊長を辞めて赴任した先は西武蔵野署。毛利と向島の上司となり、きっと彼らを通してUDIラボのみんなと仕事をすることになる。桔梗さんはミコトや東海林(市川実日子)たちと知り合ったら、いい飲み仲間になりそう。

『MIU404』を印象的なセリフで振り返る “表の世界”を築くためのヒントに(2020.9.10:Real Sound)


自分が過去に書いたnoteもメモ。

2020/09/05 12:45追記
登場人物それぞれの物語に焦点を当てて、1話から11話までを見返すのも楽しそうです。
・桔梗隊長と“働き方改革と女性活躍”
・羽野麦“10億の女神”を困難に追いやる制度の甘さ
・九重警部補が陣馬班長に懐く過程
・我孫子豆治警視監の功績
・久住が犯した罪とは
・確保時の久住の表情、最後の会話の意味

2020/09/10追記
「MIU404」と綾野剛



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