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推し映画館について語る1~元町映画館~

映画館通いが難しくなってから、数週間。そろそろ禁断症状が出そうなのを、好きな場所について語ることでぐっと堪えようと思い、このnoteをしたためます。このnoteを書こうと思ったきっかけは、長野県にある「上田映劇」さんのスタッフ、もぎりのやぎちゃんさんのnoteを読んだことがきっかけでした。

大好きな場所である映画館を応援したい、鑑賞することが一番の応援になるってわかっているのに行けないもどかしさ、心苦しさ。なのでクラファンを始めて頂いて本当に嬉しかった。Save The Cinemaにも署名しました。もっとできることは無いか?と毎日考えていて、とりあえず、語ることにします。

推し映画館-1:元町映画館

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元町商店街の中にあるミニシアター。

66席の、こじんまりとした映画館です。人気作品がかかる場合は、整理券を貰わないと立ち見or観れないケースもありうるので、午前10時の整理券配布を待つために、よく前日からソワソワしています。笑 
満員御礼になる話題作も上映されるので、そういう日は劇場前が黒山の人だかりになって、商店街で買い物をする老若男女が「え、なになに?」という感じで気にしている風景が、なんだか嬉しい。人々の生活に密着した商店街のど真ん中に映画館があるって、本当に素晴らしいことだと思います。

映画はあらゆる領域の総合芸術であり、知の結集だと思っていて。その文化の最先端にいつでも、誰でも触れられるなんて、なんという贅沢。

私は映画館で映画を観ることが大好きです。NetflixやAmazonPrimeでもがんがん映画を観る一方、毎週のように映画館に行くのは「映画館で映画を観る時間」が贅沢で、忙しい日々の中でも、自分を生き返らせてくれる大切な時間だと思っているから。そして、映画館という「映画を観る為の最上の舞台」で観るべき映画がある、とも感じています。それに気付けて、本当に良かった。

そして私は、元町映画館で、ドキュメンタリー映画の素晴らしさを教わりました。一作ごとに、必ず、大きな学びと感動があるからです。元町映画館さんのチョイスは本当に最高です。こちらでドキュメンタリー映画を観るときは、上映のベルが掛かるたびに「今から一冊の本を読むようなものだな」と思います。予め、素晴らしい知見を得られるとわかっている2時間、最高じゃないですか。
大きな映画館ではなかなか掛からないし、配信もされていないような良作、名作がたくさんある。それはこういったミニシアターが上映してくれるから観ることができるのだし、一生の記憶や自身の血肉にできる。本当に、感謝しかないです。

どんな映画を上映してくれているのか

元町映画館で私が観てきた作品を、Notionの映画ログで振り返ってみます。(Notionでログを纏めておいて本当によかったです、振り返るのもshareするのも簡単で最高!)

DVD化や配信されていない作品の方が多いんじゃないかなと思うのです。なので、これらの映画との出逢いは、本当に元町映画館さんのおかげだし、一期一会だと思っています。NetflixやAmazonPrimeでは観れない良作がこんなにあるんだよっていう証。(本当はこの2倍くらい、「観たい!」と思った映画はあるのだけど、財力との相談で泣く泣く絞って鑑賞しています。なのでこれらの映画を私的に評価すると、すべて★★★です)

2016年。この頃はまだ、そんなに映画鑑賞をしていなくて、観たのは14作品ほどでした。(しかしシン・ゴジラは8回ほど鑑賞している)。「カンパイ!世界が恋する日本酒」で初めて、元町映画館さんに行ったのですが、きっかけは上記で書いた通り「黒山の人だかりになっていたから」気になったことでした。素晴らしい作品でした。

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2017年。3作品ですが、一生忘れられない2作品を鑑賞できました。「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」「世界でいちばん美しい村」。牯嶺街は本当に、ずーっと観たい!と思っていた作品だったので、感謝しかない。最高でした。そして石川梵監督の「世界で…」も本当に素晴らしい作品だったし、監督とSNS上でコミュニケーションが取れたのも、本当に嬉しかった。

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2018年。この年は半年ほど帰省していたこともあり、1作品しか鑑賞できていませんが、大杉漣さんの最後の主演作である「教誨師」を観ることができました。思い出深い作品です。映画としても、作り方が本当に巧みで、演者さんの演技が素晴らしかった。

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2019年。めっちゃ観ました。年間で60本を鑑賞しましたが、うち12本を元町映画館さんで観ています。なかでもフレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー2本(「ニューヨーク公共図書館」「At Berkeley」は、今の情勢を考えるうえで本当に観ていて良かったと思いました。1本で4冊分くらいの良作を読んだくらいの知見が得られた感がある)あと「象は静かに座っている」の映像と空気感はいまだに忘れられないし、「人生をしまう時間」は、日本人全員に観てほしいと思った。

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2020年。まだ5本しか観ていない!いずれも傑作です。というかウォン・カーウァイ監督作品を今、掛けてくれるのって本当に神としか言いようがなかった。「欲望の翼」を観ました。泣いた。「恋する惑星」も観たかったなあ…!私はウォン・カーウァイ監督×クリストファー・ドイル撮影監督のタッグがこの世で一番好きで、「天使の涙」の上映も心から、どうか、お待ち申し上げています…!ドキュメンタリー映画「気候戦士」「さよならテレビ」も素晴らしかった。

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どんな体験ができるのか

よく舞台挨拶やワークショップを開催されていて、私も何度か参加させて頂きました。楽しかった!映画の魅力を何倍にも増幅させてくれる、一生の記憶に残る「体験」をさせてくれます。

思い出に残っているのは、「カンパイ!日本酒に恋した女たち」を鑑賞した時。入場時、神戸は灘の酒造メーカー、白鶴さんの淡雪を振る舞い酒としていただいて、ちびちび味わいながら鑑賞させてもらったのです。甘くてフルーティで、最高に美味しかった!美味しい日本酒を観ながら、日本酒を全力で愛する人たちのドキュメンタリー映画を観るって、最高じゃないですか。その後のトークイベント&試飲会も楽しかった。白鶴さんの美味しい日本酒をいただきつつ、なんと映画に登場した今田酒造さんの「富久長」を試飲することができたのでした。超ビール党なので日本酒は詳しくないけど、本当に草原を吹き抜ける風を感じて、すきっとして、爽やかで、めちゃくちゃ美味しかった…!

そういう体験をさせてくれる映画館を、全力で応援したいし守りたい。支援させていただける方法を用意してくださって、感謝しかないです。応援することは、休日の最高の贅沢ができる場所を守りたい「私自身のため」です。とても自分本位。笑

#SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクト。目標は10万名の署名とのことでした、署名署名!

もしも映画館が無くなるようなことがあったら、自分の心が死んでしまう。そんな未来は、絶対に来てほしくないので、全力で、この危機に立ち向かいたいと思います。推すぞー!

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