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推し映画について語る-12:レオン

1994年の公開以降、ビデオも買って、何度も繰り返し観ていた映画です。かなり長い間、一番好きな映画監督はリュック・ベッソン監督でした。愛しすぎて不動の1位過ぎて、もはや推すまでもない…という無意識下で思っていた、そんな存在だったのですが、Amazon Primeで見放題が終了するというので久々に鑑賞しました。結果、あああああやっぱり「レオン」がNo.1…!と魂が震えまくったので、改めて記録しておこうと思います。

推し映画12:「LEON(レオン)」

1994年製作の仏米合作映画。リュック・ベッソン監督の6作品目、そしてハリウッド初監督作品となるアクション映画です。公開時のコピー「凶暴な純愛」は傑作でした。

(このトレーラー、アメリカ版でしょうか。なんか印象が変わりますね、面白い)

リュックベッソン監督の作品は、「フィフス・エレメント」や「ヴァレリアン」のような、極彩色のスペースオペラ物もすっごく好きなんですが(ヴァレリアンの続編の噂、ずっと待ってるんですけどね)、やっぱり「ニキータ」や「レオン」が魂に刻まれちゃってるんだなあ…と思います。

6月5日から、なんとOSシネマズmint神戸さんで「レオン完全版」を上映すると知って心拍数跳ね上がりました。しかも「ニュー・シネマ・パラダイス」も…神…?スクリーンでもう一度「レオン」が観れたら本当に、絶対泣いてしまう。

「レオン」は最高

数年越しに改めて「レオン」を観かえして、本当に、すべてが最高で完璧な作品だなあと、しみじみ思いました。否、正確に言うと、「完全版」を観て、こちらの方が圧倒的に好きだと感じました。マチルダが暗殺の練習をする場面。レストランでシャンパンを飲む場面。マチルダがレオンに、ストレートに、情熱的に迫る場面。一層、ふたりの関係性が深く濃いものになっていました。観れてよかったです、本当に。

改めて、「レオン」はシンプルな構成がいい。とてもいいです。家族を悪徳警官に惨殺された12歳の少女が、隣の部屋に住む殺し屋に保護され、ともに暮らしながら、警官への復讐を誓って殺し屋の訓練を積んでいく…という、ごくシンプルなストーリー。そのシンプルさが、ぐっと人物に集中できて、いいですよね。

そしてエリック・セラの音楽が、とてもいい。ランドー家がスタンスフィールド一味によって惨殺される場面の音楽をはじめとして、場面を一層引き立てるサントラが堪らないです。そしてStingの「Shape of My Heart」が最高すぎる。

もう全部が好きなので、好きだと思ったことをつらつら書いてみようと思います。

マチルダ・ランドー (ナタリー・ポートマン)

・もう、何もかも、素晴らしいとしか言いようがない。家族が惨殺された直後に部屋の前を通り過ぎ、レオンに扉を開けてもらった時の表情が堪らないです。レオンと一緒に暮らし始めるマチルダが、「家族を殺された復讐のために」殺し屋スキルを習得していく…という悲壮感を背負っているのに、家族と居た時より、俄然イキイキとしているのがいい。

・有名人あてっこゲームが可愛い。そして物真似がうまい。

・レオンに猛アプローチしていくところがいい。昔は「彼女のそれが、本当に愛だったのかわからないな」と思っていたけど、彼女にとっては欲を伴う、紛れもなく純粋な愛だったと思うのです。マチルダがレオンに「 I finished growing up.(もう大人よ。あとは年を取っていくだけ)」という場面がありましたが、12歳だから愛じゃない、本物じゃないっていうのは違うよなあと、しみじみ思います。彼女はレオンの前で、すべてにおいて全力で、正直で素直で、真摯だったと思います。

・スタンスフィールドのオフィスに単身乗り込み捕まってしまった時、レオンが迎えに来た時の表情、抱き上げられた時の身長差(ショートブーツの足がゆらゆらしているショット)が堪らないです。(その後の展開は、もうずっと、すべてが素晴らしくて書ききれない)

・ラストシーンの表情と台詞が、最高ですよね。何度見ても、ぐっと熱いものがこみ上げてきます。

レオン・モンタナ(ジャン・レノ)

・寡黙なジャン・レノ。椅子で眠る、冷徹なストイックな殺し屋。かと思えば映画館で「雨に唄えば」をめちゃくちゃ楽しそうに観ているのが可愛い。泣くマチルダを慰めるために、「台所で豚を飼っている」という一連のやりとりが可愛すぎます(豚の物まねが上手で笑う)。

・仕事で怪我を負っているのに、マチルダのためにワンピースを買って帰ってくるところが堪らない。(けれどその時はマチルダからスルーされてしまうのだった…)

・マチルダを連れずに行った仕事が、マルキーを殺しに行く現場っていう…。

・マチルダがワンピースを着た時、二度見するところがいい。「Do You Like It?」と聞くマチルダに「Yes,/I Lile it.」と答える誠実さがいい。マチルダを「12歳だから」拒絶したというより、自分の過去を告白して、だからだめなんだと諭すところが、誠実というか。マチルダをひとりの人間として見て、対等に接しているところが、本当に良いです。

・スタンスフィールド率いる特殊部隊がホテルに乗り込んできてからの展開が、本当に辛くてしんどいです。あとちょっとだったのに…最後がリングトリックだったのが、いい。

ノーマン・スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)

・イカれてる男を演じさせたら天下一品ですよね…「フィフス・エレメント」のゾーグも最高でした。

・ビーズ暖簾を掌で押し広げる仕草、当時、私と妹の間でめちゃくちゃ流行りました。というかスタンの仕草すべてに憧れました。薬をがりがりかみ砕いてぶるっと痙攣するところとか、あきらかイっちゃってるところが、いい。

・マチルダがスタンスフィールドのオフィスに潜入して対決するシーン、ヒリヒリした緊張感が堪らなかったです…トニーの依頼主が彼だったっていうのが、もう。そして、最後の「SHIT.」の表情がとてもいい。

・スタンスフィールドの部下達の特にマルキー。ちょっとだけ常識が残っているような、苦労人的なところがいい。リュック・ベッソン監督の映画って、悪役でもちょっと抜けてるというか、人間味ある描写が、いいですよね…

トニー(ダニー・アイエロ)

良い人だと思っています。トニーが言わなければ…とは思うものの。マチルダに「今度のことは全部忘れて学校へ戻れ」っていうのがまっとうな大人の言動。なのだけど、マチルダを12歳として扱うトニーと、ひとりの人間として対等に接したレオンと、どっちがマチルダにとっての救いになったか…と考えてしまう。


何年経っても色褪せない、不朽の名作。永遠に、心のベストテン第一位かもしれません。映画館のスクリーンで、ぜひ観たいです。


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