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産婦人科専門医試験のこと

2023年7月に産婦人科専門医試験を受けました!毎年1万人が受ける医師国家試験と違って、各科の専門家試験を受ける人数は毎年1000人もいないはず。それゆえに試験内容とかは身近な先生に聞いて知ることになるんやけど、それをまとめたものがあってもいいのではと思って書いてみる!(需要はあるかわからんけど)

未来の産婦人科医たちの役に立てば幸いです。

※写真は最近台湾に行って十份でランタン飛ばした時の写真

産婦人科専門医資格は必要か

医師として働くには医師免許が必要で、その先何科で働くとしてもそれぞれ専門医があるわけやけど専門医資格はなくても働ける。科によって専門医資格の所有率もだいぶ違うと思うけど、産婦人科医として身近で働いてる先生で持ってない人はいないんよね。

だからなくても全然働けるけど、それなりに医師年数あるのに産婦人科専門医資格を持ってないとかなり稀有なイメージ。ちなみに今年度から英会話に通い始めて、専門医試験の話を英語で伝えたけどそのニュアンスを伝えるのが難しかった…笑

国試と違って、落ちても来年受けたらええやんという感じでとくに仕事に影響が出ることはない。ただ8割程度受かると言われてるので、落ちたらかなしい気持ちになります。

受験資格について

基本的には医師6年目(産婦人科4年目)で受験資格を得る試験で、ストレートで受けることが多いかな。症例集めることと、学会発表、論文とかいくつか条件はあるけど、内科専門医に比べたらめちゃくちゃイージーやと思う。

論文はなんやかんや承認されるまで半年〜1年近くかかったりするので、早めに書いておくことをおすすめします!私は産婦人科2年目の10月に書いて査読が入って12月に修正送ってからたぶん放置されてて、こっちから連絡して翌年の産婦人科3年目の9月くらいに承認されて12月の商業誌に載るっていう時間経過だったかな。

症例は病院によっては偏りがあるのと、上級医によっては全然内容知らんかったりするから、何の症例が集まりにくいか足りないか適宜相談してはやめに集めておくと安心かな。個人的にはOC/LEP処方5例のやつと付属器摘出10例が集めにくかったけど、これはほんとに病院差がある。早剥/前置胎盤5例のやつが大学病院まわるまで0件の同期もいてた。

勉強方法について

これもまた個人差がありまくる。国試と違って、仕事しながら当直もしながら、空いてる時間で勉強していく必要がある。産婦人科3年目が大学病院だったので、どうやって勉強してたか先輩たちに色々聞きまくってた。

大体毎年7月末の試験なんやけど、早い人で3月から、大体は4-5月くらいから手をつけるイメージ。産婦人科全範囲から出るけど、ベースは必修知識と例題集の補遺、過去問題集をやる。ちなみに日産婦で売ってなくてKarib storeのWEB注文オンリーなんやけど1冊1500円の問題集の送料が1000円で腹立つので笑、はやめの共同購入がおすすめです!

とりあえず問題集を一通り4冊分解いて、適宜必修知識とかガイドラインを読むが基本になると思う。過去何年分やるのかって悩むけど、古すぎると癌のステージングが変わってたり、もう売ってなかったりするから手に入る範囲内で良いのかなと思う。

あとは友達と勉強会をしてた!zoomで3人で順番に問題出し合うスタイル。WEBやと人数は2-3人が丁度いい気がした。GWから2週おき、6月から毎週やってたかな。自分があんまり見てないところを共有してもらえたり、完全に1人でやるより頑張ろうと思えたからすごくおすすめ。

職場にも同期が2人いたから、ほんまに直前だけその3人でも仕事終わってから問題出しあったりしてた。試験前日も2時間くらい病院残ってやって、なんか学生時代を思い出して良かった笑

場所とか時間とか

西日本、東日本で会場はふたつだけ。コロナの時だけ(たしか2年だけ)、各地開催やった。西日本は毎年決まって千里中央のサイエンスホールなるところです。梅田でやればいいのにね。基本的には2日間で、1日目の筆記試験が午後から一斉に、2日目の面接試験は家が遠い人から順番にやから大阪は後半になる。受験番号は研修病院の県ごとで名前の順になってて、例えば大阪は27001からはじまって27XXXまでみたいな感じやった。面接も遅くても17時半くらいにはみんな終わる感じやったかな。

毎年そうらしいけど、会場はめちゃくちゃクーラー効いてるから絶対上着あった方がいい!!ちなみに受験票にも上着持ってきてねって書いてた笑

筆記試験について

1日目14-17時の3時間で120問のマーク試験。途中退室も出来たけど、ほとんどしてなかったかな。結構時間かかるからめちゃくちゃ余裕ある感じではなかった。マークなので鉛筆消しゴムが必要です。けど忘れても貸してもらえるアナウンスがありました。ちなみに試験会場の1階にコンビニがある。

内容はもちろん過去問解いてて解けたって問題もあるけど、ほんまに何もかも初見ですけど?!って問題も何問かあった…余裕があれば必修知識のAのあたりも直前に読んでおくと得するかもしれやん…けどそこで差がつくものでもないからどっちでもいいかも。結局こういうのってみんなが解けてる問題を自分も解けるということが大事なのです!

2023年の問題は何となく過去2年のとはちょっと違うなって感じで、エコー問題が目についたかな。体感6割くらいしか自信なかったけど、なんとかなりました。

面接試験について

2日目、ひとり20分の試験。大阪だとおそらく集合時間が午前、午後前半、午後後半の3チームに分かれてて、その中でさらに何人かずつでグループ分けされて呼ばれるまで待ち続ける仕組み。私は午後前半の最後のグループだったので3時間くらい待った…

グループが呼ばれたら待機室みたいなところで症例が書かれた紙(各分野1症例ずつ)をもらって、読みながら待機。書き込みokで、問題用紙に受験番号を書くように言われるけどこの日は筆記用具持参とは書かれてなかったから持ってないひともいてた。

ものの5分くらいですぐに各部屋へ呼ばれて、面接スタート。とりあえず自己紹介を忘れずに。一応知識は問わない、コミュニケーションの仕方とか受け応えをみる試験らしい。けどまあまあ色々聞かれる感じやから、その症例の治療方針とか全然内容わからん場合はきついかも。

ちなみに2023年度は聞かれたらややこしそうなの結構あった…以下のような症例だったので参考にどうぞ。結構過去のものと被ることもありそう。先輩たちから聞いた話では症例指定できたり変えてもらえたり、ぐだぐだやったら違うのにしてくれたり色々あったけど、今年は変えてほしいって言っても頑張ってみてって言われた人が多かったみたい。私はピルの症例だったので、耐えました。

○周産期
・妊娠7週 異所性妊娠 オペ説明
・MDtwinの悪阻 MDの周産期リスクの説明
・前置胎盤 CS2回既往 管理方針

○腫瘍
・CIN3 治療と管理の説明
・30代 150kg 子宮体癌G1 IA期
 不正出血でHb9.1 最近入籍 今後の治療方針
・胚細胞腫瘍の3期 発熱あり 治療方針

○不妊
・44歳 加齢性不妊 現状と今後の治療説明
・34歳 両側chocoオペ後 AMHやや低め
 今後の検査と方針
・OHSS

○ヘルスケア
・43歳 萎縮性腟炎 ホットフラッシュ 
子宮全摘後 萎縮性膣炎の説明と今後の治療
・19歳 機能性月経困難症 今後の方針
・コンジローマの治療

面接試験がおわると一旦そのグループ全員終わるのを別のところで待って、再面接&レポート修正あったひとが番号呼ばれて残らされて、呼ばれなければ終了って流れ。再面接は同じ症例やったり、別のやつやったり色々ぽいので、症例もやけど面接官の当たり外れ(やる気の有無)も結構あるのかも。

ちなみにtake4くらいまで面接やり直してた同期も合格してたので、再面接になってもめげないでください笑

合格発表について

ここ数年はホームページ上での発表やったんやけど(専門医レポートとか登録したページで各自)、2023年は郵送での発表やった。

9/26仕事中に突然メールがきて、結果発表かと思いきや「ホームページリニューアル中だから郵送で発表するね。郵送したよ。」とのこと。なんでこの時期に被せたのか謎すぎるんやけど、そこから数日緊張感が続くこととなる・・・。

流石にその日には届かんと思ったけど、翌日もソワソワ帰宅したのに届いておらず。翌々日の昼過ぎに友達から病院に今届いたとの報告があり。郵送先が病院か自宅か自分で選べるんやけど、その友達は病院にしてたので最速で結果を確認してた。私はというとたまたま契約したパーソナルジム(初回)を予約してたので夜9時すぎによろよろしながらやっと帰宅し、震える手で封筒を引きちぎって結果を確認しました笑

とりあえず家族と、同期で一緒に勉強してた子たちに連絡。そしてXの医クラアカウントでも報告。これは医クラアカウント作った時点で絶対しようと思っていたことの一つやった!たくさんいいねくるので嬉しい。

実際産婦人科専門医になってみて

なってしまうと不思議なものでこんなもんかーて感じ。ほんまに。ていうか今のこの感じで専門に名乗っちゃっていいんですか?!という気持ち。なので気持ち新たにまた頑張らねばと思いました。産婦人科をスタートして2年間お世話になった先生にも報告。産婦人科専門医は他科に比べると合格率も高くて、通過点でしかないんよなー。

まとめ

とはいえ、久々に試験勉強なるものをしてそれなりに大変だったなーと思うし、もう1度同じことやる気には到底ならないので1発で受かって本当によかった!

今後はサブスペ取得に向けて頑張ります!
女性ヘルスケア専門医が欲しい。

おにぎりを応援してくれる方がいれば、どうぞよろしくお願いします!!一緒にステキな毎日を過ごしましょう!