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元ダンに会う理由

私の誕生日が9月。
彼は10月。
お互いにお祝いのメッセージを送り合う相手。
元ダンナ。

3年前の彼のお母さんの訃報がきっかけだった。
かつてのお義母さんの葬儀には出られなかったので、久々にランチをしたのがはじまりで、今は年末の恒例行事になっている。
先日も、かつて家族だった人と、束の間の近況報告をした。

10年以上の前のことだから、たいていのことは笑って話せるが、ではなぜわざわざ過去の人に会うのかと考えてみたら、「自分たちの選択は間違っていなかったと確かめたい」というのが一番しっくりきた。

職場結婚だったこともあり業界のこと、かつての上司、共通の友人、話題はたくさんある。
未だ独身を貫く彼に、罪悪感こそないが、ちょっとした親心のような気持ちはある。
そんな彼も、来年はいい話ができるかもしれないと匂わせながら、仕事に戻っていった。
彼が再婚したら、もう会うのはやめようと思っている。

なぜか。
答え合わせの必要がなくなるからだ。
でも、本当はもうとっくに、お互いの道を歩いているんだけど。
私があの時欲しかったものは、今の生活で全て手に入れているし、彼もきっと同じはずだ。

そこに哀しさが1ミリもないということだけが、唯一救われる。


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