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あとがき

 2018年夏、清風館で2か月間勤務ののち、この大崎上島での移住生活を決意。その年の12月20日、故郷の母は、くも膜下出血で倒れ救急搬送される。
 倒れてから2か月と10日、意識の戻らない状態が続き、私と兄は母の日記を手にとり読み始めた。そこには母の生活の様子が綴ってあり、意思表示があった。
【延命治療はしないで下さい。】母の記した通り延命治療はしなかった。
母は潔く行ったのだ。
長年営んで来た家業を終えたその日に倒れるなんて、、、いろいろな想いが私の中で起こされて、最後に、やりとりしたのはメールだった。
「私に何かあったら後は、お願いね。」
何気なく私に伝えている。短い文章だけど母らしい。
母が倒れる半年前、帰省している私に母は、経験している事を文章にするようにと勧めた。故郷を離れ一人、旅を続ける娘を心配してか、その心境を少しでも理解したいと思ったのか。私は勧められるままに文章を書いた。母は出来た文章を読んでは質問し、何度も直す様に促した。その時、いつもの母とは違う厳しさを私に見せた。
 この事が、この旅のエッセイ集を、書き始めるきっかけとなり、今では母と私の一番の想い出となっている。
誰よりもこのエッセイ集を亡くなった母に捧げたい


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