#02.【長い通院生活の始まり】〜耳鳴りの正体は「硬膜動静脈瘻」実体験レポ〜
硬膜動静脈瘻と診断されるまで
異常を感じ始めたのは2か月半ほど前。30数年間、体感したことのない耳鳴りがし始め、3つの病院の耳鼻科や脳神経外科へ受診に行き、今現在も治療に向けて処置方法を検討している段階。この「硬膜動静脈瘻」という稀な症状について、患者視点で検査までの過程を発信しようと思います。今回はその第2話です。
前回の続きです。
「耳鳴り=耳鼻科」この思い込みから長い通院生活が始まる
土日を挟んで、月曜日。
待ちに待った診察日。
向かうは耳鼻科。
ここでは、北月医院(仮名)と
いわせていただきます。
北月医院は耳鼻科のある
最寄りの病院で、ここで耳鼻科を
利用するのはこの日が初めて。
診察の順番が来るまで
改めて右耳の状態を確認。
「耳珠」で穴を塞ぎ、
目を瞑って右耳に集中。
「キューン…キューン…」
院内でも人の出入りが多い
時間帯の待合室ということもあってか、
件の耳鳴りは、まあ何とか聞こえる程度。
医師に症状を説明するためにも、
この時だけはどうか鳴っていて
ほしかったのがひとまず叶って一安心。
診察の番がやってきて、
担当医の「どうされました?」
の問いを待ってましたかのように
症状について経緯を説明する。
耳鼻科専用と思わしき
リクライニングシートに
座らされ、担当医が右耳の中を
スコープごしに目視で確認。
念のため反対の耳も。
見た目は問題ないようで、
医師の「今も耳鳴りはしていますか?」
の問いに、待合室でやったことを
繰り返し「聞こえます」と返事。
医師は少し困った表情を浮かべ
「聴力検査」を行いましょうと
診察室の奥に向けて手を伸ばす。
聴力検査で明らかな違和感
そこは防音室になっていて、
中央の椅子に座らされると
左右、色の異なるヘッドホンを
装着させられた。
室内で看護師から検査方法の
説明が終わると
防音室の扉が閉められ、
室内はいよいよ1人に。
防音室は見事に静かな空間。
耳を抑えずとも右耳から聞こえる耳鳴り。
この状態で聴力検査を行うと結果は
どうなるのだと、気持ち心拍数上昇。
片方ずつ検査するとのことで、
まずは左耳にヘッドホンを当てる。
ヘッドホンから音が聞こえたらスイッチを押して
防音室の外にいる看護師に伝えるという
会社の健康診断でやったことのあるシステム。
左耳は全く問題なし。
右耳は、やはり「耳鳴り」が邪魔をする。
ヘッドホンから聞こえる音は
音量の大小もあれば、高音・低音もある。
右耳内から逐一「キューンキューン」と
聞こえる中で、なんとかヘッドホンの音を
聞き分け、いつもの健康診断以上に
手応えのないまま検査を終えた。
少し時間があき、
結果が出たようで呼び出される。
初診では原因究明ならず
医師の診断結果は「異常なし」。
心の中で「えっ!?」と思ったのが
つい言葉として出る。
医師曰く、見た目も聴力検査も正常で
これといった原因が見つけられないとのこと。
「ただ、頭部のCT検査を行えば
何か分かるかもしれない。受けますか?」
との問いに即答でYESと返事をする。
「当院にはCTの設備がないので、
隣町の水原病院(仮名)で受けてきてほしい。
紹介状を書きます。」
ということで、日を改めて隣町の病院まで
CT検査を受けに行くことに。
「そのCTの結果を水原病院から
北月医院に送ってもらって、
そこから画像を診断するので
結果は…1週間後かな。」
(1週間…長いな…)
田舎町の医院&病院なので仕方ないかという気持ちと、
早く結果を知りたいという焦りの気持ち、
その<1週間>という時間は「異常なし」の
診断よりもダメージだった。
この時はまだ耳の中で異常が
起こっているだろうと疑っていて、
初めてのCTならきっと鮮明に分かるだろうと
少し希望が持てた瞬間だった。
まだまだ真の原因究明まで
長い道のりが続くとは知らずに。
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