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バカな大人にならないために。第一章。


10月15日。曇りっぽい晴れの天気。雲の多い晴れ。僕は電車に揺られとあるところに来た。江原駅を降りると車で迎えに来てくれている。足早に車に近づく。

そう、今日は株式会社キリンジの運営する温楽ノ森へ来たのだ。豊岡市にあるグランピング施設だ。

近大豊岡高校の生徒さん向けに株式会社キリンジ代表取締役、天川洋介さん(@Yoo_milkyway)が講演をする。その話を聴きにきた。生徒さんが会場に到着後、まずはスタッフに連れて行ってもらい、ぐるっと施設を見学する。

その後、天川さんの講演が始まる。

熱く、そして大切な話。なので三章構成で公開していく。

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ー自己紹介


まずは自己紹介からね。
天川洋介といいます。
株式会社キリンジの代表取締役です。
他2つの会社で取締役と理事を兼任してます。

洛南高校から神戸大学に行って中退しました。
中退したことに後悔はしてません。
だけども、損したなって思うことはあるので、みんながもしもこの先の人生で大学を辞めるか、悩んだら相談してね。
天川洋介で検索かけたらSNS出てくるから。主にTwitterにいます(笑)
自分の目標!
来年、本を書こうと思っています 。自分が経験したことを書こうと。沢山失敗してるんでね、そういうのを同じ失敗しなくてもいいように伝えるのが先に生きてる人間の務めと思っています。2年後は情熱大陸出演!これを目標に日々過ごしています。

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じゃあ次はウチの会社についてお話しましょう。
大阪の会社、4年目の会社です。年商は2億くらい。基本的には宿泊施設をやっている会社です。
会社としての来年の目標は年商10億、グランピング日本一運営する会社を目標にしてます。
そのためにも本当に全国飛び回ってる。
昨日も北海道おったんよね。今日はこの話するためにここ豊岡に帰ってきました。なのでしっかり聞いてね(笑)
再来年は海外にグランピングを。グランピングって夏にやるもんなんよね。基本的には。
じゃあ南半球行けばいいじゃん。ってことでニュージーランドやオーストラリアでやってもいいかなって思ってます。
そんな感じで会社としてちゃんと儲けて、社員の年収1000万にするのを目標にしてます。

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じゃあ実際に何やってんの?ってなるよね。
こんなんやってますを見せるね。

さびれた駅をホテルに。
イメージ湧く?湧かへんよね。

はい、実物これです。

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https://the-exp.jp/region/koyashita/room/

大正14年に出来た駅。昔は駅員さんが居るところがあったり、倉庫があったりしたんだけど、今は無人の駅になってしまって使っていないスペースが沢山ありました。
その中を改装してホテルにしました。2部屋だけのちょっとリッチな感じ。
これは南海電鉄さん株式会社NOTEさんと一緒に手掛けた事業です。

次は古い家ね。

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https://sasayama-jgh.jp/

これは丹波篠山市。
江戸時代の元々お米屋さん。お米屋さんを再生して泊まれる所にしました。だから名前は「KOMEYA」

30年放置された畑。
さっき言ってた北海道の話ね。

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https://yoichivineyard.jp/

元々2mくらいの木とか草が全面に生えてて。ひっくり返して平らにして整地して泊まれる所にしました。
高校生やからお酒飲まれへんけど、余市ってウイスキーとかワインとかお酒が有名なエリア。この施設も隣がブドウ畑で、ここのブドウ使って出来たワインを飲む。おしゃれな感じにしてます。


赤字でつぶれた温泉。

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https://ongakunomori.jp/

まあここは見てもらったから分かるよね。
こんなかんじ!イメージ出来た?

「地方創生の勘違いー5つの問題提示ー」

ーそしたらね、改めて始めます。
『バカな大人にならないために』
すごく伝えたいことです。過激なタイトルに感じると思うけど、実際バカな大人って沢山いるんよ。ほんまめちゃくちゃおるねんな。
今回はバカな大人ってどういうことなのか。そしてそうならないためにはどうしたらいいのか。話していきますね。

先生から、地方創生に興味関心を持っている生徒さんがいると聞いたんだけど、どれくらいいます?考えてたり、実際活動してたり、なんでもいいよ。
おお、結構おるね。手あげてくれてありがとう。

天川さん

そもそも地方創生って何やろう。
まあ地方創生ってね、地方が廃れていってるからなんとかせねばならんと。国がお金を掛けたり、みんな呪文のように地方を盛り上げて行こうぜ!って言ってるんやけども。
みんな地方創生で間違いや勘違いがあまりにも多い。
まずはね、その勘違いを5選、出していくね。

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①行政がやってくれる
②地域のために
③みんなで頑張ろう!
④一発当てに行く
⑤地域から出ない。

今から、この勘違いの話ではなく、一旦別の話しますね。
この5つの勘違いをみなさんも考えながら聞いてください。


「地方創生の本質と商い、三方よし」

ーまず、そもそも地方創生ってなんなのか。そこからやねんけどね。

「商い」が成り立つから、地方創生になる。断言出来るよ。

ちゃんとお金を貰う、儲けるってのが大前提なんよね。しっかり儲けてちゃんとお客さんに喜んでもらう。お客さんがその地域に来てくれることで、お金を使ってくれる。これが「商い」。

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「商い」って、知ってるかな?
語源はね、昔主な産業は農業。お米を収穫したりね。秋になったら稲刈りしてそれを売りに行くのね。商業を秋に行っていたから「あきない」っていうのね。諸説あるんだけど。
商いから商売、商人が出てくるんやけどね。江戸時代に「士農工商」ってのがあったんよね。
武士が偉くて、農民、工業、最後が商業。商人はほっとっても勝手に儲けるから一番下にしてるんよね。これも一応は諸説あるけど。

だからか、なんかお金儲けって聞くとさ、悪いイメージない?
金儲けするねん!してるねん!って聞くとさ、悪いことしてる人みたいな。
でも、お金儲けって悪いことじゃないんよね。

もちろん、悪いことして稼ぐのは絶対あかんけどね。詐欺とかはあかん。
だけど、みんなの親御さんも働いて君たちを高校に行かせてくれてる。
お金がないとなにもできないんだよね。国のお金だってなくなったら誰も幸せにならない。
ちゃんと稼ぎましょうっていうのが大前提ね。これは地方創生一緒。商いをせなあかん。

お客さんが喜んでくれるから地方も盛り上がるねん!
ってよくみんな勘違いしちゃうんだけど、儲からへんのにお客さんに喜んでもらっても上手くいかない。続かないんだよね。

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そうやなあ、例えば100円でそば食べれるよ!っていうイベントをするやん。確かにお客さんは喜んでくれるけど、地域にはお金が残らへん。自分たちは疲れる。
何回もやろう!ってならへんのよね。

だからこそしっかり稼ぐ、お客さんに喜んでもらう。それから、お金を使ってくれる人たちが地域に来てくれることで地域もしっかり潤う。
これが地方創生の「大原則」で尚且つ「商い」なんよね。
都会が栄えているのはみんな商いやってるから。しっかりお金を貰ってお客さんに喜んで貰っているから。地方がさびれているのはみんな商いしなくなったから。お客さんにいいものを提供してお金を貰うってしなくなったから。
それが正しい認識やと思ってる。

ただね、商いの難易度は地方が都会と比べて遥かに低いんよ。
なんでやと思う?
それはね、1番になりやすいからなんよね。1番を取るのは商いをする上でめちゃくちゃ大切。
1番っていう事は真っ先に思い出して貰えるんよ。つまり選ばれやすくなる。
逆にいうたら1番じゃないと覚えてもらいにくいから、仕事のチャンスが大きく減ってしまう。

例えば、豊岡でデザインの仕事してる人がおるとしよう。多分何十人かおると思うねん。でもそれが大阪やったら何千人おる。簡単な割り算やけど、何十分の1の方が、何千分の1よりも、1番狙えるチャンスは大きくなるよね。だからこそ、地方がチャンスは転がっている。
あと、商いやるうえで地方が難易度低くなるのは、土地。


大阪は土地が本当に取り合いなんよね。駅前とか大きめの土地とか、みんながハイエナのように探し回ってるんよ。豊岡きたらめっちゃ空いてるやん土地。借りたり買う金額も全然違うねんな。金額も地方が圧倒的に安い。
誰も気が付いてないチャンスが実は地方には多くあって。自分で商いする種が沢山転がってるのは間違いないよ。

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さっき見せた北海道の余市ヴィンヤードグランピングもそうなんよね。
木に埋もれてたから誰も見向きもしなかった。森やと思っている人が多かったんよ。そこにブルドーザー入れてひっくり返して。そしたら商い出来るチャンスがあったよね。だから僕らも地方に行って案件を持ってくる。
商いの難易度は地方の方が本当に低い。

ただ、商いする上で、三方良しっていうのもしっかり抑えないといけないよね。
三方良しって言葉は知ってる?
商いを行う上で基本になるんやけどね。
まず自分、要は売り手ね。ちゃんとお金を貰って商売が成り立っていますと。
次に買い手。買い手が満足いくこと。お金払ってよかったって思ってもらえる価値やね。
その上で世間から見て、良いと思って貰わないと商いは続かない。

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例えば、コロナの時にマスクの買い占めや転売が増えたやん。マスクが少なくなったから高いお金出してでも欲しい人が増えた。
自分も儲けれる。お客さんも高くても喜んで買ってくれる。でも普段より大幅に金額が上がったし、買い占めによって買えなくなった人は多いよね。

自分と取引先、要は買いたい人ね。これだけだったら簡単な話。
だけどちゃんと世間も良いよねって言って貰い続けないといけない。何故なら世間の良い評価を貰えていない商売は続かないから。
でもね、世間を味方に付ければ商いはやりやすくなるし、もっと良くなる。だから、世間も意識すれば商いはもっと良くなっていく。

江戸時代やったかな?近江商人が作った言葉。滋賀県の商売が盛んやったところ。

「自分よし」「相手よし」「世間よし」

これが商売の大原則。これを無視すると一時的には儲かるかもしれへんけど、ずっとは儲からへん。例えば詐欺とかもそうよね。自分は儲かる。だけど相手は損したことに気が付く。そうなったらやっぱり続かないんだよね。捕まるし。
まともな商いが「三方良し。」

だけど、最初は意識しててもわからへんと思う。どっかで気が付く。
自分のやっていることは世間で評価されているのか。人の役に立っているのか。
最初っからわかるものではない。だけど、少しだけでも意識だけはしてほしいかな。
意識していると後で必ず気付くことができるから。

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結局のところ僕らも地方創生のために、地域のためにやってるわけではなくて、結果的に地方創生になっていると思うねんな。


元々豊岡に縁もゆかりもなかったし。
でも僕らがやることで結果的に、地域も潤うっていう事を目指しているんよね。お客さんが来てくれる。地域でお金を使ってくれるように。

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僕らのスタンスは、元々宿泊施設ではないもの、さっき見てもらった駅とか古い家とかなんだけど。そういったものを宿泊施設に変えていくのが僕らの強みなんだよね。使っていない物を使っていきましょうと。

地方だと空き家とか廃校とか、そこまで活用されていない物が地方にはある。そういうのを僕らが価値を見出し活用していく。

活用されていなかったものを活用するとね、地域の人は喜んでくれるよね、活用してくれてよかったと。そしたらメディアも珍しいことやってると感じて取り上げてくれる。
メディアが取り上げてくれたら、人が来てくれる可能性は増えるよね。そんで人来るようになったらしっかり喜んでもらえるサービスを作ってお金を頂く。結果的に地域も潤う。例えば温楽ノ森だったら、帰り蕎麦食べて帰ろか、豊岡市内でカバン買って帰ろか、とか。

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自分、相手、世間。三方良しのビジネスになる。

結局のところ、僕らがやっているのは非常にシンプル。結果的に地方創生になって地方が潤ってくれるが前提。僕らがやっているのは「商い」なんよね。


第二章へ。

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