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【MARVEL SNAP】カードの「コスト」と「パワー」について色々考えてみた(第2回)

 おひさしぶりです、Makaru.G(まかる・じー)です。
 今回は、以前投稿した記事の続きです。
 前回は、任意にデッキに投入可能な「アビリティなし」カードに注目し、それらのパワーを「各コストにおける、パワーの標準値」と定義しました。

①《ワスプ》     :コスト0、パワー1
②《ミスティ・ナイト》:コスト1、パワー2
③《ショッカー》   :コスト2、パワー3
④《サイクロップス》 :コスト3、パワー4
⑤《ザ・シング》   :コスト4、パワー6
⑥《アボミネーション》:コスト5、パワー9
⑦《ハルク》     :コスト6、パワー12

 今回からは、この「標準値」を使って、色々なカードの強さを考察します。ただ、あまり難しい事は書いていないので、今回も前回と同様、どちらかというと初心者向けの内容になっていると思います。


▶︎コスト1は優遇されている!?

 急に他のカードゲームの話題になってしまいますが、ウィザーズ社製のトレーディングカードゲーム「Magic:The Gathering」のプレイヤーコミュニティでは「マナレシオ」という用語が時々使われます。これは、カードの能力値や効果値をプレイコストで割り算した数値で、カードの強さを考える際、指標のひとつとして用いられます。
 そういうわけで今回はまず、冒頭で挙げた7枚のカードについて「パワーの数値をコストの数値で割り算」し、同じ数値を出してみることにします。《ワスプ》以外の6枚は、普通に計算できそうですね。以降、本稿ではこの数値を「エネルギーレシオ」と呼称します。

①《ワスプ》     :算出不能(ゼロ除算)
②《ミスティ・ナイト》:2÷1=「2.0」
③《ショッカー》   :3÷2=「1.5」
④《サイクロップス》 :4÷3=「1.33」
⑤《ザ・シング》   :6÷4=「1.5」
⑥《アボミネーション》:9÷5=「1.8」
⑦《ハルク》     :12÷6=「2.0」

 計算結果で注目すべきは②と⑦で、エネルギーレシオが同値になっています。さらに、前回「自分にとって有利に働くアビリティを持ったカードは、パワーが低めに設定される」という一般的な傾向について言及しましたが、コスト1のカードには、自分にとって有利に働くアビリティを持ちながら、パワーが2(=標準値)のカードが多々あります。
 ゲーム開始直後のシリーズ1環境で、「軽量カードを大量展開した後、それらにまとめてパワー上昇効果を乗せる」戦術が強い理由のひとつはこれです。パワー上昇効果を持つ《カイ・ザー》や《ブルーマーベル》、それらを増幅する《オンスロート》などはシリーズ1収録のカードであり、比較的早期に入手できるのも、強さを助長しています。


▶︎コスト1には「天敵」が存在する

 コスト1のカードの弱点は「コストが1であること」です。シリーズ2の収録カードの中には、軽量カードの大量展開を1枚で阻止できる、強烈なカードが存在します。

《キルモンガー》
 コスト3/パワー3
 公開時:
 全ての1コストカードを破壊する。

 このカードの存在により、シリーズ2以降の環境では、ロケーションに出ているコスト1のカードは常に、破壊されるリスクに晒されます。もちろん、軽量カードを展開する側も「相手の《キルモンガー》が出るまで大量展開を控える」などプレイングでの対策は可能ですが、それだけでは限界があるでしょう。もっと根本的な部分、すなわちデッキ構築の段階で、「相手のデッキに《キルモンガー》が入っている事を想定した構築」を強いられるわけです。


▶︎コスト3のエネルギーレシオが極端に低い理由

 さて、ここで逆に、前述のエネルギーレシオが低いカード群にも注目してみましょう。具体的にはコスト3のカードが該当します。
 コスト3のカードはターン3以降であれば気軽にプレイでき、エネルギーと手札を適切に管理すれば「他の軽量カードと同時にプレイする」運用も容易です。ただし、《ソードマスター》など一部の例外を除き、パワーは低めに抑えられています。シリーズ1〜シリーズ2の環境では「高コストのカードを引き立てる脇役」という印象です。
 しかし、ここに「ある要素」が加わると、コスト3のカードのパフォーマンスは爆発的に上がります。その要素とは「コスト軽減」です。シリーズ3環境では「カードのコストを変える」「使用可能なエネルギーを追加する」などの効果を持ったカードを、プレイヤーが任意にデッキに積めるようになります。

《セラ》
 コスト5/パワー4
 永続:
 自分の手札すべてのコストを-1する。

 特に、この《セラ》をターン5にプレイしたあとのターン6では、コスト3のカードを「2枚」ではなく「3枚」同時にプレイできるようになります。現在の環境では、これを利用した「《セラ》+《シルバーサーファー》+コスト3多数」という構成のデッキが有名ですが、実はそれ以前から《セラ》自体は様々なデッキに採用されていました。実際、セラは過去に公式から「やや強すぎる」と判断され、そのパワーが「5→4」に変更されています。

 やや脱線したので話を戻しますが、シリーズ3以降の環境はそれまでの環境と異なり、カードの効果によって任意にプレイコストを変更できる機会が増えます。通常より1ターン早く出せると非常に強いカードや、特定のカードを通常より1ターン早く出すことで実現できる強力な戦術も登場します。
 そうなると必然的に、エネルギーレシオの比較による考察も、「違うコストのカードを同列に並べて比較する」ことが前提になるので複雑化するわけですが、このあたりは非常にボリュームのある内容になるため、また別の機会に考察していこうと思います。


▶︎今回のまとめと「次回予告」

 「カードのパワーをコストで割り算してみる」という試行は、カードゲームを遊び慣れている方であれば、誰もが一度は経験済みかと思います。その意味では、今回のエネルギーレシオという考え方にオリジナリティや新しさは全く無いのですが、実際に試してみたところ面白い結果になったので、今回ご紹介した次第です。
 そして次回は、今回エネルギーレシオを算出できなかったコスト帯、すなわち「コスト0」のカードについて、集中的に考察します。「カードをプレイする時にはコストを支払う」という基本ルールがあるゲームで、コストを支払わずにプレイできるカードというのは色々と悪事を働きがちですが、マーベルスナップの場合はどうでしょうか……?


 ここまでお読みいただき、
 本当にありがとうございました。
 それではまた。Makaru.Gでした。


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