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「ハーモニー」について考えていたら「ポプテピピック」になった話

「ハーモニー」というSF小説をご存知でしょうか。 
伊藤計劃氏の残した近未来に起こりうるかもしれない「生命主義」というイデオロギー
が出現した世界と、魂の居場所を探し求める若者たちの物語。

紹介しておきながら、肝心の小説には怖くて手を伸ばしておりません。
アニメ映画、漫画化されていますので、そちらの方を観ました。
しばらく考えがまとまらず、感想や考察なども閲覧して、「哲学ゾンビ」がどういった
思考実験であったとかそんなことを調べつつ........

やっぱり、今!今だからこそ多くの人に考えてもらいたい作品だな!と強く思い至った
わけです。ただ、作品自体になんとも言い難い重力があって、引っ張られてしまう人は
引っ張られてしまうのではないかと危惧してしまう作品でもあります。

ハーモニーでは、「意識」が人間にとってどう在るのか。そしてどうなっていくのが
「よ」いとされるのか。そんな問いを喉元にナイフを突き立てられているような感覚
で見守ることになります。

私としてはアニメ映画「かぐや姫の物語」でかぐや姫を迎えにチャンカチャンカ音楽
を奏でながら、天人が迎えに来たラストにも似た感覚がありましたが、人類に絶望し
ているが故の「生命主義」は、息苦しい管理社会を作り、一見慈悲のようにみえて、
優しさの押し付けという真綿で首を絞めているジレンマに陥ります。

「意識」への考え方は様々でしょう。何故、今一人でも多くの方に読んで欲しいなあ
と感じたのは、ハーモニーの世界では、WHOが最高権力を得たら?のifを描いている
からなのです。

コロナ前なら、笑い話だったかもしれませんし、実際にそこまで極端な現実になるかと
いえばなんとも言えませんが、人々の「意識」が急に極端に一方へ向かい突き進む危険
は、歴史の事実としてありますから、歴史から学びを得るならば、「ハーモニー」は
今現在、必読の書のように思うのです。

そして、非常に「ハーモニー」は疲れます。

その疲れた脳に「ポプテピピック」不条理マンガは癒しをもたらしました(笑

そのことにも「意識」の不可思議さを感じるのでした。

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