見出し画像

他人と縁を結ぶということ―真実告知

2023/3/29(水):特別養子縁組⑰
 今日も特別養子縁組について考えていきたいと思います。
 今日は先週に引き続き、「真実告知」について。
 なかでも、真実告知の実際について目線を向けていきたいと思います。

 おさらいとして…「真実告知」とは、特別養子縁組をした養親が養子に対して「養子が生まれた背景や実親の存在」について伝えることであり、これは子どもの「出自について知る」権利の視点から決められています。

 では、その真実告知とは実際どのようなものなのか?
 まず、研修で見せてもらったり、テレビでの特集で公開されていた養親子関係は…

 物心つく前から説明し親子でのコミュニケーションの時間に
「○○はお母さんのお腹にいたの?」
「○○ちゃんは△△ママのお腹にいて、赤ちゃんの時にお母さんのところに来てくれたんだよ」
などと楽しい雰囲気で実親についての話をする様子などがあり、子どもも臆することなく自分の親や生まれについて疑問などの話題を養親に投げることができ、実親のこともポジティブな感情で話しているように見えました。
 自分には「もう一人のお父さんお母さんがいる」という感覚が「普通」として育つようなタイミングで伝えておくのがいいのかな?とも思います。
 
 私の知人の養親さんは当時1歳の男の子を受け入れましたが、家にやって来た当初から真実を伝え「お母さん(養子)」と「○○(実親の住んでいるところ)のママ」(実親のこと)と呼び分けをして育児をしていますが、少なくとも中学生の今、いわゆる「よくある親子喧嘩」をしており「養親だから」というつまづきはまだないようです。

 さて、真実告知についてもう一度想像してみましょう。
 いざ告知をするその時、どのような姿勢が大切なのでしょう。
 
 これ、ここ最近「特別養子縁組」について語るときに私が何度も書いていることなので、読んでくださっている方にとっては
「またかぁ…」
な主張かも知れません。
 それほど私の中では大切であり、難しいと思うこと…実親に対する気持ちの在り方ではないかと思います。 
 きっと我が子がかわいいと思えば思うほど、我が子の幸せを願えば願うほど、実親への思いは複雑になってしまうことも起こりえるのが現状ではないかと思います。
 しかしその複雑な思いを越えて我が子同様に実親のことも受け入れるような努力を続けることが大切なのではないでしょうか。小手先や言葉だけの誤魔化しは子どもにも伝わり、不信感を募らせることにもなってしまうのではないかと思います。養子縁組親子の関係がより良い関係であればあるほど、養親の中に見える実親への「マイナスのイメージ」は、自身への否定であるともとれるものなのではないでしょうか。
 そうなってしまったら真実を知った子どもの心に寄り添うことも困難になってしまう可能性もあり、親子関係のより良い構築にも子ども自身の出自を知る権利を遂行のためにも、そして何より子ども自身のためにもならないのです。 
 きっと一筋縄ではいかないこと。だけど我が子になってくれた養子を愛するなら、彼・彼女が背負った人生も丸ごと認め愛し、立ち向かう姿を時には見守り、時には共に人生の課題を乗り越えて行くことが養親にはもとめられるのではないかと思います。

今日はここまで!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
スキ!とか頂けるととっても喜びます。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?