見出し画像

カメラが写真を上達させる時代に考えたいこと/#051

SNSで画面に表示される写真を見るたびにワクワクする。キャプションやハッシュタグを見ると使用機材が明記されたものも見かける。あのカメラでこの写真が撮れるんだと度肝を抜かれることもしばしば。その度に思うことは「カメラのスペックに関係なく心を動かす写真は撮れる」ということ。

写真を趣味として始めた頃は良いカメラ=良い写真が撮れると思っていた。あながち間違いでは無いがそれが全てでは無い。スマホの画面で見る場合の多くは10万円のカメラでも40万円のカメラでもその違いを言い当てるのは難しい。ましてやフィルム写真とフィルム風写真の違いですら危ういかもしれない。それらは撮影時の光や構図、レンズワーク、レタッチなどから成り立っているからだ。さらに言えばそれらを達成するための撮影イメージや撮りたいものが明確でないと難しいもの。

最近のカメラはとにかくよく写る。パッと見た時の画質の綺麗さは言うまでもない。更には瞳に自動的にピントを合わせてくれる。つまり撮影者は撮りたいものをフレーム内に収めてシャッターを押す。これだけで写真が成り立つのだ。フィルム時代や一眼レフ時代からすると、そこにあったプロの職人技が必要なくなったのだ。誰でも綺麗な写真が撮れる時代になった。

そこに更なる磨きをかけるにはどうするべきか?を考えたい。カメラの自動化により何も考えずとも押せば撮れる。それが正解と錯覚しやすく、ピンボケ、ブレは失敗だと思われやすい。しかしながらそれを表現として取り入れる場合もあり、結果的にそれが良い写真とされる場合がある。写真は表現の世界であり正解は無いと思う。大切なのは自分がどう見て何を表現したいのか。カメラに使われないように自らがカメラを使いこなしたいものだ。

自分が撮りたいものや表現したいものが明確になれば、それに必要なカメラやレンズが分かる。オーバースペックである必要は無くなる。自分自身に何が必要で何が足りないのか。目まぐるしく進み続ける時代だからこそ、自分と向き合う時間が大切なのかも知れない。

SUBARU(マカベ スバル)
鳥取県在住 / なにげない日常をテーマに写真を撮っている / 出張撮影 / 写真イベント企画  / 鳥取のPR活動も行なっている。
Instagram / Twitter / Portfolio / note

この記事が参加している募集

#カメラのたのしみ方

54,988件

#新生活をたのしく

47,900件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?