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私が不動産事務のパートをした時の話

 まずは私が入った時の従業員構成

 営業の社員二人、その二人の社員に鬼怒っている超怖い店長一人、パートの女性の方が一人、計四人がいた。そのパートの女性の方は二年ほど勤めているらしいが宅建非所持。社員のことは「わすれんぼさん」と呼んでバカにしており、小口精算用の金庫は「ちゃちなやつ」と言ってバカにしており、店長のこともあだ名を付けたり、「私は斜めに構えてへえへえ聞いているだけだ」とバカにしており、裏紙で印刷するボタンがプリンタのどこにあるか忘れたら「まじか」などと言ってきてバカにしてきたり、たかがパート事務を把握しているだけでこんな横柄にしていて大丈夫なのだろうかと私は訝しんでいた。
 その女性の方から私は事務を教わっていたのだが、1ヶ月ほど経ったある日、その方が本社に呼ばれ、契約の更新を切られることになった。店に戻ってきて「やっぱり宅建持ってないとダメなんだ~」「更新切られたから娘の学費が賄えない~」と喚いていた(ほれ見ろ言わんこっちゃない)詳しい人事異動のことは一介のパートの私は知る由もないが、恐らく宅建士は店に一人いれば良いということなのだろう。店長は本社勤務へ戻ることになった。その次の日からである。更新を切られることになったパートの女性が本性を現し、私に猛攻撃を始めたのだ。

 パートの更新を切られた女性がいなくなるまで

 社員がいるのもお構いなしに事務所でもの凄い剣幕で怒鳴り散らす。まだ馴れていないのを良いことに、粗を見つけては鬼の首をとったかのように大声でけしかける。そんな権限などないくせにわざと指示を出しまくり、間違えさせたところ激高する。バカにしきって挑発する。しまいに証拠もないのに金庫のダイヤルをいじって開かなくしたと、絶叫して言い切ってくる始末。店長も本社勤務に戻り、怖いものがいなくなったノースペック勘違いバカ女の暴走を止める人もなく、私は1ヶ月間やりたい放題やられてしまったのである。たかがパートを切られたごときで詰んでしまう人間の逆恨みはこれほどまで恐ろしいものなのかと私は辟易した。資格、スキル、キャリア、コネ、教養、常識感覚、学習能力、尊厳、意志の強さ、自分の評価を受け止める度胸、何も持っていなくて暇に出され、破滅の片道切符踏を渡されたことを底辺なりに薄々勘づいていながらどうすることも出来ない。そんな現実に立ち向かえるよう、人のことを蹂躙して心の準備をしている様がこれ以上なく痛々しかった。
 私にしてあげられることといえば、どうでもいいザコが最後の最後まで自分の愚かしさを露呈した挙句に為す術もなく沈んでゆくさまを安全圏から眺め下ろし、反対の立場でなかったことに安堵し、ナメ腐って生きてきたツケを払う段階に来てしまった人と、新人として運悪く鉢合わせしてしまった自身を憐れむことくらいだった。長い目で見るとこのBBAより私の方が勝っているのは分かっているのだが、人のこのを怒鳴るだけ怒鳴っておいて、またどこかでしれっとパートでもやっているのだろうかと思うと私は腑が煮えくりかえるのである。最も、私が業を煮やさずともこんな人は若くてスペックの良いコマにまたすぐ置き換えられているのだろうけど。どうせこんな人はここを捨てられた後はどこからもお断りで潰れるだけなのだからと、私はBBAの事務処理能力を適当に煽ててやることにした。

 パートの更新を切られた女性がいなくなったその後

 そうやってこいつと会うのもあと10日、今日も耐えたからあと9日、と指折り数えている最中であった。コロナで店を1ヶ月ほど閉めることになったと上司から連絡が入った。私はその間、休業手当や国からの特別給付金をもらいながら営業が再開するのを流暢に待っていた。営業が再開した時はもちろんこの人は沼の底へ沈んでおり、私は引継ぎという名の大変な迫害から解放されたのであった。今頃娘の学費が工面できないのを発端に心中でも図っているのだろうか。更新を断られている立場で厚顔無恥に自分よりスペックが高い人間を完全に見下して威迫できる神経と度胸があるのだから、また次のところで懲りずに厚かましくしては愛想尽かされていることだろう。どうせならマニュアルだけ残してもらってもっと早く捨てておいてくれれば私も被害に遭わずに済んだと言うのに。反撃を一切恐れることなく自分よりスペックの高い人間をいたぶり倒せる人生最後の機会も途中で失ってしまった自意識過剰で短絡的な人権侵害BBAが、今はどういう気持ちでコンプレックスと劣等感、そして詰んだ人生を抱えて生きているのか、ざまあみろな事態をこの目で確認できないのがただ一つ悔しい点である。世の中にはまともな女性がいくらでもいるというのに、なぜよりにもよってこのような最底辺の女性に当たってしまったのか。それはきっと素晴らしい事実を私に再認識させてくれるためであったに違いない。
 そのBBAの中では、自分は店の役に立っており、会社にも認めらていると信じて疑っていなかったところ、実際には宅建を持ってもいないくせに自分の城のように振る舞っている目障りで再配置の余地の無い粗大ゴミという共通認識だったのだ。更新を切られた原因をあくまで私のせいにしたかったのだろうが、そもそも求人募集が掛かっていた時点で更新しないリストに入っていたわけではないか。宅建を持っておらず、かといって特に更新を切られてもいないパートの方と知り合いになったのが何よりの証拠である。曲がりなりにも2年間不動産事務を任されていたプライドはどこへやら。非更新の決定を下した会社側にザコが立ち向かえるはずもなく。ただ目の前にいるまだ自分よりも仕事が分かっていない新人に逆上を浴びせ、みんなから疎まれ、もはや誰からも注意されることすらもなく、とにかく早くいなくなってもらいたいだけの汚物と化してしまった。だがこれでようやく汚物が処理された後の正常な事務所を満喫できると思ったのも束の間、事はそう単純にはいかなかった。

 え、何が・・・。

 営業の一人が主任という肩書きだったのだが、処理が分からない伝票のことを聞くと「それBBAがやってたから分かんないんだよね」と言い、取引台帳が月別に並んでいたくらいで「それBBAがやってたから、適当になってる筈ないから」などと言い、もう何ヶ月も前に干されている人のことを未だに引き合いに出してくることに怒りを覚えると同時に、宅建士の私を差し置いてノースペックBBAのことをそんなに信頼していたのかと驚き呆れ果てた。この主任というのがまた名ばかりの畜犬で、上から来た指示を事務所に伝え、伝えましたと報告することが主な存在意義。事務を把握してちょっと強くなったパートには何も言えない。奥さんはパニック障害で創価学会会員。やはり宅建は持っていないため、自分だけでは契約一つ結ぶことができない。会社の方針はどうあれ、同じ底辺属性の人の方が気が合っていたのも頷ける。
 ここまで頑張って読んで下さった方に朗報がある。店長は本社勤務に戻す、カス社員しか置いていない、ノースペックのパートはデカい顔して牛耳っているこの残念不動産が、2023年の7月いっぱいで閉店したのだ。皆さんが利用してしまう前に潰れてくれて本当によかった。私はもちろん自分が正しかったことが証明されて万々歳である。

 最後に

 私の場合、あと何日でいなくなると分かっている幼稚で単純な単細胞に一時言わせてやればよく、向こうがどれだけ攻撃しようと私のステータスには傷一つ付かず、当然期限後は二度と会うことはなかったが、どちらかがいなくなるまで軋轢と戦わなければならない方々に私は敬意を表したい。あなたが虫ケラにわざわざ尊厳たらしめるものを認め、同じ俎上に立って気を揉んであげるような物好きではないと信じているが、ザコは好きなだけ墓穴を掘って詰んでおけば良いのであり、賢人は自分のスペックを高め、来るべき次の人生の荒波に備えておかなければならない。周りはちゃんと見ているし、あなたの方がレベルの高い話題を振られるようになるのも時間の問題だ。そもそも戦力として数えられていない奴らよりはまともな現在を我々は謳歌している。たまにニュースで全身メッタ刺しの事件などを報道しており、どうしてそんなことが出来るのだろうなどと思ったりするが、あなたを苦しめている人間はそのような末路を迎えるに違いない。





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