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視姦

  声色の変化と共に赤みを帯びた先端から白濁した体液が溢れ出す様を見て、触れていないのに温度を感じた。引き金が私だという悦びは少しの優越感と支配欲を満たし、愛という誤解を生じさせる。神秘的興奮の余韻は心を震わせ、理性による冷静さを拒む。ティッシュで拭き取れば簡単に終わりを迎えるのに。私は信頼とか繋がりとかいう名の下に恋の微動をひた隠す。見透かしているのか。見透かされているのか。透明の膜は、まだ、破られないまま。

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