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黒ノ巣消防団 元団員 / 地方の会社員・企画・営業・機械設計・事務・戸締係 / IoT…

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黒ノ巣消防団 元団員 / 地方の会社員・企画・営業・機械設計・事務・戸締係 / IoT・地域社会・暴飲暴食・統計・経済・日本史・民俗 | 黒ノ巣消防団とは、複数の実在消防団をモデルにした半空想の消防団組織

最近の記事

災害記録書として 方丈記 #012

イイクニいい国作ろう 鎌倉幕府。 日本史のテストのためだけに、呪文を唱えて記憶した1192年。 イイクニ真理教のように憶えさせられた割に、さほどいい国とはいえないというオチまで教えてくれた日本史の授業。 1192年。 それもそのはず、イイクニの20年後である、1212年後に京都 下鴨神社の神職(禰宜)であられた鴨長明は方丈記に日本の惨劇を書き記してくださいました。 今回は、「方丈記」の教訓から現代の防災対策まで、災害と向き合う私たちの姿勢について考えてみたいと思います。

    • 警戒 は茶番か #011

      皆さま、こんにちは。 気がつけば10月。 黒ノ巣消防団には、年末だけやたら熱心に夜間の警戒活動を実施する、謎の文化が存在します。 本当に現行の警戒活動は、意味があるのか。 警戒と称した ただのプチ忘年会ではないのか。 消防団による警戒活動は、地域の安全を守る重要な役割を担っていると長年考えられてきました。 しかし、その実効性については疑問の声も上がっています。 今回は、消防団の警戒活動と防火対策の実効性についての考察です。 形骸化の懸念多くの地域で、年末年始や夏祭りな

      • ローカルと技術と倫理 #014

        はじめに地方であるほどIT技術、IoT、AI活用の推進や浸透、活用が必要で、得られる効果も計り知れないと考えています。 特に医療や行政サービスの分野では、これらの技術が大きな可能性を秘めています。 しかし、最近高知市で起きた個人情報漏洩事件は、技術の導入と倫理的配慮のバランスの難しさを浮き彫りにしました。 技術と倫理は二項対立するのか。 はたまた調和するべき要素なのか。 この事例について考察します。 事件の概要と本質的な問題高知市消防局の20代の消防隊員が、救急搬送された

        • 能登から学ぶ 能登に報いる #010

          はじめに先日、能登半島を訪ねました。 今年の元旦に発生した大地震から9ヶ月。先日の記録的豪雨。復旧の進展は遅々としているように見えました。 道路の寸断や、応援隊のアクセスの難しさが、復旧作業の大きな障壁となっているように感じました。もちろん復旧に従事なさる方々には頭が下がる思いで、人の無力と勇敢が入り交じる異世界にも。 この状況を目の当たりにし、災害対応における「事前復旧」の重要性を改めて認識しました。 きっと自然災害は避けられない。しかし、起こり得ることを予測し、可能な限

        災害記録書として 方丈記 #012

          消防団定員数の問題点と改革案 #009

          とても長くなったので、稿を改めました。 前回記事の続きです。 1. はじめに日本の消防団制度は、地域の安全を守る重要な役割を長らく担ってきたらしい。 しかし、黒ノ巣消防団の事例に見られるように、昭和25年から定員数が変更されていないケースは全国で散見され、かつ存在します。 この状況は、社会の急激な変化に対応できていない可能性を示唆しています。客観的には、少なくとも対応しようとしているようにも感じられない。 本記事では、この問題に焦点を当て、現状分析、問題点の洗い出し、そ

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          消防団定員数の問題点と改革案 #009

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          消防団員_定員数決定の要素【 勘です 】#008

          この記事で定員数について触れました。というより、定員数に囚われすぎない方がいい、と述べました。 今回はなぜ、そう考えるのかをもう少し深めてみようと思います。 早い話、定員数が 真に街の求める数なのか、 過去の誰かが導出した何らかの数なのか、 現在人口が適応すべき数なのか、 消防団が決めてもいないし、責任も持っていないばかりか、 消防団も行政も興味を持って改め直し続けていないから、囚われない方がいいよ、というもの。 街の要素どんな要素から定員数は決定されているのか、想像を

          消防団員_定員数決定の要素【 勘です 】#008

          栃木の試み #007

          素晴らしい試みだと思います。 栃木県の「1日消防団体験」は、若年層への啓発という観点から、非常に有効そうな取り組みと言えるでしょう。 この取り組みを参考に、他の都道府県でも同様の取り組みを進めることで、消防団の活性化と地域防災力の向上に貢献できるかもしれません。 黒ノ巣からもどなたか視察に伺えばいいのに。 もちろん各地域の特性に合わせてプログラムを企画することが重要でしょう。 各地域の消防団の現状や、地域住民の防災意識などを把握し、ニーズに合ったプログラムを企画し直す

          栃木の試み #007

          薄っぺらい消防団は女性団員を受容できるか #006

          今回は、女性消防団員(以降:「女性団員」)について考えます。 消防団における女性団員の増加は、近年注目すべき現象の一つです。この記事では、総務省消防庁のデータのみに基づき、女性消防団員の増加傾向と課題を分析したあと、多様性と包容性のある消防団の実現に向けた展望を提示したいと思います。 女性団員の現状増加傾向の分析 グラフを提示します。 これは消防庁HPから筆者が作成したものです。数値は全国ベース。一応トレンドライン(薄い赤色)も付与してみました。 グラフからも明らかなよ

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          薄っぺらい消防団は女性団員を受容できるか #006

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          消防車を購う ということ #005

          記事の要約記事の内容を要約してみます。 概ね次の2点に絞られようかと考えます。 違法行為 山口県内の複数の自治体で、議会の議決を経ずに高額な物品を購入する違法行為が相次いで発覚。 同年に3台 長門市でも購入履歴(過去10年間)を調査した結果、2020年に消防車両3台(約2500万円)を議会の議決を経ていない購入が判明。 記事の補足 罪名と刑罰 まず、地方自治法に違反していることは明らかでしょう。しかし、地方自治法において具体的な刑罰を定めているわけではありません。

          消防車を購う ということ #005

          定員数で適切な団員数を語れない #004

          定員を軸にしちゃダメですよ。 地獄と地獄の比較して導出されるのは 地獄との差であって、 地獄感を認識するのには適していそうですが、 「より地獄度が深まる」か 「地獄から抜けつつある地獄を再認識する」か に陥る可能性が高いです。 文末に"担い手不足が課題"の文言。 おそらく、担い手不足は問題で、 問題解決のために、対策Aと対策BをC年かけて実行する計画であり、対策AとC年に深く関係する、要素Dをクリアできるかが課題である、と、記者さんはお書きになりたかったのでは。 インタビ

          定員数で適切な団員数を語れない #004

          操法大会と災害対応力向上に相関・因果はあるのか #003.2

          この記事ではもう少し操法大会の問題点をふりかえり、実戦にほとんど関係のない催し物に公費を支弁する行為の、功罪について述べてみたいと思います。 「必勝」と宣う勘違い 黒ノ巣消防団では、大会において選手を鼓舞・応援する、威勢の良さそうな"のぼり"を立てて選手の機運を高める、みたいな超常現象は、さすがに発生しませんでした。 どんなのぼりが掲揚されるのか、ご覧になりたい方は、”操法大会 のぼり” などのキーワードから検索エンジンをたたいていただくと、謎めいたのぼりの画像はご覧いただ

          操法大会と災害対応力向上に相関・因果はあるのか #003.2

          操法大会と災害対応力向上に相関・因果はあるのか #003.1

          前回の記事では、消防団員にとって、操法技能の習得がどの程度重要なのかを考察してみました。 この記事では消防操法、特に競技大会と実戦にどんな隔たりがあるのかについて紹介し、大会の必要性を評価したのち、 消防団にとって、より重要な要素や訓練はどんなものがあるのか、私的な意見を交えつつ記してみたいと思います。 操法競技における問題とか課題とか 実戦と競技の乖離 競技は理想的すぎる状況下で行われます。 初めて操法競技大会の練習に参加した光景と、 初めて火災出動した災害現場の光

          操法大会と災害対応力向上に相関・因果はあるのか #003.1

          操法大会と災害対応力向上に相関・因果はあるのか #003.0

          日本のいたるところで、消防団員さんとして貢献なさっておられる読者に対して、やはり操法競技大会について考察しないわけにいかない。 今回は操法について、考えます。 先に結論ぽいことを述べるなら、この記事では操法競技大会を否定します。操法大会こそが 消防団員の使命だ!とおっしゃる団員さんも大勢いらっしゃるし、嬉々として、また目を輝かせて操法に取り組まれている団員さんも。 縷々の意見は承ったつもりで、それらの功罪や効果にも触れつつ、勇気をもって操法大会を批判します。 ”操法”そのも

          操法大会と災害対応力向上に相関・因果はあるのか #003.0

          適正な消防団員数を 誰も知らない #002.2

          前稿では、団員数の増加は芳しいことであるが、定員数に囚われすぎてはいけない点と、国が推奨している機能別団員制度におけるメリットやデメリットについて考察してきた。 あまり冗長な編になってもいけない、面白くないので、そろそろ本件をまとめて別の課題についても考え始めたい。 この記事では編の括りとして、機能別団員制度に批判的な立場から、問題点を再確認したのち、筆者が例外的に訴求したい機能別団員制度の一例を記したい。 機能別団員制度に対する批判 批判的な立場から、最も端的に機能別

          適正な消防団員数を 誰も知らない #002.2

          適正な消防団員数を 誰も知らない #002.1

          前稿では、全国規模の団員減少と、地域レベルで団員数を考える際の定員数の不合理さについて考えた。 この投稿では、生き物みたいに変容し続ける社会に対して、消防団員数はどうあるべきかについて考察を続け、国が提案している機能別団員制度に言及してみたい。 だから機能別団員制度 ある消防団が、最適な定員を算出するのは至難の業であろう。 人口も生活者数も、災害の耐性も異なる。地域性も存在すれば、歴史的な背景が災害に及ぼす影響も異なりそうだ。住民の意識の違いによって被害規模が増減する可能

          適正な消防団員数を 誰も知らない #002.1

          自己紹介 note #001

          じぷた といいます。 よろしく お願いいたします。 今回は自己紹介をしようと思います。 ”黒ノ巣消防団”とは 複数の実在消防団をモデルにした半実 半空想 の消防団組織です。 元消防団員の筆者が経験したこと、伝聞やSNS、新聞記事を目にした雑感を忘備録として記しておく空間として設定しました。 登場人物や団体の名称は、すべてフィクションだと ご認識ください。 内容が酷似しているからと言って、特定の団体や個人に対する中傷や攻撃などは、絶対にお控えください。 繰り返します。 本

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