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マゾの宅急便

ある祝日の昼、僕は惰眠を謳歌し、起きてはTwitterでどうでも良い情報を追うか、卑下をする。そんな事を繰り返していた。起きてヒゲを剃る、それすらも億劫で、昼飯を食う事もしないまま日が沈もうとしていたその時、仲良く手押し相撲をしている妹達の先にあるインターホンが鳴った。見向きもせず、聞いたことあるような無い様な内容の曲を歌い始める妹達を横目に、パジャマのまま僕が応対した。ドアを開けると、紺色のワンピースに赤いカチューシャを身につけた上品な少女。ラボコフの『ロリータ』に登場しそうな少女。沈黙が場を制する。私からはこの沈黙は破らない。自分に問いかける。見せてくれ意地。なんて、クレイジー。場の感覚では、回っていく0時。長い沈黙。彼女は段々と頬を赤らめる。僕は彼女の舌を絡める、妄想をする。もう、そういった想像を創造する事にも飽きた頃、
「もっと、責めて」
彼女が言う。そして、唐突にダンボールを手渡す。

彼女はマゾの宅急便

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