サワーマッシュ 10選
素晴らしい歌集を読んだので、感想を短歌で呟いたのですが、きっと誰も気付かなかったことと思います。
あらゆる創作物の作者が、同世代・同性だと急に意識してしまうし、思わず手に取ってしまうし、嫉妬に似た感情で勝手に落ち込むこともある。だけど、谷川由里子さんの歌集「サワーマッシュ」は本当に良くて、完全にやられました。
付箋を貼りまくり、何度も読み返す。家で会社でバスで電車で路上で。
私的10選を以下に記載します、いいのかな?載せて。コンプラ的に駄目だったら教えて下さい誰か。
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「住人がみんな布団を干しているアパートの角を右に曲がって」
「日当たりのいい公園のブランコは夜になってもギラギラしている」
「まだ降ってないよこっちはいつもより白い車がきれいにみえる」
「珈琲の染みがついてるデカマグを人間のほっぺたみたいにさわる」
「5年着てこんなところにポケットがあったのかって驚きたいな」
「ボウリングをする前日は透明のボールとレーンがどこにも見える」
「キッチンでいつもみている風景を誰かが撮った写真で見たい」
「暗がりで目が合ったネコ その先は、祝勝会で貸し切りの店」
「おいしい、の手話を覚えた 噛みながら何度もできる みていてほしい」
「油壺マリンパークに向かうのと通勤で乗る電車はちがう」
「話すかもしれない話をしなかった青信号が映える早朝」
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10選に出来なくて11選になっていますが、まぁいいっしょ!
良い週末を過ごそうね。
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