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新型コロナ騒動の中で演劇を⑤・・・<配信>

(超人予備校第16回本公演『ヤドカリン』は、2020年の11月から延期し、2021年3月31日、4月1日の2日間仕込み日、4月2日~4日本番で上演しました)。
こんばんわ、劇団超人<正直に言います!>予備校主宰の魔人ハンター<えーっと、7月19日の月曜が平日で、7月22日と23日が祝日なのですねー>ミツルギです。
今回は新型コロナ騒動の中での救世主的存在?の『配信』について書きます。
劇場に約半分の動員しか入れられなくなったので、足りない分を配信に頼るわけです。
元々、DVD発売用にとか、記録用に撮影してる場合が多いので、カメラが入るのは慣れているのです。
が、配信となると様子が変わってきます。
まず、環境です。
私達が上演したインディペンデントシアター1stには幸いなことに配信の機材がありました。
なので、まず
1・どの配信の回線を使うか?
超人予備校では、旧作の配信とDVD販売を『観劇三昧』に頼んでいるので、生配信もお願いしました。
インディペンデントシアター1stを使うところは、そのパターンが多いと思います。
それに音楽の著作権料を払ってくれるし、配信チケット販売もしてくれるのが『観劇三昧』のいいところです。
配信は、劇場との連携の部分が大きいので、劇場との話し合いが大事になる気がします。
状況によって生配信ができにくいところもあるでしょうから。
近頃はツイキャスで配信するのも増えてるようですねー。

次の問題は
2・据え置きで行くか?スイッチングするか?
① 据え置きカメラ1台
据え置きカメラ1台で撮ると経費はかかりません。
が、全てを賄うので引きの絵一つになるでしょう。ちょっと物足りない感じがあります。

② 据え置きカメラ3台+スイッチャー
ウチでやったのは、これです。
1stにあるカメラを3台使わせてもらって、スイッチャーに絵を切り替えてもらい、シーンに応じて最適な絵を配信するというものです。
『ヤドカリン』の場合、

舞台全体を観る引きの位置
奥の顔出しパネルが大きく見える位置
やや右よりの位置

の3パターンで配信しました。
据え置きカメラ1台よりも臨場感がありますが、顔のアップが撮れません。
その辺がちょっともどかしい面があります。

あと据え置きカメラのためにスペースがいります。
客席をつぶさねばなりませんでした。
4月3日の昼(配信リハーサル)と夜(配信本番)は完売していたのですが、日曜に代わってもらった人がいます。
大変申し訳ないことをしてしまいました。
そこまで考えが及びませんでした。

配信すればそのままDVDにすればいいと思ってたのですが、DVD用に再編集した方がいいと助言をもらったので、後日3台の映像を編集してもらうことにしました。①と違って人件費がかかります。
芝居を理解していないスイッチャーだと難しいので信用できる人を探さなくてはいけません。
出演していないタイプの演出家がやれば上手く行くのですが、私が出ているものでできません。
いつも撮影をお願いしている方にお願いしました。

③ カメラマン+スイッチャー
カメラマンつきのカメラなので、アップも撮れてかなりよくなります。
スイッチャーもいるので引きの絵もアップもある映像になるのです。
ただ人件費がかなりかかることになります。

『ヤドカリン』は
劇場観劇 3000円
配信観劇 1500円

にしました。それぐらいの値段で楽しんでほしかったのです。
① はちょっと淋しく、
② が予算的にもギリギリかな?という感じでした。
③ にすると値上げしないといけなかったでしょうねー。

3・配信期間をいつまでにするか?
生配信の時間以降、どれぐらいアーカイブ配信するかです。
大劇場で行うような演劇は、次の日までとか、アーカイブ配信無しとかもありますねー。
1週間ぐらいが多いのかな?
私は「観劇三昧」の最長期間の2週間でお願いしました。
4月3日の土曜日の18:00、配信したので、2週間後の4月17日の18:00までです。
少しでも多くの方に観てほしかったもので・・・。

前日の16日、21:00から同時に『ヤドカリン』を観て、Twitterで呟くということをやってみました。
『#一緒にヤドカリン』です。
劇団員、出演者中心で裏話などを披露しました。
配信が広まったことで新たな遊びが次々出てきそうです。

やっぱり1番の問題は
4・値段設定
ではないでしょうか?
観劇三昧のオンライン観劇は一月見放題で1000円程度です。
旧作をかなり観ることができます。
超人予備校の旧作も何作か観れます。
他にも無料で観れる動画も多数あります(超人予備校の無料で観れる動画はこちら 

https://note.com/majin_20/m/me9c3e53117a5

『おはなしえん VS 1st』です)。

そこへ有料の作品で入りこんで行くことになるのです。
赤字は出したくない。でも、高いと買ってもらえない。
このジレンマはずっと続くでしょうねー。

ほんと今まで知らなかったことだったので、配信に関しては凄く時間がかかりました。

結果、80人を超える人に観てもらえました。
まあ、一人で観てるとは限らないのでもっとでしょう。
初めての人も多かったみたいです。
観たことない劇団を1500円で観れるのは大きいです。
いろんな地域でも観ることができるのも大きいです。
日本の様々なところどころか、ハワイでも観てくれた方がおられました。
こういうのありがたいです。
なかなかこっちから芝居持っていけませんからねー。
アーカイブ配信を2週間にしていたので、週末忙しい人も大丈夫です。
こう考えると配信の可能性って大きい気がします。
コロナ騒動が収まっても続くかもしれません。

まだ配信になれてないので、まだ観てもらってる実感がなかったりします。
購入いただいたけど、観てもらえてるだろうか?とか考えたりします。
買ってもらったとわかってても、『ご鑑賞ありがとうございます!!!!!』と送っていいもんだろうか?とか考えてしまいます。
考えすぎですかねー?

私は配信を観る方でもあります。
松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロビッチ、三谷幸喜の新作を3000円ほどで観れるのは実にありがたいです(1万円とかしますからねー。)
あと月1の柳家喬太郎さんの無観客ライブ配信も観たりします。

観る方のハードルについても書いておきます。
1・クレジット決済が主流。
クレジット持ってないと購入できないとかがあります。
その辺、劇団側としてどうにかしたいと思います。
劇団が銀行振り込みで対応してるところもあるみたいですねー。
考えてみる必要ありそうです。

2・音量の問題。
今はスピーカーにつないでるので問題はないです。
が、それまでは音が小さくて、台詞が聞き取れないとかありました。
声がボヤーとしてクリアじゃなかったりすることもあります。
まあ、台詞に合わせてボリュームを合わせていたら、音楽が入って
「うるさーい!!!!!」
と言いたくなることは頻繁にあります。

3・wi-fiの環境
Zoomしてわかったのですが、ウチはあまりwi-fiの環境がよくないようです。
配信が止まることがあります。
アーカイブ配信無しの公演を買ったときは、ほんと冷や汗ものでした。
ほんと時々、機嫌悪くします。
これは人によりますねー。

4・観るタイミング
私、いつでも観れると思い込んでしまい、期限切れ間際に慌てて観たことがあります。
大概、2週間とかあれば観れるだろうと思い込んでしまうのです。
それがなかなか観れなかったりするのです。
まだ私は観れなかったまま、期限切れになることだけは避けてます。

「映像は演劇じゃない。」
という演劇人もいます。
まあ、その気持ちもわかりますが、まだ劇場に来るのが怖い人もたくさんいると思います。中には職場から劇場やライブハウスに行かないようにというお達しがあるところもあることでしょう。
個人の考えですが、配信はやってもいいことではないでしょうか?

私は演劇始めた頃は、音響はオープンリールでした、それからMD時代を経て、今、PC時代。次に何か出てきました?
照明もLEDがやってきたりしてます。
演劇自体はそんなに変わってない気がします。
パフォーマンスが入ったり、あとプロジェクションマッピングが入ったりしたぐらいですかねー?
配信は一気に演劇を新しくモデルチェンジしてくれる気がするのです。
別の場所でも同じ時間を共有しているという行為が、演劇的だと思うのです。
配信のことを考えて台本を書くようになるかもしれません。
私も少しは考えました。
これからもっと考えることになると思います。

こんな感じでしょうか?
これからドンドン技術は上がるだろうし、配信に未来はあると思います。
考え続けてもいいことではないでしょうか?

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