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【企画に参加します】#子どもに伝える私の(前の)しごと

我らがチェーンナーさんの記事でご紹介されていた
メディアパルさんの面白そう・素敵な企画✨
【募集企画】 #子どもに伝える私のしごと
参加させていただきます。

▼メディアパルさんの記事

▼我らがチェーンナーさんのご紹介記事

▼とっても面白かったユハコさんの記事

もうすでに辞めてしまった仕事の話ですが、
プロフィールにも「元グラホ」って
堂々と書いてあるし…。
お許しください笑💗

グランドスタッフという仕事

皆さん、こんにちは。

私は5年間、ある航空会社の
グランドスタッフとして働いていました。

この仕事は
もしかすると皆さんが大きくなった頃には
なくなっているかもしれません。

理由は、これまで私たちがやってきた仕事を、
機械ができるようになっているからです。

韓国仁川空港のセルフチェックイン機
韓国・仁川国際空港、大韓航空などスカイチーム専用に新設した第2ターミナルを公開。自動化で乗り継ぎ時間を短縮」2017年11月29日

韓国仁川空港のセルフバッグドロップ機
「韓国・仁川国際空港、大韓航空などスカイチーム専用に新設した第2ターミナルを公開。自動化で乗り継ぎ時間を短縮」2017年11月29日

それに皆さんもご存じの通り、
航空事業は
コロナウィルスの影響で大きな痛手を負いました。
今は航空券の価格がとても高くなっていますし、
飛行機が排出する二酸化炭素のせいで、
地球の温暖化がさらに進んでいます。

解決しなければいけない問題は
山積みです。

CO2の排出量を減らすために、もっとお金払ってね、
とルフトさん。
…。

少しでも無駄な出費をなくすために、
グランドスタッフの仕事がなくなる日は
そう遠くはないかもしれません。

もしそうなっても、
「あーこういうことも昔は人の手でしてたのね」
という記録にもなるかもしれませんので、
この記事を書いてみました。

お仕事詳細

出発2時間前@カウンター

皆さんが旅行に出かける時、
航空会社のカウンターで、
飛行機に乗るためのチケット(搭乗券)を受け取ったり、
荷物を預ける時、私たちがいます。
これらの手続きを、チェックインと呼んでいます。

この時、皆さんが必要な書類を持ってこないと
私たちは搭乗券を発行できません。
例えば、パスポート。
あなたがどこの国から来た人で、
どんな人なのかを証明するとっても大事な書類です。
忘れる人が意外にたくさんいますので、
これだけは絶対に忘れないでください。

グランドスタッフはまず、
パスポートを隅から隅まで
嘗め回すように(笑)観察します。

パスポートの有効期限にも注意が必要です。
あと1か月で切れてしまうパスポートでは
行くことができない国もあります。

パスポートに落書きがあったり、
破れている場合も注意が必要です。

そしてもし海外旅行に行くなら、
その国に行くためのビザ(=その国に入国する資格
みたいなもの)が必要な場合もあります。

グランドスタッフも、
どの国にどこの国の人が行くには
どんな書類が必要なのかということを
ある程度熟知していないといけません。

人気の渡航先の条件は自然に覚えますが、
名前を聞いたこともない、
とっても珍しい国に行かれるお客様もいます。

その場合、私たちはとっても焦りますが💦
(背中に滝汗)
平静を装いながら「どういう書類が必要か」を
調べます。
カウンターでグランドスタッフは
パソコンの画面とにらめっこしていますが、
その画面に暗号のようなものを打ち込み、
「Timatic」というシステムにアクセスして、
入国の条件を調べるのです。

「Timatic」だけではありません。
他にもいろんな種類の暗号があり、
この空港では、乗り継ぎ時間が最低何時間必要なのか、
この便はどんな機体なのか、などなど
いろんなことを調べることができるんです。

そして荷物を預ける時。
私たちは、お客様が預ける荷物の中に
どんなものが入っているのか
お客様に質問して確認します。

スーツケースの中に入れてはいけないモノがあります。
例えばマッチやライター、リチウムバッテリーなど
火事を起こしてしまう可能性があるもの。
冬は石油ストーブを預けたいというお客様が
たくさんいましたが、
これも預かることはできません。

他にも多くあったのが、日本刀。
日本に観光で来て、刀を買って帰るお客様。
こういう場合は、特別な検査と、
模造刀と証明する書類が必要です。
※確か本物の刀を預けることはできないと
記憶していますが誤っているかもしれません。

あとは、大き目のペットや
狩猟用の銃を預ける人もいます。
こういう場合は入国時、
通常必要な書類以上に
求められる書類が多いので、
グランドスタッフもどんな書類が必要か
分かっておかなければいけません。

出国1時間前@搭乗ゲート

チェックインがある程度終わったら、
グランドスタッフは搭乗ゲートへ向かいます。

客室乗務員が必要とする情報が記載されたリスト
を持って飛行機の中へ行き、
客室担当の責任者(パーサーと呼ばれます)に渡します。

搭乗開始時間は、
飛行機の大きさによって決まっていますので、
その予定時間から搭乗を開始して問題ないか、
パーサーと確認します。

グランドスタッフは、
自分の仕事をするだけでなく、
機内や飛行機の外など、
周りで何が起こっているかも
把握していないといけません。

ですから、搭乗開始時間の確認だけでなく、
機内をよく見渡して、
何か変わった事がないのかも確認します。

皆さんが預けた荷物が問題なく
飛行機の中に積み込まれているのか、
パイロットと管制塔の人達は
飛行経路の話し合い等が終わっているのか、
飛行に問題がないの機体チェックは完了しているのか
などなど。

出国30分前@機内

搭乗が始まったら、時間との戦いです。
出発時間までに300人近いお客様を
飛行機の中へご案内しないといけません。

搭乗時間を過ぎても
搭乗口に来ていないお客様がいれば、
館内アナウンスで呼びかけたり、
空港中を捜索しに行きます。

時間を守らないお客様1人のために、
出発時間を遅らせるということは決してありませんので
出発時間の10分くらいになっても来なければ、
そのお客様の荷物を飛行機から降ろす手続きを始めます。

その間、搭乗前に渡したのと
同じリストの最終バージョンを再度印刷し、
パーサーへ届けます。

無事お客様が全員搭乗し、
機内も出発の準備が整い、
管制塔から出発の許可が出たら、
飛行機のドアを閉めます。

飛行機は前に進むことはできますが、
後ろに下がることはできないので、
トーイングカーという車で自力で進める位置まで
押されます。
私たちは、この「プッシュバック」を見届けてから、
次のフライトの準備をします。

まとめ

プッシュバックの時、いつも帰ってこないでね✈️
と祈ってました。
帰ってくる=トラブル発生時だからです。

ご紹介したのは、
飛行機が出発するまでの流れです。

もちろん飛行機が到着した時も
グランドスタッフの仕事がありますので、
それはまたいつか時間があれば
ご紹介しますね。

長文にお付き合いただき、
ありがとうございました。

そして。
環境への配慮もしつつ、
航空業界がまた元気になって
皆さんがいろんなところへ
出かけられる日がまた来るよう、
心から祈っています。

だって世界は広いですからね。

エジプトと私🇪🇬



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