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さらば愛しき大地

監督 柳町光男
主演 根津甚八、秋吉久美子

時々見てしまうダウナーな映画。
鹿島工業団地の工事で景気の良い頃から工事が一段落して仕事が減って行く中、2人の子どもを失い、愛人を作り、覚醒剤に溺れて、全てを見失ってゆく男・幸男。
幸男の弟明男のかつての恋人で、幸男と別世帯を持つ女・順子。
よるべのない二人は互いを必要としていたが、覚醒剤の影響で幸男は蝕まれ、喪失し、壊れてゆく。

暴力や薬物の描写の多いドラマで、内容は沈鬱で、悲惨です。
若い頃観て、なんじゃこれはと思いながらもそれ以後、何度も繰り返してみてしまいます。

壊れてゆく農村の暮らし。
田んぼを売り、御殿のような家を買う人、列をなして田んぼの中を行き交うダンプ、家の圧力、凄惨な事件。

何故繰り返し観てしまうのかな?
私たちが失ってきたもの。
「愛しき大地」を喪ったものたちの、タコの糸が切れたような倫理観や道徳のない、切なさが溢れているからかもしれませんね。

お薦めできないですが、とてもいいいい映画です。
主演の二人は本当に素晴らしいです。

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