![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135229797/rectangle_large_type_2_45ebad41bb8265e9ce130f51e7b565ce.png?width=800)
『らん乱ラン♬八重山大騒動』
登場人物
ノノコ (奥殿小学校児童)
マコ (大浜小学校児童)
コイッパ
オヤケアカハチ
オニトラ
キミハユ
ナカソネトユミヤ
ナータウーシ
老姥
兵士①➁
シーン①ノノコの部屋
●奥殿小のホスト家庭のノノコの家にやってきた大浜小のマコ。お菓子とジュースで話がはずんでいる。声が聞こえだす。
ノノコ 「で、マコの好きな人って誰?」
●ノノコとマコのおしゃべりは止まらない。マコが推しメンの話を始める。
マコ 「へへへ、クラスの子じゃないのはノノコと一緒。昔の人っていうのもノノコと同じ。」
ノノコ 「誰?あ!琉球三山統一の英雄・尚巴志!」
マコ 「よく知っているね。」
ノノコ 「授業で学習したもの(胸を張る。)」
マコ 「今から五百年前にオヤケ・アカハチの乱というのが石垣島の大浜であっったの。」
ノノコ 「(顔を曇らせる)乱って、反乱のこと?怖い!」
マコ 「怖い、かあ。でもこんなことだったら怖くないかもよ。」
●舞台暗転。
シーン➁西表島の屋良部の洞窟
●オヤケ・赤蜂(アカハチ)によって石垣島を追われた長田大主(ナータウーシ)が海を眺めている。そこに飯椀を持った老姥が登場。
老姥 「ナータウーシよ、身体はどうかなあ。ま、これで温まるがいいさあ。」
ナータ 「(一口飲む)おばあよ、わしはおばあのように敬われ、尊敬されるお年寄りになりたかったが、いつの間にかウザがられ、敬遠される老害になってしまったさあ。」
老姥 「石垣で何があったか?」
ナータ 「アカハチは大した奴だ。」
老姥 「波照間から来た赤い髪の大男だな。もとは海から流れ着いた子どもだと聞いたが。」
ナータ 「(うなづく)見所のあるやつだと思って妹のコイッパを嫁に勧めた。しかし二人に、いつの間にか島を奪われてしまったよ。飼い犬に手をかまれるとはこのことだ。」
老姥 「アカハチは飼い犬ではないぞ。赤い髪と赤い肌とどこまでも大きくなってゆく体。それは炎。火そのもの。」
ナータ 「火?」
老姥 「化身だ。」
ナータ 「(あっと驚愕)イリキヤアマリ。」
老姥 「(深く何度もうなずく)」
ナータ 「火の神、この八重山や人々を作った神様・イリキヤアマリの化身なら、わしがとてもかなう相手ではなかった。」
老姥 「しかも、ナータウーシよ、お主の妹コイッパは於茂登岳の神を宿して居る。」
ナータ 「そうだ、その二人。わしなどがとてもとてもかなう相手ではなかった。」
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?