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HOSONO HOUSE /細野晴臣(1973)(2019)(2019/3/24)


【レビュー】

前回YMOを取り上げたので、少し遡って本作を。

日本のポップ・ミュージック史は、何かにつけてはっぴいえんどがフィーチャーされるわけです。
私自身、確かにすごいメンツのバンドで、作品も名作だなとは思うのですが、何というか、音楽エリート感が鼻についてしまって、避け気味でありました。
ミュージック・マガジンあたりが、何かにつけて持ち上げるのも気に入らなかった、というのもありました。
これは、次回もう少し詳しく書きますが、要は、非常にはっぴいえんど絡みは避けており、斜に構えていたわけです。

そして、はっぴいえんど解散後に細野晴臣が発表したデビュー作が本作。
上に書いたような、はっぴいえんど周りに対するひねくれた感情を持っていたので、聴いたのは相当年を取ってからだったのですが、まあ、確かにすごい。

例えば、日本のヒップホップ関係者は、日々、日本語の韻や音としての聴こえ方を工夫したりしております。
少し遡って、80年代には、ケラなんかがそういう日本語解体的なことをしていましたが、この人、70年代初頭から、軽々そういうチャレンジをしていたのですね。

タイトルからして、脱力の「ろっかまいべいびい」、妙に文学的な「僕は一寸」、意味不明の「住所不定無職低収入」などなど。
曲の方も、音数を削ぎ落とした、シンプルな素晴らしさがある。

もちろん、これらは、はっぴいえんどとして既に完成していたとは思うのですが、細野のソロの方が、ソリッドで嫌味がなく、より純化した感じがします。
1でいきなり持って行かれ、途中もダレず、脱力の10まで一気。

日本のポップ・ミュージックの最高峰の一つ、間違いありません。



【結論】

★5。
で、近時、本作の新録が。
リマスターではなく、新録なのが凄いですが、曲順を逆にするというアナーキーさ。
これも凄い。 あわせて、必聴です。


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