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There's A Riot Goin' On/Sly & The Family Stone(1971)(2020/4/12)


【レビュー】

世はコロナコロナで大騒ぎなのですが、ここでは平常運転で。

もう1枚、ファンクの弩級の名盤を。
私自身、かなりガツンとやられた作品でして、まだレビューしていなかったのは手落ちですね。

自分の経験になってしまうのですが、80年代のPrinceにガッツリのめり込んで、そのルーツ的な取り上げられ方をしていたのが、Sly & The Family Stone。
その捉え方も相当ざっくりではありますが、確かに、ブラック・ミュージックをベースとしながら、したたかに白っぽい音楽も取り入れ、ロックをはじめとして音楽ジャンルもボーダレスに、自由に動き回っていたという点では、確かに先駆者ではあります。
ロックで育ってきた幼い耳でしたので、背伸びしていきなりゴリゴリのJazzをぶっ込んでもなかなか理解できなかったのですが、Sly は、すっと耳に馴染んできたことを今でも憶えています。

本作は、その、Slyの1971年作品。
ドラッグでかなりままならない状態にあったSly Stoneが、ほぼ 1人で作ったとも言われています。

意図的なのかは分からないのですが、非常にモコモコした音で迫ってくる。
ファンクというか、半分地獄に片足突っ込んだような不穏なリズムで、音が、塊のように飛んできます。

オープニングからラストの12まで最高なのですが、やっぱり白眉は4でしょうか。
驚くのは、シングルカットされたこともさることながら、こんな暗い曲が全米1位になっているということ。
素直に、すごい。

その後の、Slyの失速を見るに、本作であらかた出し切ったのかな、という気もしてしまいます。


【結論】

★5。
文句なし。 この先も、変にクリアなリマスターはしないで、このモコっとした音のまま、後世にも引き継がれて欲しいと思います。

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