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狼少年 wolf boy /森田童子(1983)(2019/4/28)


【曲目】

1 愛情練習(ロシアン・ルーレット)
2 ぼくを見つけてくれないかなァ
3 ぼくは流星になる
4 151680時間の夢
5 球根栽培の唄(ときわ荘にて録音)
6 ぼくのせいですか
7 憂鬱デス
8 狼少年・ウルフボーイ


【レビュー】

森田童子、ついでなので、もう1枚。 ラスト・アルバム。

世間一般でも言われておりますし、本ブログでも何度か言及したことがあるのですが、げに恐ろしきは80年代なのです。
前2回でもレビューしたように、地獄のような暗さと透明感を誇っていた森田童子なのですが、本作、オープニングからモロに80年代。
2曲目も、「キラキラ」という単語(森田の発音も含め)の何とも言えない恥ずかしさ。
森田童子の作品、という免罪符がなければ、なかなか先に進めないほど。

しかし、その後徐々に持ち直し、森田節も復活。
そして、本作の白眉は5。
「球根栽培」とは、もちろん、爆弾製造のこと。
本作の発売は1983年、左翼による爆弾闘争はこの時点でも過去の話になっていたと思われるのですが、なぜ、このタイミングでここまで露骨な歌を入れてきたのか。
学生運動には親和的な人ではあるのですが、セクト的な活動のイメージも無く、今となっては確認しようもないのですが、非常に興味深いところです。

ともあれ、森田童子は、本作を最後にシーンから姿を消します。
活動期間は短いですが、まあ、鮮烈ですし、ただ事ではない本物の匂いをまとった人。

私自身、聴き始めたのはほぼ最近なのですが、折に触れ、彼女の音楽には触れていくことになるでしょう。
それほど、中毒性の強い人であることは確かです。


【結論】

★3.5。
なお、「球根栽培」の詳細は下記。


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