風街ろまん/はっぴいえんど(1971)(2019/3/31)
【レビュー】
もう一丁、「はっぴいえんど」といえば本作、ということで取り上げてみます。
前回、はっぴいえんどが「鼻につく」と書きましたが、それは正直今でも変わってはいません。
テクニック抜群、曲抜群、ゆったりとした、今でいうロハス的な雰囲気。
要は、能力に満ちた人々が余裕をもって作られた感がある作品。
ついでに、出てくる地名が暗闇坂、十番。
何かもう、ザ・東京で、分かった分かった、と言って、逃げ出したくなるのですよね。
それでも逃げられない完成度があるのが余計にたちが悪くて、(時間を空けて)何度も聴いてしまうという。
今でこそ、50年近い前の作品ということで落ち着いて聴けますが、まだ発表から日が浅かった80年代頃は、シャレオツなおっさん達(港区か湘南在住)から見下されいてる感が強く、本当につらかったのです。
こっちが必死に垢抜けようとしているところを、お前らは、さっと女の子を連れ去っていくんだろう、そして麻布界隈で楽しい夜を過ごして、でも余裕があるから女の子には手を出さなかったりして、ああもう。
ルサンチマンを蹴飛ばし冷静になると、やはり日本語の扱い方は素晴らしくて、今でも十分に通用します。
これだけのメンツが揃っているので、曲はいわずもがな。 作品としてはほぼ完璧。
たぶん、今の若い人たち、のが偏見なく聴けるんでしょう。
そして、50年後も間違いなく残っている作品なのですが、私は、これからも、「まあ、いい作品ですよね、うん」と、奥歯に物が挟まった感じの距離感を保っていくのでしょう。
前回も書きましたが、この嫌味が、細野ソロになるとすっと抜けていくのがまた不思議であります。
【結論】
★4。
苦手感は多少残っているので、ちと減点。
バックミュージック的に流し聴きするのが、ストレスがなく、一番いいかもしれません。
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