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オンライン上で「KUMA EXHIBITION 2021」を体感したので感想書いてく

こんばんは。クマです。
今回もゆるゆると書いていきたいと思います。

いつのまにか梅雨入りですね。
ただでさえ外出自粛期間で外に出られないのに、雨の日が続くと気が滅入ってきますね。
そんな時こそお家の中で楽しめるものを。
というわけで。

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今回は、5月31日まで開催されていたオンライン展示会、「KUMA EXHIBITION 2021」の感想をつらつら書いていこうと思います。
ちなみに我らが九州クマの会とは特に何の関係もありません。


KUMA EXHIBITION 2021について

今回の「KUMA EXHIBITION 2021」は、クマ財団がサポートする第4期奨学生、41名による展示になります。
簡単に「クマ財団」について説明すると、クリエイターを目指す25歳以下の学生に、奨学金の給付などの支援を行なっている団体です。

今回の展示の大きな特徴は、バーチャル空間上に会場をそのまま再現しているという点です。
設営後の会場の様子を撮影し、そのままデータとして取り込み、バーチャル空間上に展示会場の風景をそのまま再現しています。
5月31日の期間終了までは、公式サイトにある「Walk-through Gallery」のページから自由に閲覧することができました。
また、映像作品などの実際の会場で展示されなかったものは、「Online Theater」のページから視聴することができました。

作品のページにはそれぞれ、作家本人による作品解説とインタビュー動画も公開されています。
こちらの動画は開催期間が終了した現在でも「Archive」のページから視聴することができます。

ここからはバーチャル会場の「Walk-through Gallery」と映像作品の「Online Theater」、それぞれの気になった作品について感想を書いていきたいと思います。

「Walk-through Gallery」

まずは「Walk-through Gallery」のページから。

オンライン会場にアクセスしてすぐに目に飛び込んでくるのは、花形槙さんの作品(というよりパフォーマンス?)「Uber Existence」の黒ずくめの3人組。

「Uber Existence」とは、自分が現地に行けない時に、登録されている人を操作し、存在を代行してもらう、という架空のサービスです。
人間ドローンみたいなイメージでしょうか。
現地での開催期間中は、実際にこちらの3人を操作して展示を閲覧できたみたいですね。
作品からは星新一のショートショートのようなディストピア感を感じますが、現実でもすでに似た構造のサービスはできているな、と考えさせられました。
インタビュー動画で触れていた、「イノベーションというものが生活を良くするものではなく、労働者から効率的に搾取するシステムをイノベーションとよんでいる」という意見、そしてそれをただ批判するだけでなく、先を見ていこうという視点はかなり新鮮にうつりました。

次に紹介するのは東弘一郎さんの作品「浮遊車輪」「他転車」です。
展示会のプロモーション映像にも映っていました。自転車の
を使用した立体作品ですね。

東さんの作品は、以前卒展に出されていたものをTwitterで見てからかなり気になってます。
自転車が物理的にクルクル回転している様子はかなりインパクトがありますね。
映像でさえこれだけ異物感があるのだから、現実で見た時の衝撃はかなり強そう。いつか生で見てみたいなあ。
インタビューでの「自転車は自転してないから自転させてみた」といった趣旨の発言が印象的でした。こういうシンプルなんだけども結構飛躍した発想かなり好きです。

また、ばいそん (守下 誠)さん「ARama!」というiPhoneのアプリも面白かったですね。

簡単に説明すると、撮影した映像をコピペして空間上に配置できるアプリです。
言葉だとちょっとわかりにくいかもしれないので、紹介動画を見てもらった方がイメージしやすいと思います。

現在App Storeで配信されているらしいので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

そのほかにも、セルバンデスの「ドン・キホーテ」をテーマにした田村正樹さんの壁画作品、「僕のドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」「ドン・キホーテ、鏡の騎士との闘い」や、佃優河さんの生きたゴキブリを使用したインターフェース、「Calmbots -Ecosystem-」などなど、ユニークな作品が盛りだくさんでした。全部紹介すると全10回くらいになりそうなのでここまで。

「Online Theater」

ここからは「Online Theater」の映像作品について書いていきます。

一番印象に残ったのは久保田徹さんの映像作品、「終わらないロックダウン」ですね。

タイトルからコロナウイルス関係のものかな、と思うかもしれませんが、こちらは「仮放免」をテーマに、放免中のクルド人であるアリ・アイユルディズさんに密着したドキュメンタリーです。
「仮放免」とは、入国管理局の収容所から条件付きで一時的に収容を解かれている状態、とのこと。
もちろん、収容を解かれているといっても完全に自由といったわけではなく、定められた場所から出てはいけないなど、行動はかなり制限があるようです。
僕自身、「仮放免」という言葉自体聞いたことがなかったため、アリさんのような人が存在しているということを映像を通してはじめて知りました。
難民申請は認められない。かといって故郷に帰ると命の補償がない。
「どこにも居場所がない」と呟く様子はやるせなさを感じました。
20分弱という短い時間ですが、すごく考えさせられる作品でした。

社会について考えさせる作品だと、伊嶋響さん「Sweet Bubble」も違ったアプローチで面白かったですね。

こちらは映像作品ではなく、インターネットブラウザの拡張機能。
どのような機能かというと、ブラウザ上の政治に関係するキーワードをエンターテインメントに関係するキーワードへと置き換える、といったものです。
こういったタイプの作品は全く想定していなかったので、かなり新鮮にうつりました。

そのほかにも、実験的な表現やフィルムのざらついた映像が印象的な安田杏さんの映像作品「「WAKE UP」」や、高橋美帆さんの油彩画を利用したカラフルな切り絵風のアニメーション作品「In full bloom」も面白かったですね。
あと長谷川白紙が出展してるとは思わなかった。

まとめ

というわけで「KUMA EXHIBITION 2021」の感想をつらつらと書いてみました。
絵画や立体彫刻だけでなく、映像やパフォーマンスなど、幅広い分野の作品が出展されており、かなり刺激をうけましたね。
ただ、「これは実物をじっくり見たかったなあ」と思う作品も多く、その場に行けないもどかしさは感じました。現地で見られた人羨ましい。

それにしても同じ20代ですごい活動をしている人はいっぱいいるんだなあ。
僕も負けないようにがんばろ。


というわけで。
今回も拙い文章にここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
「クマのアートがたり」ではこんな感じでゆるく美術展などの感想を書いていく予定です。

そしてそして。
すでにマガジンの説明文には記載したのですが、来週から連載として毎週土曜日にこの「クマのアートがたり」を更新していくことにしました。
投稿が遅れてしまうことも多いかもしれませんが、応援していただけますと嬉しいです。
ではでは。クマでした。

定  1

ちなみに長谷川白紙の曲は「毒」がめちゃくちゃ好きです。
MVの怪しい感じも好き。
そのうちMVについて語るnote始めようかな。


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