邦楽をじっくり聴く時間。

この自粛の間、女装の研究以外には、踊りのお稽古もお休みですので、ひたすら長唄、清元、常磐津の音源を聴いています。長唄は伊十郎全集、清元は志寿太夫全集、常磐津は千東勢太夫全集です。子供の頃、どれも踊りのお稽古場で流れていた物で馴染みがあり愛着があるものです。子供の時分はこの名人たちの藝がすごいということは分かっても、イメージが漠然としておりました。でも、この年になるとほんとに曲想というものを体現した見事な演奏家なのだなあとしみじみ思います。これがさらに歳を重ねると、もっと藝の深いところまで解るようになっていたいですね!!
自粛で外に出られず退屈もしますが、こういう名人の至芸にじっくり触れられる機会ができたのは良かったと思っています。
藝大に通っていた時分より落ち着いて、多くの音源を聴いているくらいかもしれません。暇な時にじっくり見聞きしたものというのは不思議と定着して覚えているものです。また自分の身体に財産が増えていく気がしています。いい時間の過ごし方でした。

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