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メッセンジャー

ずっと面白いなと思ってたことがあるんですけど私、小さい頃から過去や未来の自分に何かを送るのがやたら好きなんです。数年前や数年後の自分はほぼ他人のようなものって考えが小1あたりからあって、今は存在しないけどいずれ自分自身になる誰かに向けて、とか思いながらタイムカプセルを埋めてみたり、まだ九九を言えなかった頃の自分をからかう手紙を書いてみたり。

成人式の時に渡された中3の自分からの手紙には「5年前の消しゴムのかす」が記念品としてくっつけられていました。5年前の自分がそんなことを思いついたなんてとうに忘れていたので、消しかすを見つけた時はまるで誰かにドッキリを仕掛けられたかのように驚きました。笑 それはきっと中3の私の期待通りな反応だったと思います。でも、未来の自分を笑わせようと色々考えてくれたのかなぁと思うととても嬉しくて、ただの消しかすだというのに今でも大事にしまってあります。

なんだかこう、うまく言葉にできないのですが、ものすごくスペシャルな物、記念品らしい物じゃないからこそとても感慨深かったんです。5年前の自分が教室のゴミ箱に捨ててしまえばなんの意味も持たないまま忘れられるはずだったただの消しかすが、未来の自分へのプレゼントに選ばれたのはなんとも滑稽なことです。でも、その何気ない日常のカケラが数年後自分の目の前にやってきたことで、意外にも強く「過去」というものを実感することになりました。なんの変哲もない消しかすが卒業アルバムを超えるレベルの思い出の品になるとは…。

過去や未来の自分はまるで他人のようで、今では同意し難い考えや行動があることも珍しくはありません。でもやっぱり、いつの自分も同じ根の上に生っているところはあって、自分同士だからこそ真意が分かる思い出のやりとりだったり「いかにも私らしいな」みたいな安心感を伴った記憶だったりが自分を和ませてくれることもあるのだなぁと感じています。

物や言葉をメッセンジャーとして過去や未来の自分に何かを伝えることはただのちょっとした遊びのようなもので、何かを大きく変えられるような力はないと思います。でも、映画のような摩訶不思議なことなど滅多に起こらない日常の中で、「時を超えた通信」などと言えてしまいそうな小さなロマンを体験できる、そのワクワク感が私はずっと好きです。

これを書いているうちにまたまたやってみたくなってしまいました。30歳の私に向けてなにか書いてみようと思います。めちゃ楽しみ。


30歳の私へ
こんにちは。元気にしてますか?私は21歳のあなたです!笑 私は今、隣でうとうとしている猫を撫でながらベッドの上でこれを打っています。今日はよく晴れていて、家の窓から見える雲は一つもありません。そちらはどうですか?雨降ってたりしますか?
…いきなりですが、あなたより9年分賢くない私でもなんとなく予想できることがあります。それは、私があなたになる頃にはほぼ確実にこの記事の存在を忘れているということです。もし本当にあなたがこのメッセージを読んだとしたらそれは記憶力の凄まじい成長を遂げたか、これを思い出させてくれるような素晴らしい奇跡が起こったかのどちらかだと思います。誰にも届かないつもりでこれを書いているけど、奇跡的に思い出してくれるという小さな期待をこの記事の表紙のイラストに込めたいと思います。これは21歳の私がアホ毛を嘆きながら描いた簡易的なイラストでして、アホ毛についてのツイートをし終えたらすぐに削除するつもりでした。でも結果的に消されることなくカメラロールに健在しています。それに、表紙にこの画像を選んだ時はこのメッセージを書くつもりなどまったくありませんでした。このイラストは気ままに忘れられたり思い出されたりした結果この記事の表紙に選ばれただけです。私が数年前の自分から受け取った消しかすと同じようなものですが、私は今、このイラストをあなたへのメッセンジャーとして密かにスマホに保存しておくことを思いつきました。もし30歳のあなたがこのイラストを見つけて、さらにこの記事のことを思い出してくれたなら、それだけでもうめちゃくちゃ嬉しいです。お返事もあったらさらにめちゃ喜びます。笑 小さい頃からのちょっとしたお遊びに付き合わせちゃってごめんって感じですが、でもきっと、いつの私もこういうことは大好きなんじゃないかなと勝手に思っています。
それではお元気で…!
21歳の私より

最後まで読んでくださりありがとうございます。
🎻大谷 舞🎻

今までサポートしてくださった方、そして毎記事にしてくださってる方も…!本当にありがとうございます🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️ 演奏や作品でお返しできるように、もっともっと成長したいと思います。