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チョコ食い逃げ少女はバイオリニストになりたい(最近小説とかで流行ってる文章型タイトルにしてみた)

今回は、今まであまり触れたことのない「私がバイオリンを始めたきっかけ」についてお話したいと思います!

私がバイオリンというものを知ったのは2歳半の時。というのも、通っていた幼稚園に謎の授業があったのが始まりでして…。その時のことはなぜか最近になって突然思い出したんです。みんなで一列に並んでお子様サイズのバイオリンをどうにかこうにか構えてギギィィィィィィッて音を出す、ただそれだけの授業でした。もちろんみんな5歳くらいまでの子なので私含め誰もいい音は出せません。にもかかわらず私はそれをきっかけにバイオリンに強く惹かれていき、「バイオリンをやりたい」と母にねだったらしいのです。

実を言うと、その頃の私は無口で表情も乏しく、家族でどこかに遊びに行っても一切楽しそうな表情を見せないような子どもでした。心の中は楽しい気持ちでいっぱいだったのですが、私の態度や表情には楽しそうな色が全く現れずに両親を不安にさせてしまっていたようです。
そのくらい何もかもが分かりにくい少女が突然バイオリンをやりたいと言い始めたわけですから両親は相当に驚いたと思います。でも母は、舞が楽しめるならと言って喜んで私に小さなバイオリンを買ってくれました。
それから毎日嬉しそうにバイオリンを弾くようになった私。はやく弾けるようになりたいという一心で地道に練習を重ねていきました。

楽器を顎に挟む練習から始まった私のバイオリン人生。私にとって最初のバイオリンの先生となったのは、なんとバイオリンに触れたことのない母でした。母は学生時代にピアノを習った経験をもとに私に音感トレーニングをし、バイオリン教本でバイオリンの弾き方を自ら学んで私に教えてくれました。家にあったピアノと合わせて弾いたり楽譜の読み方を教わったりしながら少しずつ音楽を学んでいった私ですが、ある日母にバイオリンの先生に習うことを提案されます。私はすぐに乗り気になり、さっそく先生のおうちでレッスンを受けることに。
ここでついに、タイトルに書いた「チョコ食い逃げ少女」が登場します!笑

私はいつもレッスンの日を心待ちにしていてレッスンのために毎日家で練習し、当日になると母に連れられてうきうきしながら先生のご自宅に行っていたそうです。しかし、先生のおうちに着いてからの私の珍行動に母も先生も大困惑だったようで…。
なんと、私は先生が目の前にいらっしゃる時だけバイオリンを弾かなかったらしい…それも頑なに。笑 先生が準備を整えてレッスン室にいらっしゃるまではキーコキーコと弾いているものの、先生がお部屋に入ってくると「ひかないよ」の一点張りだったんです。先生のことは大好きなはずなのに、どうしてかレッスン室を出ていってしまう私。そのまま何も弾かずにおうちに帰る日々でした。それでも次のレッスンの日はまた楽しそうに先生のもとへ向かうので、母はどうして私が先生の前で演奏しないのかさっぱり分からなかった、とのこと。

このままでは永遠にレッスンができない、となったところで先生が考えてくださったのが「チョコレート作戦」。meijiのアーモンドチョコレートを持って、レッスン室から脱走した私をゆっくりお部屋に誘導しそのままバイオリンを弾かせてみるといったもので、私はしっかりチョコレートに導かれてお部屋には戻ってくるようになりました。しかし、私は思っていた以上に悪い子でした…。
魅力的なお菓子を持って微笑みかける先生に少しずつにじり寄り、獲物を受け取るなりすぐに逃げていく私。またも「ひかないよ」が始まるので母も先生も苦笑いするしかありませんでした。

その後も「チョコレート作戦」は何度も試行され、私はその度に食い逃げしました。そのうちに先生は私が部屋で弾いてる様子をドアの影からこっそり見守る形でレッスンしてくださるように。今思えば大変失礼なことをしていました…。

結果的に私は半年間、チョコ食い逃げ少女となって母と先生を困らせていました。門下生の発表会が迫ってきていても状況は変わらずだったそうです。「きっとこれじゃあ舞ちゃん発表会でも弾かないね。」母も先生も諦めていたそうですが…。
発表会当日。小さな生徒さんがたくさんいる中で、いきなり舞台の真ん中に出てきて弾き出したのは、なんと私でした。笑 いつもレッスン室から逃げていくはずの私が先生の前であまりにも堂々と弾いているのでみんなびっくり。その発表会をきっかけに、私は先生がお部屋にいらっしゃる時もバイオリンを弾くようになっていきました。

こうした珍行動を繰り返しながらもどんどんとバイオリンにはまりこんでいき、周りの大人たちに見守られながら練習を重ねていって今に至ります!
バイオリンを始めた時のお話はこれでおしまいですが、アーモンドチョコレートにまつわる余談を少しだけさせてください。実は私、数年前からナッツアレルギーになってしまいました。ナッツ全般がだめなのでもちろんアーモンドも。症状は本当に軽いですが、今は食べるのを控えています。昔食い逃げしていたアーモンドチョコレートは今でもコンビニなどで目にしますが、アーモンドが丸々一粒入っているので今は食べれないんです。もしかして3歳の頃に食い逃げしていたバチが当たってしまったのかな、って思ってとても反省しています。
当時お世話になった先生に再会する機会があったら、お礼と共にお詫びの気持ちをお伝えしようと思います。
「3歳の私が本当に失礼なことをしてごめんなさい!もう食い逃げはしません!」って。


本日も記事を読んでくださりありがとうございました🍀

それにしてもはやくフィドラーになりたい!
大谷 舞


今までサポートしてくださった方、そして毎記事にしてくださってる方も…!本当にありがとうございます🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️ 演奏や作品でお返しできるように、もっともっと成長したいと思います。