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こんな気持ちになっていては、心臓がはちきれそうだ

先日、3ヶ月かけて染め上げたご依頼品を納品させていただきました。

手つむぎの糸と、手つむぎ手織りのマフラー
どちらも綿で、ご依頼主の方が種から育て、紡いだもの。


ご依頼主との、出会いは遡って今年の1月、寒い寒い晴れの日に、はるばる私の染め場まで来てくださり、ご自身で糸を染めていかれたことが、始まりでした。

Instagramというハイスペックなツールで、私を知り得て、実際に会いに来てくださった。
なんとも、行動力のある方です。

そんな遠くから!感慨無量!!
と同時に、そんな期待に応えられるのか、
とそのときは、ものすごく、すごく、身の引き締まる思いで、当日を迎え、
一所懸命に動いた(あたふた、手一杯!であった、汗)記憶があります。


時を経て、夏のころ、今度は染めをお任せしての依頼でと、
私の存在を思い出して、ご注文くださった。

これまた身の引き締まる思いでいっぱいになり、一所懸命に染め始めました。



その頃、建てた藍は、私がこれまで建てた経験の中で、一番状態が良いものでした。
年明けから考えると半年ばかり、年月と共に、歩んできた変化を、感じながら、
今できる、最良で染め上げたいと、気合が入りました。

結果、時間はかかり(すぎ)ました。
色、強さ、美しさ、どれもこれも追い求めたい。
つい、まだまだ、もう一回と、重ねてしまう。

終わりを決める、これでよし、とすることが、
苦手だなぁと痛感しつつ、
気持ちいっぱいの、納品。




とてもドキドキしながら、もう届いた頃だな、開けられただろうか、見てどう思われてるかな、
心配やら不安やら、渦を巻く様に、もんやりソワソワ気を揉んで、

ご依頼主からの喜んでいるという、温かい反応をいただき、とてつもなく安堵。
はぁー。よかった!と心底、安心しました。


自分が大切に作ったものを、人に託す、って
勇気のいることだろうなぁ、と思います。
ましてや、種をまき、育て、手で紡ぎ、時間をかけて織ったもの。
そのものにかけている、時間や手間、そのひとの想いを思うと、
ただならぬものに、間違いのないそのもの。

美しく、真摯な仕事で応えたい。
依頼をして、よかった、と思ってもらえるような働きでなければ、と、

必要としていただいて、改めて、"仕事"としての私のやっていることの意味や意義
どういう姿勢で、向き合い、取り組むべきだろうと、
今一度考える、きっかけをもらったように思います。


あるべき姿に、昇華してもらったような、
ハッと、目覚めさせてもらったような、

力のある、出来事でした。


過程とその結果、経てきたことのいろいろを思うと、
"喜ばれた"ただそれだけで、もうもう、
胸がはちきれて、涙が溢れそうで、
納品のたびに、こんな気持ちに毎度毎度なっていては、
私の心臓は、爆発してしまうんじゃなかろうか、と
バイトに向かう道すがら、心配になりました。笑

やっぱり感動しいで、
心と気持ちの優先道路まっしぐらな私

こんなにも、温かい気持ちのやりとりが生まれ
すくっと湧き上がるような、決意がいきり立つなんて、

染めをしてきて心底良かったなぁと思うのです。
やってなければ、出会えなかったひと、気持ち、温かさ、そして今のわたしがいる。
お仕事と呼べる日は、いつぞやと思っていた矢先、
いただいたご依頼に、本当に感謝と敬意でいっぱいです。

ありがとうございます。

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