正藍染
藍染をしに、栃木県佐野市にある『紺邑』さんへ
以前から、とても気になっていた紺邑の大川さんと大川さんの藍染。
8日間の藍建て講習会を毎季ごとに行なっていて、ずっと行きたいと思いながら、色んな言い訳を持ち出して(笑)踏ん切れず、
今回のこの旅で、栃木県を訪れる際は、必ず立ち寄ろうと決めていた場所でした。
本当に行ってよかった。
大川公一さんという人に会えて、お話ができて、藍を見て、染めて、心底感動しました。
今まで少しだけれど、学んできた藍のこと、
ほとんど全部ひっくり返ってしまって、笑
でも、教えてもらうことが、とても理にかなっていて腑に落ちて、納得のいくことばかり。
『正藍染』と呼ばれる 大川さんの藍染は、
『わたしが見てきた藍染』とは全くの別ものでした。
◎藍の華がない
◎青みがある茶色く濁った液体
◎藍液につけて取り出すと茶色い(よくある藍染は緑色になる)
◎かき混ぜない
◎におわない(強くなく自然なにおい)
◎長く染められる(今日見たもので2年前の藍液)
◎pHをはからない
◎発酵
この技法で藍建てをされている方は日本で、ごくごくわずか。
大川さんの藍建ては、室町時代から明治初期ごろまで日本全国で行われていた藍染のいわば原型。
書物に建て方を残す間も無く、明治30年ごろを境に、化学染めが普及し、またたく間にこの技法は衰退。
化学に取って代わった藍建ては、日本全国に広まり、今では全体の99.9%を占めるまでに。
その背景は、早くて安いを求めた人間の画策、欲、思惑・・・色々。
染め方、建て方、良し悪しさまざまな意見や見方が存在するのだけれど
やはり染め上がった布が、この技法の素晴らしさを物語っているような気がします。
大川さん、そして、大川さんの藍染のどれだけ貴重で、価値のあることか。
人生をかけて挑み続ける大川さんの姿勢に
この技法を、藍染を、日本に残したいと切に願う、命をかけた大川さんの決意に、
心揺さぶられて、とても感化されました。
全身全霊をかけて、後世に残すべく、
大川さんは、伝えつづけています。
次々回、8月の講習会に参加することを決めました。
わたしも一旦を担いたい。
こんなにも素晴らしいものが、失われてしまうのは、絶対に嫌だ。
心底藍にとりつかれてしまったようです笑
会いたい人には、今すぐ会いに行かなくてはと思った日。
次はない、かもしれない。一期一会を切に感じた日。
『答えが出ないことがおもしろいでしょ。
目に見える数値をはかって、決めるなんて、意味ないよ。』
藍染だけじゃない、人生にも通じる言葉。
出会えて本当に良かった。
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