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魚をキレイに食べる僕と、『美しい』に戸惑う妻と、演じる妻と…

まずは、こちらをお読みください。僕が、2020年4月に投稿した記事です。

僕は港町育ちで、魚が好きだ。
焼き魚を食べるのも上手い。例えば、さんまの塩焼きならば、頭と背骨しか残らない。
一方ゆかりちゃんは、海なし県で、生まれ育った。
焼き魚を「ごちそうさま~^^」と言ったあと、まだ半分以上も食べるところが残っていて、それは僕のビールの肴になる。

今日の晩御飯のメインは、ホッケの干物だ。
かなりデカい。
大きいから、一人に半分でちょうど良い。
「僕が半分にしてあげる」といったら、
「やさしいね」とゆかりちゃんが言った。
「そりゃ美しい妻のためだから」と言うと、ゆかりちゃんが首をかしげた。

ゆかりちゃんは美しいのに、当人の自己評価が低く、いつも受け入れてもらえない。それを思い出し、すぐに言いかえた。
「愛する妻のためだから」と。
すると、やはりゆかりちゃんは、「美しいといわれても・・・。愛するならわかる」と、ボソボソ言ってる。

「お? 愛されてるのは、わかる?」と聞くと、
「重いくらいに」と、これまたボソッとつぶやかれた。

僕の愛は、重いらしい。
これって、若い男女の会話なら、別れの予感を感じるつぶやきだよなぁ。
でも、僕たちは違う。

「じょーじの愛は重い!」というのは、ゆかりちゃんの、お気に入りのフレーズなのだ。
ニコニコしながら、このフレーズを、ゆかりちゃんは言うのだ。

僕は、ゆかりちゃんを美しいと思っている。僕の、ひいき目は素晴らしいのだ。
ゆかりちゃんは、自分のことを『美しい』とは、本当に思っていない。
でも、『まあまあイケてる』とは思っていて、かつ、『カワイイ』とも思っている。

僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。

まー、下手くそな文章です。
しかも、この下手くそな文章を、当時の僕は「良い文章だ」と自画自賛していました。メッチャ恥ずかしいっす。


さて。
今日は、この文章を書き直します。

いつもなら、過去記事は紹介することなく、しれっと書き直します。
訳あって過去記事をさらしております。

では、書き直し記事です。


焼き魚

僕は、岩手県宮古市で生まれ育ちました。
宮古市は、本州最東端の港町です。

当然ですが、僕は、焼き魚を食べるのはメッチャ上手です。サンマの塩焼きなら、頭と背骨しか残さず、キレイに食べ尽くします。

一方。
妻のゆかりちゃんは、海なし県の、岐阜県多治見市で生まれ育ちました。
それが関係あるのか定かではありませんが、魚をキレイに食べれません。

焼き魚であっても、煮魚であっても、

「ごちそうさま~♪」

と、ゆかりちゃんが言ったあとのお皿には、魚がまだ、半分くらい残っているのが常です。


この日の魚は、大きなホッケでした。
ゆかりちゃんが、イイ感じに焼いてくれたのです。

大きすぎるので、2人で、半分ずつにします。

「僕が、半分にするよ」

「やさしいねぇ~」


「そりゃあ、美しい妻のためだからさ」

「・・・」


ゆかりちゃんは、首をかしげて無言です。

「愛する妻のためだからさ」と、僕は、言い直しました。

「『美しい』といわれても……」
「『愛する』ならわかる……」

と、ゆかりちゃんは、小声でブツブツ言っています。


「お? 愛されてるのは、わかる?」

「重いくらいに」


ちなみに……。
「じょーじの愛は重い」と、ゆかりちゃんはよく言います。
このセリフは、ゆかりちゃんのお気に入りのフレーズ。ニッカニカしながら、楽しそうに言うのです。


ちなみにちなみに……。
ゆかりちゃんは、自分のことを【美しい】とは、本当に思っていません。

正確に言語化しますと、
ゆかりちゃんは、自分のことを【女優と同等レベルに美しい】とは、本当に思っていません。

(一般人の中なら、Sランクはないけど、Aランク? ……かな。てへぺろ~)
と思っています。

(キレイっていうより、カワイイ、って感じ?)
(実年齢には、見えないはず!)
(2~3歳(本音は7~8歳)は、若く見えるんちゃう?)

って、思っています。

僕は、ゆかりちゃんが大好きです。


チャオ!



いかがでしょうか。
2年と10ヶ月分、僕の文章は上手くなっているでしょうか?


◆過去記事をさらした訳

ゆかりちゃんが、

「『美しい』といわれても……」

と、しおらしい演技をしたのです。2年と10ヶ月前のことです。

意識してか、はたまた無意識か。
それは分かりませんが、

「『美しい』といわれても……」
「そんな私、美しくなんて、ないし……」
「そんなこと言うの、じょーじだけやし……」

と、ダイニングテーブルに『のの字』が指で彫られるほどの、
それほどのモジモジを演じたのです。

控え目な女性を演じたのです。

それが、妙に、面白くて。
つい、みなさんにも、ご紹介したくなっちゃいました。


◆〆

僕は、
2年と10ヶ月前のゆかりちゃんも、
今のゆかりちゃんも、

どっちも大好きです。

どっちかっていうと、
今のゆかりちゃんが、大好きです。






チャオ!


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1026話です


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