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君が笑ってくれたから、僕は満たされた。その笑顔が見たかったんだ。

今日も実話です。
アパート名は、一部を仮名にアレンジします。


◆散歩

ゆかりちゃんと散歩に出かけました。
歩きながら僕は、ゆかりちゃんに話しかけました。

「すごく変わった名前のアパートがあったんだよ~」
「へ~、どんな名前なの~?」

「3棟あってね~、1つは『レジデンス ギン』」
「・・・へぇ~」

ゆかりちゃんの反応は、イマイチでした。

「あと、2棟はねぇ~。・・・ええっと、あれ、なんだっけかな?」
「・・・」

僕は、肝心なアパート名を思い出せません。
ゆかりちゃんがシラケていると、そのオーラから分かります。


思い出せないのが悔しくて、僕は、提案してみました。

「そのアパートまで歩いて行く?」
「近いの?」

「全然方向が違うから、ここからだと1時間近くかかっちゃうかな」
「行かな~い」


「そうだ! Googleストリートビューだ! オレって天才じゃね? 」
「・・・」

「ええっとね、この辺で・・・、歩きながらじゃ操作できないなぁ~」

僕は立ち止まって、スマホの操作に専念します。


◆セッカチが凄い

「あったよ! ゆ・・・、あれ?」

ゆかりちゃんがいません。

50メートル以上先の、突き当たりの交差点を、どっちらかに曲がったようです。

「普通、待つやん・・・」

僕は、ボヤキながら走りました。

突き当りの交差点で、左を見ました。
ゆかりちゃんがいます。その交差点から、さらに100メートル以上先です。
しかも、まだ歩く。

「どんだけ、せっかちなんだか」

僕は、また走りました。


やっとゆかりちゃんに追いついた僕は、運動不足ゆえに(3年以上前なので)、息も絶え絶えたえだえです。

ゆかりちゃんは、(ったく~、トロくさいなぁ~)という視線を、一切の遠慮なく向けていました。


◆アパート名

ゆかりちゃんに、スマホで、Googleストリートビューを見せました。
アパート名がバッチリ見えます。

1棟目が、『レジデンス ギン』です。

「・・・」

ゆかりちゃんは、無言でスマホを見ています。


2棟目が、『レジデンス ヤエ』

「・・・」


3棟目が、『レジデンス ウシ』

「ウシ~~~⁈」


ここで、ゆかりちゃんが反応してくれました!

ゆかりちゃんが驚いたのです!


「なんで『ウシ』やの~~~!」

ゆかりちゃんが笑ってくれました。


◆ここで一句(相田みつを風)& 〆

走ったってイイじゃぁないか
笑ってくれたもの

          じょつを

僕は、ゆかりちゃんが大好きです。





チャオ!


※「レジデンス」が仮名です
※「レジデンス○○」の「○○」は、実話です
※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1058話です
※この記事は、過去記事の書き直しです


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