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第430話 染谷和巳、アイウィル、鬼の研修、「人と話の交叉点 62」


今日は、【ぷち伝記】の、第2弾を投稿するつもりだった。
下書きも9割終わっていた。

だが、【野に遺賢あり】というタイトルへの思い入れを、どうしても昇華させたくて、こうして1話加える。

長い記事を読む時間のない方。
長い記事を読みたくない、そこのあなた。

見出しだけで、意味がわかるように書く。
なので、◆のついた見出しだけは、どうか読んでほしい。

そして最後の、◆野に遺賢あり だけは、ぜひ、本文も読んでほしい。


◆染谷和巳氏はベストセラー作家(ビジネス書)なのだ

僕が、染谷和巳氏を知ったのは、25~26年前。28歳か29歳の頃だ。
友人から、「この人の本、すごく良いよ」と教わって、すぐに何冊か買って読んだ。

薦めてくれた友人以上に、僕は、染谷氏のファンになった。
その思想に惚れてしまったのだ。

書籍を通じて、株式会社アイウィルを知った。
今、アイウィルのホームページを見ると「社員教育」とあるが、僕にはなぜか、「人材育成」の方がしっくりくる。


28~29歳の僕は、1度染谷氏に、直接お会いしたことがある。

当時僕は、部下の教育に熱心だった。
自腹で、株式会社ジェックの『業績魂強化訓練』を依頼し、何度も受講した。これはセミナー形式なので、支社の社員全員が参加できた。
丸1日の講義で、費用は20~30万円だった(はず)。

染谷氏が主催のアイウィルに、僕は電話で問い合わせた。
「合宿訓練があるようですが、セミナー形式の講義のようなモノは無いのでしょうか?」

すると電話を受けた方は、こう言った。
「染谷がお伺いして、ご説明させていただきます」

なんと、憧れの染谷和巳氏に、直接会えるのだ。


◆僕は染谷氏に会って、泣きついたことがある

染谷氏が、当時僕がいた水戸市まで来てくださった。
僕の記憶が曖昧なのは、きっとこの時、ド緊張していたからだろう。

会話は、
じょ「セミナー形式で、全員で参加したいのです」

 「合宿が必須です。お得意様に限り、例外としてセミナーを行なわないわけではありませんが、原則、弊社の商品は『合宿プラス通信教育』です」

じょ「会社の経費ではなく、自腹なのです。1人に28万円は…とても…」

 「まずは、あなたが受講することをお勧めします」

という、ものの3分で終わった。1分だったかもしれない。

このあと、僕は、染谷氏に甘えてしまった。

僕は、合宿訓練に参加したい気持ちもあった。ただ、本部長に申請してOKが出るとは思えない。
高確率で「わし(本部長)の教育では『不満』と言うことか?」と思われる。

「時代が変化し、しかし、指示命令する経営陣は現場を知らず・・・」
「僕は、どうしたら良いのでしょうか・・・」

僕は、染谷氏に泣きついた。
同情を求めた。
慰めて欲しかった。
褒めて欲しかった。

染谷氏は、ノーコメントだった。

今、あの時の染谷氏を思い浮かべると、
「三角柱の『悪いあの人』も、『可哀そうな私』も、私は興味ありません」
という、哲学者の顔をしている。


◆僕はアイウィルの合宿に参加した

それからしばらくして僕は、結局、アイウィルの合宿に参加した。

直属上司の部長に、「アイウィルの合宿訓練に行きたい」と相談したのだ。
本部長への対策は、なんか適当なウソをつく作戦だったハズで、その共犯者になってほしいと、部長にお願いしたのだ。

部長はOKしてくれた。


アイウィルの研修は厳しい。
それは、2泊3日の合宿訓練を指して言っているのではない。

僕が受講したのは、【6ヵ月間管理者能力養成研修】というコースだ。

2泊3日の合宿は、言わばオリエンテーションだ。
決起集会的な面もある。

メインディッシュは、6ヶ月間の通信教育。
当然だが、通常の仕事をした上で、この通信教育に挑むのだ。
厳しいのは、この、半年間に及ぶ通信教育。

その量がスゴイ。

手抜きすることはできる。課題へのクオリティを下げればいい。
しかし、その場合、己の心が痛みだすに違いない。

合宿で作った【20の誓い】という毎日の新習慣を、毎日チェックする。
課題図書の中から選択して、読書をする。月に4~5冊の読書が課される。
そして、読書感想文を書く。
かなりのボリュームの通信教育(レポート課題)がある。大半の受講者は、1ヶ月分を6ヶ月分と勘違いする量だ。

これを6ヶ月間、日常の仕事を行ないながら、毎日取り組むことになる。

「勉強」、
「毎日」、
「課題」、
「それなりのクオリティ」、
「読書」、
「所要時間、1日平均3~5時間」
「6ヶ月間」、
「長い」、

と、イメージは、そんな感じだ。

この中で、「毎日」が、めっちゃ辛かった。

サボりたくなる。手を抜きたくなる。辞めたくなる。
アクシデントやトラブルなんて、仕事にはつきもので、そんなときには決まって悪魔が、耳元で囁く。

「明日でイイじゃん」と。

その悪魔を追い払うのが、ま~、しんどかった。
でも、一度でも悪魔に従ったなら、2度と立ち直れないだろうと、鮮明に予想できた。

通信課程が終わると、打ち上げ的な完成合宿が1日ある。
その完成合宿に、胸を張って参加したい。

うそ偽りなく「毎日やった」と言える自分を目指して、コケの一念でやり切った。


◆成果が凄かった! セールスコンテストで優勝!

僕は、それまで「シルバーコレクター」だった。
準優勝はしても優勝にはあと1歩届かない、という人間だった。

この、6ヶ月間の研修のおかげで、僕はタイトルを獲った。
セールスコンテストで、直轄の部下が個人部門優勝。チーム部門も優勝。

準優勝ではなく、優勝。
目標を優勝に掲げての優勝。

ちなみに、2位と1位は、まったく違う。

努力量も。こだわりも。執念も。
達成後に見える景色も。
他者からの視線も。評価も。

1番の財産は、
「優勝するには、ここまでやらないとダメなんだ」という、【ここまで】が分かったこと。体感できたこと。

それは、言い方を変えると、
「優勝するには、ここまでやればイイんだ」という、【ここまで】が分かり、体感できたこと、でもあった。

これを機に、僕の組織は無敵となり、エリアマネージャー部門9連覇する。


◆コラム【人と話の交叉点】を書く、畠山祐介氏

アイウィルは、人材育成の新聞『ヤアーッ』を毎月発行している。

その新聞には、【人と話の交叉点】というコラムがあり、僕は、このコラムが大好きだった。真っ先に読んだ。
アイウィル主席講師の、畠山祐介氏が書いているコラムだ。

コラム【人と話の交叉点】の、62回目。
それが、「野に遺賢あり」というタイトルだった。

奇跡的に、ここに、そのコピーがある。(僕がコピーし保存した)
著作権の侵害に該当してしまうのであれば、謝罪し、即、この記事を削除する。
それでも、どうしても、この畠山祐介氏の文章をご紹介したい。

このコラムで紹介された【野の遺賢】を、ご紹介したいのだ。

縦書きを横書きで書くし、この記事はパソコンやスマホで読まれるので、
段落や改行だけ、僕の感覚で変更させていただく。

それ以外は、一切手を加えずに、そのまま転記する。


◆野に遺賢あり

人と話の交叉点 62 野に遺賢あり

忙しくて・・・という。できない、やりたくない、またはやらなかった際のいいわけである。
拒絶の婉曲的な表現である。

本当に忙しい人は、「忙しくて…」と逃げない。その前にできる方法を考え工夫し、なんとかしてしまう。
”重要な仕事こそ、忙しい人に頼め”という教えは人間世界の真理である。

㈱共栄青果の肥塚敏治さんは研修に参加し、第2ステップのレポートを手にして愕然とした。
とっさに無理だと思った。

生鮮食品を扱う仕事はきつい。
夜11時出社、昼は3時退社の平均16時間勤務。夕方5時に寝て、夜10時には家を出る。
家族との団欒すら持てない毎日である。

物理的に、勉強する時間がない。図書館に行ったり、資料探しする時間も取れない。
3日間は手つかずで、悶々と過ぎた。

その後の行動が早い。
一気に資料を揃えた。現代用語の基礎知識、イミダス、知恵蔵、広辞苑、大辞泉、カタカナ語辞典、四字熟語辞典、ことわざ辞典、経済辞典、それに加えて半年で読むべき本30冊を全部買い込んだ。
10万円近くの投資である。
準備は整った。「大枚を投じたのだ。やるしかない、最後まで」

レポートはあらかじめ不明部分を拾い出し、勤務中の休憩時間に調べる。帰宅して書き上げる。
新聞の所感を書くため、『ヤアーッ』はいつも胸ポケットに携帯。歩きながら読み、構想を練る。
仕事の台帳の陰に豆辞典を隠し、客足の途切れた寸暇に”内職”をしたこともある。

読書には困った。
仕事の性質上、連休はない。休みは日曜だけ。
土曜夕方帰宅し、平日同様の夜10時に起床。夜を徹して本を読み、日曜の朝と昼を感想文作業に充てた。
一歩も戸外に出ない休日が続いた。一睡も取らず、そのまま仕事に向かった日も数知れない。

「夜の10時起きは慣れてますから。妻や子供も寝てて静かだから、読書ははかどりました」とこともなげに言う。

半年間、のんびり過ごした休日は一日もない。遊びや趣味を封印し、家族サービスも勘弁してもらった。

ぎりぎり綱渡りの日々を送り完成合宿に臨んだ肥塚さんには、修行僧のような厳格な貫禄が身についていた。

人間の真価はいつ出るか。
苦労、辛苦、逆境に直面した時にわかる。
そこで一歩前に踏み出すか、背を向けて逃げ出すのかの一瞬の決断に表れる。
肥塚さん、あなたは見上げた男だ。

今日も市場には、客と丁々発止のかけひきをする肥塚さんのダミ声が響いている。
野に遺賢あり。

(文:畠山 祐介)


◆蛇足

この記事を書くにあたって、アイウィルのホームページを訪問した。

月刊『ヤアーッ』が販売されていたので、年間購読を申し込んだ。
年間の購読料が2,000円だから、無料のようなものと、僕は思った。


◆〆

明日からは、いよいよ、待望の『ぷち伝記』を書く。
『ぷち伝記』の第2弾だ。

誰が待望しているのか?

それは、僕だ。
僕が、最も待望しているのだ。

昨日、kesun4さんが、『ぷち伝記』第1弾、小玉洋一氏にフォーカスを、
8話全て、オススメしてくれた。

noterさんはご存じだろうが、サポートなしではオススメできないのだ。
(サポートは有料なのだ)(kesun4さんは算数が苦手なのかもしれない)

粋な計らいだったので、ただ普通にお返ししては、「なせじょー」の名が泣く。
この、なせじょー。もっと粋な計らいを企てる。

が、今は、何も浮かばない。

妙案が浮かぶまで、kesun4さんには、忘れながらお待ちいただきたい。

「なんも浮かばんのか~~~い!」

ゆかりちゃんのツッコミが、鮮明に予想できる。


僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。



PS.「なせじょー」は、YYさんがコメントで使ってくださり、
  「カッコイイ~」と思った僕が、今後、調子に乗って使うであろう自称
  「キムタク」「松潤」「なせじょー」って、そんな感じかな…




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