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交差点は駐停車禁止で、「生意気」と言うと同時に「あれ?」と思ったらしい

ある日、僕と妻のゆかりちゃんは、車で銀行に向かっていました。
運転は僕です。

信号のないT字路の交差点に差し掛かりました。僕たちは【Tの字】の下から来たので、その交差点に突き当たったカタチです。

T字路の横棒の道路大きな道路です。

僕たちは、その突き当たった信号のない交差点を左折したいのです。
T字路の横棒の大きな道路は、僕たちが差し掛かった場所から数十メートル先の信号のある交差点まで詰まっていました
大きい交差点のその信号は赤だったのです。

僕たちから見て右からやってきた車は、
なんと、その交差点のド真ん中で停車していたのです。

前の車まで、約5メートルも空けて止っていました。そのドライバーは単に、「信号待ちで詰まったから止った」という感覚なのだと思います。

しかし、T字路の下からやってきた僕たち側の車にとって、この行為は邪魔です。

右折できません。その車がもう少し手前で止まっていたなら右折も左折できるのに、ド真ん中に止められたのでは、そのどちらもできません。

少し違いますが、「邪魔」ということは、この下の図で分っていただけると思います。この図で言うと、僕たちは左から来た赤い車なのです。

下のサイトから引用させていただきました


助手席のゆかりちゃんが、「ジャマな車やねぇ~」と言いました。
「頭だけでも入れたら?」とも言いました。

頑張れば、その迷惑な車の前に、僕らの車をナナメに入れられます。


僕は、ゆかりちゃんに言いました。

「見てごらん。あの車のフロントバンパー」

「わ~⁉ 傷だらけや~!」と、ゆかりちゃんは驚きの声を上げました。


「後ろのフェンダーもだよ」

「ありゃりゃ~、ボッコボコやね~」


「あ、よく見たら、前のフェンダーもドアも凹んでるね~」

「ありゃりゃ~」


その車は、めちゃくちゃボッコボコだったのです。
バンパーの傷を見たときは、僕も(なぜに直さない?)と思いましたが、フェンダーのボコボコを見て合点したのでした。

(この人は、しょっちゅう擦ったりぶつけたりするんだな、たぶん)
(修理代がもったいないと思うレベルなんだ、きっと)
(その可能性が、かなりデカイぞ~)

このように推理したのです。


「こういうドライバーは、何も見ないで運転していると思うんだ」

「なるほど~」

「この交差点の、ド真ん中停車も、『入れさせない』という意地悪ではなくて、ただ周りを見ていないだけなんだよ。交差点だって知らずに止まったんじゃないかなぁ」

「なるほどね~」


大きな交差点の信号が変わり、詰まっていた車が動き出しました。
例の車は、コチラをチラと見ることもなく発信します

案の定ってヤツです。

幸い、次の車が僕たちを入れてくれました。

「ありがたいんだけど、でも僕は、傷だらけの車には近づきたくないんだよなぁ~」と言いました。

傷だらけの車の真後ろです。
僕はいつもより、気持ち車間距離を広くして走りました。

ゆかりちゃんは、こういう安全運転が嫌いです。
イライラするのでしょう。
本音は、

「じょーじ、なにトロトロ走ってのよ!」
「日が暮れちゃう!」
「チャッチャと走って抜いちゃいなよ!」

と思っていることでしょう。

でも、その車はボッコボコでした。
ゆかりちゃんの怒りは、安全運転をする僕にではなく、その車に向けられました。


「あの車、生意気に、ステッカー貼ってるし!」

と、その車の悪口を言い出しました。

確かに、その車には、赤いアルファベットの、カッコ良さげなステッカーが、リアバンパーの右に貼ってありました。

僕は、

「・・・、・・・ステッカーは、・・・貼っても良くね?」

と、聞いてみました。

ゆかりちゃんは、

「にゃははははは~!!」


爆笑です。

どうやら、言うと同時に、ゆかりちゃんも(ステッカーは別にイイか)と思っていたみたい。

カッコイイステッカーだったので、なんかしゃくさわったのでしょう。
それは、なんか僕にも分かります。

カッコイイステッカー貼ってて、でも、車ボッコボコかよ!
というツッコミを入れたくなりましたから。


僕は、ゆかりちゃんが大好きです。







おしまい


※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1187話です
※この記事は、過去記事の書き直しです


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