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第243話 カッコいいジジイ その②【懸垂できるジジイ】


おじいさんが、懸垂をしているTVを観た。たぶん、今年の初めだったはずだ。

僕は、バク宙ができるようにとの、トレーニングで、まずはウォーキングを始めていた。

それが、懸垂するお爺さんの映像を観て、閃いた。

「そうだ 懸垂、しよう。」 

これは・・・。

「そうだ 京都、行こう。」の、パクリだ。

とにかく、懸垂がしたくなったのだ。


◆公園

今は、そういうご時世なのか、大人がぶら下がれる高い鉄棒が、公園には無い。鉄棒は、全部低い。

これは、子どもの安全を望んだ保護者が、撤去を成し遂げたのだろうか?

わが家から、西の公園も、東の公園も、南の公園も、どこもかしこも、高い鉄棒は無い。

僕の浅知恵では、子どもは、『小さいケガ』をするから、『大きなケガ』をしなくなる、はずなのだが・・・。

わが子を、無菌室で育てたなら、その年月が長ければ長いほど、普通の暮らしが困難になる。守ってあげればあげるほど弱くなる、という、そういう面もあると思うのだが、ま、かといって、僕の意見が正しいと叫ぶつもりはないが・・・。

なんにせよ、大人がぶら下がれる鉄棒がないので、何かを代用するしかない。

僕は、半円タイプの雲梯(うんてい)の、最上部を利用した。

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持ったバーの後ろのバーに、頭をぶつけるかもしれない。ひざを曲げて、ぶら下がり、いざ、懸垂だ!


◆まさかの0回

なんと、たったの1回もできないのだ。

メッチャ驚いた。まさかの0回。後ろのバーに頭をぶつける心配なんて、まったくもって不要だった。

このときの体重は72キロ。それにしてもビクともしない。

腕力が、ものすごく衰えている。

考えてみれば、日常で、「身体を引き上げる」なんて、この35年、一度も行なっていない。人間は、使ったところが鍛えられ、使わなかったところは、現状維持、・・・ではないのだ。

使わないと衰えるのだ。

頭も、心も、身体も、アッチも、使わないと、衰えるのだ。

そこに、35年の不摂生が作り上げた、内臓脂肪をタップリまとった72キロだ。僕のヤワな腕では、自分の身体を、引き上げられないのだ。

僕の感覚的には、50代男性の10人中に1人さえ、懸垂ができる人はいないと思う。20人に1人くらいな気がする。

50代女性なら、100人に1人くらいか、それ以下だと思う。


◆名づけて『滑車ターザン』

懸垂の練習をするのに、ひざを曲げる雲梯は気に入らない。

ブランコの最上部の梁で、懸垂をやってみたが、こちらは太さが気に入らない。

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懸垂が、できないから、この、些細な『気に入らない』が、些細ではなくなり、すごく気になる。


散歩のコースを、ときどき変えてて、「あら、こんなところに公園が」と、新たな公園に気づいた。だいぶ前に、その公園を見てはいたのだが、すっかり、その存在を忘れていた。

そして、この公園で、【滑車ターザン】を見つけた。

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鉄棒と同じくらいのバーが『コの字』になっていて、コの字の空いているところが上だ。滑車が付いて、その上にはレールがあり、「シャーーー」っと、移動できる構造だ。

東の方に、スタート地点があり、そこから西へ5メートル先には、ゴール地点もある。勾配はさほどなく、ほぼ水平にさえ見える。

レールに設置された、コの字の鉄のバーの高さは、地上2メートルくらいだと思う。僕が手を伸ばした位置なので、2メートルちょっとくらいだろうか。


スタート地点は、滑り台に上るための階段の、『踊り場』を兼ねていて、高さは、地面から60センチくらいだ。ゴール地点は、地面から50センチくらいで、1メートル四方の離れ小島のようになっている。

滑車のバーにぶら下がり、足をけり出せば、「あ~あ、あ~~~」と、ターザンごっこができる。

そういう遊具なのだ。

ちなみに、正式名称は知らない。【滑車ターザン】は、今、僕が、苦し紛れに命名した。

握るところは、20センチくらいしかなく、短い。完全に、1人しかぶら下がれない、そういう造りになっている。

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この、【滑車ターザン】が、懸垂をするのに、ちょうどイイ。

高さと、鉄棒の太さが、ちょうどイイのだ。

右手と左手が、ほぼくっつくほど近くなるが、そこは許容した。

僕は、ここで、懸垂の練習をすると決めたのだ。


◆半日断食

懸垂は、1回の壁が厚かった。

最初は、0.5回もできないのだ。もし、誰かに見られたら、めっちゃ恥ずかしい。でも、気にせず続けた。

あるとき、すぐ近くの砂場で、若いお母さんが小さな子どもと遊んでいるときがあり、さすがに、このときばかりは、懸垂トライをあきらめた。

カッコ悪すぎるからだ。


直接的な効果は期待できないが、それでも、腕立て伏せもやるようにした。間接的な効果を期待したのだ。

腕立て伏せは、『押す力』が鍛えられる。しかし、懸垂に必要な力は、『引く力』だ。それを知ってはいるけれども、なかなか、懸垂以外で『引く力』を鍛える方法がない。

手の位置を、『超狭く』『肩幅』『メッチャ広く』の、3パターンにして、腕や肩や胸を鍛える。最初は、20回×3種類、からスタートした。(今は、30回×3種類に増えた)


腕立て伏せよりも、効果があったのは、ダイエットかもしれない。

僕は、昨年の12月から【半日断食】を始めた。そして、今も続けている。動画で、健康にもダイエットにも効果があると知ったのだ。

晩ごはんを19時に食べる。そこから、16時間の、プチ断食を毎日するのだ。朝食を抜くと、16時間以上の断食になる。

「お腹がすいたなぁ」という飢えを感じることが、健康に良いらしく、また、そうなってから、はじめて、蓄えておいた脂肪をエネルギーとして消費するらしい。

お正月の、朝食も抜いた。なのに、ゆかりちゃんのお雑煮が美味しすぎて、太ってしまい、このときMAXの74キロまで太った。

あきらかに、昼と夜、食べ過ぎたのだと、太った理由が明確だったので、半日断食は続けた。効果は感じていたのだ。

イメージは、1ヶ月で1キロづつ痩せた。

ときどき、『なかなか痩せない時期』が、あったりするが、続けた結果、今は57キロだ。ときどき56キロ台になる。

15~18キロ、この1年弱で痩せた。

僕の実感は、運動の効果が3で、半日断食の効果が7と、そう感じる。なぜなら、そこまで激しい運動をしていないからだ。

半日断食だけでも、充分なダイエット効果は、きっとある。


◆1回を達成

懸垂にトライして、3ヶ月くらい経って、ようやく1回を達成できた。

このときは嬉しくて、ゆかりちゃんに報告した。

報告をしたけれども、しょせん1回だ。聞く方の、ゆかりちゃんとしては「あ~、あ、そう~」としか、いいようは無い。


でも、すぐに2回、できるようになり、ときには3回出来たりした。

そして、そうかと思うと、また1回しかできなくなったりするのだ。


そんな時期に、ゆかりちゃんと一緒に散歩した。

僕の散歩コースだったので、懸垂を見せたが、3回はできなかった。

ゆかりちゃんは、驚くこともなく、そして、そもそも、僕の懸垂には興味がない。


でも、ゆかりちゃんは、【滑車ターザン】には、興味を持った。

子どもと同じように、「シャーーーー」と、移動して遊びたかったのだ。そして、実行した。


「イタタタタタタタ~~~!!!」


ゆかりちゃんの腕は伸び切って、足のつま先が、かろうじて地面を捉えているだけだ。

ゆかりちゃんの考えは甘く、ただ、ぶら下がることもままならないのだ。50代とは、そういうモノなのだ。

使わないと衰えるのだ。


◆現在

今は、アベレージで、3回だ。

自己ベストは、4.8回。甘くカウントすれば5回だ。

ちなみに、僕は、1回1回、一度腕を伸ばし切る。そうゆうやり方でカウントしている。


◆〆

僕は、【 80 - 年齢 = 目標回数 】、という公式を考え出した。

今なら、27回が、目標回数だ。前途多難だ~。2月になって、54歳になると、目標は26回に減る。

減るとは言っても、なかなかな回数が目標になる。

ただ、練習に『1年間』費やすことができる。2月早々にはできなくても、再来年の1月にはできるかもしれない。

1年間、『コツコツ』積み重ねることができる。


さすがに、この目標を達成したときは、ゆかりちゃんも感動するだろう。

少し、見直してくれるはずだ。

もう、のび太君とは、呼ばせやしない。


僕は、とにもかくにも、ゆかりちゃんが大好きなのだ。


※昨日書いた内容が、記憶をもとに書いたため、事実と異なる点があった。お詫びして、訂正する。【ワイヤー】ではなく、【レール】だった。





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