【判断基準】1番大事なのは美醜。損しようが効率が悪かろうが、たとえ悪であろうが…。
わが家では僕の提案で、バスマットに乗るまえに身体や足を、バスタオルで拭きます。
面倒がられたけど、妻のゆかりちゃんも、娘も実践してくれました。
もう、習慣になったと思います。
そして、今、わが家のバスマットが変わりました。
これまではマイクロファイバーのバスマットだったのです。
この度、珪藻土のバスマットに替えました。
清潔感がハンパなくupしました。
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こどもの頃、僕は、父ちゃんに、
「バスマットには、浴室で足を拭いてからのれ」
と言われました。
「そうすれば、次の人が冷たくない」と。
僕は、生意気なクソガキだったので、その命令を無視しました。
面と向かって反論はしません。ゲンコツを喰らいかねないからです。
でも、面倒でやりたくないから、
と、結論ありきのヘリクツを『正論』としました。
大人になって、とある温泉宿に泊まったときに、僕は目撃しました。
浴場の隅で、シッカリと絞った浴用タオルで身体全体を拭き、足裏まで丁寧に拭きとる中年男性がいたのです。
その男性は、またタオルを固く絞って、扉を開け、脱衣室のザラザラの固いマットに上がるまえに、もう一度、足の裏を拭いたのです。
バスタオルを手に取り、身体と足を拭いてから、ロッカーへ向かって歩き出しました。
濡れた足あとが、付くはずもありません。
その所作は、舞のように滑らかで、昨日今日始めたばかりの動きではありませんでした。
小気味良いリズム感があり、感動的に美しく、僕はしばらく放心したほどです。
次の人への配慮です。
その人は、人が見ていようが見ていまいが、同じ流れで身体を拭き、浴場から脱衣所へ上がります。
そのような行為をする自分でありたいのです。
美意識です。
美学です。
お父ちゃんは、僕に、大事なことを教えてくれていたのです。
以来、僕は、温泉やスーパー銭湯などでは、この一連の所作を行ないます。
僕なりの作法なのです。
判断基準は色々あります。
損得もあります。
善悪もあります。
効率の良し悪しもあります。
好き嫌いもあります。
美醜もあります。
美醜で考え、美を選択する。
僕は、それが1番大事です。
そういう人間になりたいのです。
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珪藻土のバスマットに替えたなら、ゆかりちゃんは、足を拭かずにマットに上がるように戻ってしまったのです。
僕は、「拭いてから乗ってよ」と、抗議しました。
「濡れたまま乗るから面白いんやて~。足あとが付いて、それがドンドン消えるんやよ~」
(小5の男子か!)
心の中でツッコミを入れました。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。
おしまい
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