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現代のおままごと事情

女の子ならば一度は経験したことがあるであろうおままごと。

実際、私も幼少期は友達とよくおままごとをして遊んだものだ。
大半のおままごと上での家庭は、お母さん•1番目のお姉ちゃん•2番目のお姉ちゃん•赤ちゃん•猫ちゃんという家族編成で構成される。
私がいつも狙っていたのは 役”お姉ちゃん”
しかしこのお姉ちゃんという役はとても人気の役であり、非常に狭き門なのだ。
まず、役を決める際にリーダー格である女の子が「〜ちゃんは猫ちゃんね!」と役を割り振ってくる。ここで折れてはいけない。猫ちゃんというのは日本語を喋ることも許されず常にハイハイで歩かなければならないからだ。そんなのたまったもんじゃない。つまり、この女の子に自分もお姉ちゃんになるべく様々な条件をつけて交渉をし、ようやく2番目のお姉ちゃんという役を手に入れることができるのだ。

なぜ急にこんな戯言を言い始めたのかというと、私は現在幼稚園で先生として働いているのだが、この間とても面白い場面に遭遇したからだ。

お母さん「今日のご飯はハンバーグよ!」
お姉ちゃん「やったー!私もお手伝いするわ!」
お母さん「あら!ありがとう!じゃあラップをとって頂戴!」
お姉ちゃん「はい!どうぞ!」
お母さん「3分っと……チーン!!できたわよー!」

このようなやりとりである。
もし私が子供の頃にお母さん役になってハンバーグを作ろうとしたならば、ひき肉をこねたフリをして丸く形を整えて、フライパンで焼くフリをしただろう。
それが今の時代では電子レンジでチンなのだ。
私が「フライパンの玩具作ってこようか?」と尋ねると、「それなら電子レンジがいいな!」と言われてしまう。
他にも、お母さんが怒る台詞が「お姉ちゃん!遊んでばっかりじゃダメでしょ!」じゃなくて、「お姉ちゃん!いつまでYouTube見てるの!」だったりと、子どもたちの繰り広げるおままごとの中から時代の流れというものを感じることがある。
同時に、子どもが行うおままごとには家庭の姿が良く現れる。
家族の口癖やお母さんのお化粧の仕方、朝の行動など子どもは本当によく周りの大人を見ている。
逆に言えば幼稚園での私の言動を家で真似しているということだ…。

気を引き締めていかなければならないと感じた土曜日であった。