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マティス「マグノリアのある静物」に会いに行く


マティス「マグノリアのある静物」


マティスの「マグノリアのある静物」を東京都美術館のマティス展に見にいく。行こうと決めたのは今日(8月5日)、気づいたらスマホでチケットを予約していた。(まだ見に行ってもないのだが、自分の目で見る前に今の気持ちを書き記しておかないといけない。)

絵画が好きな人にはそれぞれ自分にとって特別な絵画があると思うが、私にとってはこの「マグノリアのある静物」がそれだった。

正直、私はマティスという画家の名前と代表作さえ知らなかった。
美術館に行ってモネの睡蓮やルノワールの帽子の女を見てはうっとりしてずっとずっと前に画家が向き合って描き上げた絵画が色々な人の手に渡って今自分の目の前にあることにウキウキする、これが私の絵画の楽しみ方であった。

では一体どうして「マグノリアのある静物」が特別なのかということなのだがこれは偶然の重なりとしか言いようがない!!運命!!

全ては国立西洋美術館のショップで買った原田マハの「シヴェルニーの食卓」という本が始まりである。
いつも通りこの絵、かわいい!!癒されるー!!とした後、売店でモネの睡蓮のクリアファイルを買うついでに本のエリアを見ていると大好きな楽園のカンヴァスや暗幕のゲルニカの作者である原田マハのまだ読んだことのない本がある!絶対に面白いことに間違いないので迷わずに買った。


原田マハ「ジヴェルニーの食卓」

買ったその日の夜に早速読み始めた。いくつかの画家の史実に基づいたフィックションが収められているのだが、最初は「うつくしい墓」というマティスの話だった。他にはピカソ、ドガ、セザンヌ、モネの話が入っていて、他の人はみんな知ってるけどマティスとは誰ぞや、なんて気持ちで読み進めていく。

その中で「白いマグノリアが一輪、翡翠色の花瓶に生けられている」的な描写が出てきた。むむ、、、私の中にあるセンサーがムズムズしていた。もう少し読み進めるとそれが「マグノリアのある静物」に関する記述だと分かったので、早速ググった。

あああああ!!!!!これはこれは!!センサーがビビビ!!!
この興奮は多分人には伝わらないと思うが、この絵はなんと私が小一の時に通っていた絵画教室で初めて模写した油絵だったのだ。ちょうど10年前のこと、、、。7歳で油絵なんて英才教育のように聞こえるが別に絵がうまかったわけではない。(小さい時に絵を描いていたのは間違いなく今の自分が絵画好きなのに影響していると思うけど)(マティスも知らないくせに絵画好きなんで言えたもんじゃないけど)

ほんとにびっくり!!!した。と言うのも本を読み始める前に、丁度昔の油絵どこにやったのかなぁなんて母親と話していたからだ。
奇跡的にまだ手元にあった油絵セットを開けて見ると2013年5月、と購入した時期まで書いてある。7歳の時はこれがマティスなんて知らずに先生が持っていた画集から「マグノリアのある静物」と見つけて選んだだけだ。なんという偶然。

(ちなみに「シヴェルニーの食卓」は本当におすすめする。別に泣く場面でもないのに、原田マハの美しい文章に心を動かされて涙が溢れた。カフェとかで読んでも涙が込み上げてくる。文章を通して会った事もない絵の巨匠たちのそばにいるような、そんな気分になれる。原田マハさん、大好きや。)

そしてマグノリアのある静物以外にマティスさんはどんな絵を描いてるのかなぁと思いまた検索エンジンにマティスと打ち込む。なんてこった。マティス展というものが今この時に東京都美術館でやっているそうな。高校生無料。しかも、しかも!!!マグノリアのある静物も?!!ある!!
行くしかない!!!

と言うわけでたまたま国立西洋美術館にいき、たまたま買った本で、たまたま模写した絵画と10年ぶりに出会い、なんとその絵がたまたま今上野にある。運命。マティスさん、この絵を描いてくれて本当にありがとう。(マティスさんがもう亡くなっていることが悲しい。当たり前だけどさ、、、死んだら会えるかな。)

見に行く前にもう少し勉強しようと思って「名画の見かた」なんて本も買ってみた。他のページはすっ飛ばしてマティスのページを開く。ドキドキが止まらない。

原田マハさんの物語は一つの絵画を中心に人々の人生ストーリが展開されていくから面白い。けど今回は、、、スケールは違うかもしれないが似たようなことが時を超えて自分の身に起こっているのだ。

7歳の自分は想像もしなかった再会?を来週果たすことになる。生きててよかった。これからももっとこういう感動を絵画を通して味わいたい。

行ったら感想ちゃんと書こうっと!!
待っててね!マグノリア!

(多分この記事のヘッダーは「マグノリアのある静物」の方がいいのだろうけど、サイズ的に絵を切り取らなきゃいけなくて、、、それは私にはできない、、、と言うことでマティスさんにヘッダーになってもらった。

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