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『小市民シリーズ』(春夏)感想

なんか10話で終わった「小市民シリーズ」続きの秋冬は2期として作るらしい。全然来週も見る気だったのにdアニで「COMPLETE」表記になってたから豆鉄砲食らった顔になってた。
原作者が別シリーズの「古典部シリーズ(氷菓)」と対比させて書いた作品でもあるので、引き合いに出して感想書いていきます。なお小市民の原作は未読です。

「小市民シリーズ」のここが良い

・常時レターボックスを使う事でノスタルジックな非日常と映画のような雰囲気を感じられる。春夏秋冬で完結となる当シリーズを一本の長編映画と見立てるとかなりマッチした演出と言える。
・「何でもない日常を紐解く」氷菓に対して、こちらは明確に「日常のトラブルを解決する」王道かつ古典的なミステリ。
・男女ペアの主人公で、まさかのどちらも探偵役なのは意外性があり驚いた。
・小鳩と小山内の声がかなりマッチしており魅力を引き立てている。実は行動派である小山内を、終始外見通りの大人しい声で通したのは逆に良かった。
・基本的に人のために行動してる堂島が好きです。
・EDが本作をイメージした物なのか、歌詞に関連ワードが多い。

「小市民シリーズ」のここが悪い

・主人公二人の関係は男女のロマンスもバディ感も無く、かなり王道から外れており、物語が未完なのもあり面白さよりもつまらなさが勝つ。
・特殊アニメで推理解説を観れた氷菓に対して、小市民はほぼ台詞で解説される。種明かしはミステリの醍醐味なのに、せっかくの映像化を活かしてるとはお世辞にも言えない。
・合間に差し込まれる心象風景と思われるカットが何を示しているのか全く分からない。シャフトごっこ?それとも原作では描かれた二人の馴れ初めをぶつ切りで差し込んでたんだろうか…。
・OP映像で狐と狼が戯れるシーンがあるが、これは原作で小鳩と小山内がそれぞれそう評されているから。つまり二人の触れ合いの様子を描いているのだが、アニメ内では一切語られないので意味不明な映像になってしまっている。
・2期への引きも兼ねて、最終話では秋季冒頭と思われる大きな変化が描かれた。さも続くように半端な場面で終わり、普通にEDも流れたので最終話を見ても「え?終わり?」という感想が勝つ。

総評

小説「小市民シリーズ」をただアニメにしただけという感じ。原作米澤穂信なので面白くはあるが、原作プロモーション以上の価値が感じられない「つまらないアニメ」だった。
ぶっちゃけ見なくても聞くだけで十二分に楽しめる作品で、ならば原作を読んだ方がもっと面白いだろう。原作は短編集合わせて6冊、アニメ2期までにそれらを読んでいた方が良いかもしれない。

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