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伝道者の書第17話そもそも、知者も愚者も同様に長く覚えられるものではない。

(原文:第2章16)
そもそも、知者も愚者も同様に長く覚えられるものではない。きたるべき日には皆忘れられてしまうのである。知者が愚者と同じように死ぬのは、どうしたことであろう。

知恵のある人と思われた人も、愚かな人と思われた人も、いずれは他人の記憶から消えてしまうのが現実。
また、知恵のある人が、愚かな人と同じように、死を賜るのは、何故なのだろうか。

すべての生き物に共通するのは、生まれること、死ぬこと。
知恵ある人も、愚かな人も、貴賤も何も無関係。

生を司り、死を司る大いなる永遠の神からすれば、人間の知恵も愚かさも、貴賤も何も、大差はない。

人間が他の人間を見て「知恵がある」あるいは「愚かである」と、判断したにしても、それはあくまでも人間の判断の範疇。
人間の知恵は、あくまでも自分を有利に導くための知恵、敵対者にとっては、有害この上ない場合もある。

命を恵むのも、死を賜るのも、神の意思。
知恵の浅い人間が判断する「知恵がある」「愚か」の判断を、知恵の浅い人間が、神に「示す、助言する」こと、それそのものが、おこがましいことになる。

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