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紫式部日記第157話それを、「男だに才がりぬる人は、

(原文)
それを、「男だに才がりぬる人は、いかにぞや。はなやかならずのみはべるめるよ」と、やうやう人の言ふも聞きとめて後、一といふ文字をだに書きわたしはべらず、いとてづつに、あさましくはべり。

(舞夢訳)
そんな折に、「男性であったとしても、漢文の学識を鼻にかけ、他人を見下すような人は、よくないと違いますか?」
「先々、しょうもないことになると、もっぱらのことで」と、
人々の噂を聞いてからは、漢字の「一」の字であっても、まともには書かないようにしているのです。
まあ、実に恥ずかしい限りではありますが。

これも宮中の「噂社会」の恐ろしさか。
とにかく、可能な限り、あることないこと言いふらし、「他人を貶める、それで自分が優位に立つ」行為を磨く。

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