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理想のタイプ(完)

ここまでは予定通り・・・

手は握りたかった。

けど おそらく握ってはくれない。

だから スッと握るしかない。

でも・・・なんだろう 

ドキドキする手のひらと指

なめらかっていうか 

すべすべっていうか

握っててホッとする

癒される

でも それだけでなくって

よくわからないけれど

身体が熱くなってきた。

しかしほんと 何でもない顔してるし

まったく

握られ慣れしてるの?

まさか 

そんなこと許さない。

少なくとも 今後は。

あれ?

私 おかしいのかな。

そこまでは 思ってなかったのに

この手離したくない。

ずっと

握った瞬間から こんな気分になった。

握りたい 握られたいとは思っていたけれど

握った瞬間のガッカリが怖かった。

ところが全然そんな状態じゃないよ

お花畑どころか

身体全部 熱くなってきた。

ゾクゾクしてる。

ドキドキおさまらないし・・・

駅から二人で手をつないで歩いてきたけれど

もう、アパートのが目の前になった。

「夕ご飯一緒に」

言っておいて良かった。

でも、答え聞いてない・・・

それより 部屋に入ってくれるのかな・・

外で待つって言われたらどうしよう。

手も離さなければならないし

カエサル攻略本渡して

「ありがとう、また」

って帰っちゃったら・・

・・・不安だあ・・・

すっごく寂しい夜になるよ。

聞くしかないか・・・

「夕ご飯一緒にしよ!何か作るよ」

少し声が震えちゃった。

「え?いいの?」

眼を丸くしてるし

とにかく否定ではない。

「うん!もっとお話ししたいの」

・・・本音だし・・・

こんな本音・・・男の人に言うこと無かったのに

素顔のままって

自分の本当の心さらけ出しちゃった。

こんな人 初めてだ・・・

「ありがとう」

ニコッと笑ってる。

笑顔可愛いな。

もう、絶対他の人には見せないでね。

そういえば悪友女子が言ってた。

「あなたの場合、たいていの男には満足しないだろうね。

特に、言い寄られた場合は、相手の欠点をすぐに見ちゃって、まとまることはない」

「逆に貴方が言い寄るときは、案外無理やりかもしれない。それで引いちゃう男もいるかな・・・あなたの趣味独特だし・・・でも、引かない男は見込あるよ」

「・・・で、あの子のこと、興味あるでしょ・・・」

「いつも教室や部活であの子探してるし・・・」

「あの子は・・難しいかもね・・・」

「みんな表には出さないけれど・・・狙ってるよ」

「射止めるとしたら、ある程度強引に・・・」

「既成事実作っちゃうとかがいい」

・・・うーん・・・

難しいなあ・・・

でも、文学大好き、知性派と呼ばれる私でも、熱い血が流れてる・・・

今の、身体でわかる。

身体 どんどん熱くなってる。

ああ・・階段がもどかしい。

この後、どうなっちゃうんだろう・・・

 ※終にしようかと・・ちょっと危険を感じてしまいました。

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