同期

つい先日、芸歴詐称芸人でお馴染み10億円「同期」というツーマンライブをやらせてもらいました。

彼らは本来我々の同期にあたる大阪NSC40期の卒業生だったのですが、ボケの山内東京NSC25期に入り直したことによって全員が扱いに困り、さらには別に入り直しとかもしていない真っ当な6年目の永見が新幹線で大阪から東京に来る途中の名古屋あたりで芸歴2年分忘れてしまったことにより、

「本当は6年目だけど芸歴4年目10億円!」

といういっぱい数字が入ったキャッチコピーが完成したのです。


10億円は当初から後輩のスタンスで近づき、全く同期であったことを言わず、常に敬語で喋りかけて来ました。

特にガッツリ同期であるはずの永見の方が「兄さん兄さん」と東京では感じられない「兄さん呼び」で自分達に話しかけてくれるので、「ヒゲロン毛のヤバいやつと思ってたけど可愛いやつだ」と我々も完全に騙されていました。

このままいけば完全なる詐称が完成する。
10億円は若手の超新星として神保町を沸かせられる。


そこに待ったをかけたのが我らが同期の首席、令和ロマンくるまです。

彼は持ち前の情報網で彼らが同期であったことをすぐ暴き、大阪に帰った時はハイツ友の会とかにガッツリタメ口で話してることや、ラグビー芸人のしんや「山内さんは大阪で僕が養成所入った時は先輩アシスタントやったのに、東京来たら後輩になって近づいて来ました」と明らかに不審な動きをしていることを暴露し、

「10億円芸歴詐称問題」

を神保町の楽屋で大きく取り上げたのです。

それに対してヨネダ2000も憤怒。


「なんで今まで後輩のスタンスで近づいて来たんだ!」
「今日からタメ口にしろ!」

と10億円に対し同期として接するよう呼びかけます。

ツーマンライブをやった際にはコーナーで「ヨネダ2000が勝ったら今日から同期」という名目で戦い見事ヨネダ2000が勝利しました。

しかし彼らは「まあまあまあ」と言った感じでやんわりと終わらし、その後も敬語で後輩のスタンスを継続させました。


影響は神保町だけに留まりません。
芸人兼ライブプロデューサーサノライブ「同期ライブ」という吉本以外の事務所も含めた同期芸人でライブを始め、そこに10億円も入れ

「お前ら本当は同期なんやから後輩のフリすんのやめろ」

と何度も呼びかけました。


しかしそこでも彼らは「まあまあまあまあ」とお得意のやんわり作戦で終わらし、打ち上げに参加するのです。

ここで問題が発生します。
10億円は同期であるのですが、後輩のスタンスを継続しているため打ち上げ代を奢るか奢らないか論争になりました。

「まあでもやっぱり後輩だから全然出すよ」

令和の大富豪ケムリが奢る方向で話を進めたのですが、

「いやいや僕ら同期なんで出させてください」

10億円が言ってきました。


意味がわかりません。
じゃあ今までのはなんだったのだと。
打ち上げ中もずっと敬語でこれまでもずっと後輩のスタンスでやってきたのに。

それでも食い下がらない10億円。

結果「山内の分は出して永見は自分で払う」ということで決着し、なんとか会計にたどり着きました。


余談なのですがこの打ち上げ代の集計の際、くるま

「この酒量と食べ物で1人5000円はおかしすぎる。ケムリ先生後はお願いします。」

と言って一銭も払わないで去って行きました。

ちなみにポールもお金がなくてジャンクの小森に出してもらってました。

二人とも怖かったです。


そんな10億円はその後も

「芸歴4年目なのに結成1年と称してENGEIグランドスラム出演」

など再入学をふんだんに活かして劇場だけでなくメディアでも活躍の場を広げていきました。

しかし彼らの芸歴問題はある日終止符が打たれます。
「UNDER 5 AWARD」に出場できなかったのです。

この大会は吉本興業主催5年目以下のジャンル・プロアマ不問の賞レースで、今年から新設されました。

初代王者はラストイヤーで見事チャンピオンとなった金魚番長だったのですが、この大会に10億円はエントリーできなかったのです。



永見が完全な6年目であったために。


吉本主催の賞レースで出場が認められないということは、吉本興業

「10億円は純粋な4年目ではありません」

と認めたことになります。


こうして約3年ほど続いた「10億円芸歴詐称問題」

「山内は4年目だけど永見が6年目」

として解決したのです。

ということで10億円は晴れて「同期」となり、先日のツーマンライブも「同期」として無事開催されました。まあ終始敬語でしたが。

ライブの最中に僕が「世界クジラの代わりにJORDAN入らない?」とスカウトしたので7月あたりから一緒にライブ出ているかもしれません。世界クジラごめん。


とまあつらつらと10億円の芸歴詐称について書いてきたのですが、こんなことしている間に同期が3組も賞レースの決勝に行きました。

令和ロマンヨネダ2000ABCお笑いグランプリインテイクツギクル芸人グランプリの決勝へと駒を進め、着実に前に進んでいく同期を見て非常に焦る気持ちが出てきております。

なんならABC決勝に行ったダウ90000蓮見君は僕らの大学の同級生で、メンバーの何人かはポールの直属の後輩です。


本当にこんなことしてる場合じゃないです。
反省します。ごめんなさい10億円。


昨年のM-1でも思いましたがもうこの芸歴なら賞レースの決勝に行ってもおかしくない時期に差し掛かりました。ヨネダも令和ロマンも最近の忙しさはすごいです。


芸人はお金がない以外すごく楽しいのですが

「楽しんでるだけなら俺たち先行くぜ?」

と同期が駆け抜けていっている感じが最近すごいします。

でも悲壮感が漂っているわけではなく、マジで負けてらんねえと燃える思いが出ているので、つよつよな同期に刺激を受けながらもっとお笑い頑張ります。



同期の世界クジラ、アケガラス、10億円頑張ろうね。








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