フジファブリックというアーティスト
フジファブリックが好きだ。
いや、好きだと言っていいのだろうか。
フジファブリックは日本のロックバンドだ。
2009年12月24日、フロントマンの志村は天国に逝ってしまった。突然の死。その原因は明かされていないが、その後の年末のスケジュールは全てキャンセルされた。
志村亡き後、もともと4人だったフジファブリックは3人で活動することを決意し、今も精力的に活躍している。
けれど、私はまだ志村の亡霊に取り憑かれたまま、今も志村の歌う歌しか聴けていない。奥田民生に憧れていた志村。奥田民生は泣きながら志村の作った唄を歌った。多くのアーティストたちが志村の急死に涙した。今、有名になった管田将輝も彼の追悼ライブで「茜色の夕日」を弾き語った。
志村は活動中、ほとんどを作詞作曲していた。それは「変態的」で耳に残る。個性的で、「らしさ」しかない。歌は下手だったかもしれないけど、天才だった。その声も癖になる魅力。なんで、そんな若くして逝っちゃったんだろうと何回も思った。29年という短く濃い人生。
勿論、悲しんでいるのはメンバーの方だってわかっているけど、特に山内総一郎は辛い思いをしていると思う。でも、私はまだ志村を卒業できないでいる。もう2018年。9年も経ったのに怖くて志村のいるフジファブリックしか聴けない。だから、好きと言っていいのかわからない。ずっと言われ続けるであろう、バンドのメンバー達。志村がいた時代は・・・と。わからないけれど、彼の才能を一番近くで見ていたのもバンドメンバー達だから受け入れる強さがあるのかもしれない。
ドラマと映画の「モテキ」で使用された「夜明けのBEAT」。志村のいないMV。森山未來くんがコンテンポラリーダンスをアドリブで踊り続け、最後のシーンで志村のいないバンドの真ん中に立ち尽くすのだ。
夜明けが来ているのに誰にも笑顔はない。
歌声と、志村の映像は過去のものが少しだけ出てくるMV。
彼の紡ぐ変態的な音楽にのせられた、美しくて優しくて誠実な歌詞が志村でないとダメという唯一無二の歌い手が必要な音楽を創ってしまっている。きっと、多くの人の中でまだまだ生き続ける。
大好きだ、志村正彦。
フジファブリック。
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