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何もないこの地球に真赤な花が一輪咲いた

最愛の人が天使になった。

親よりも歳上の人に、自分は本気で憧れて、本気で追い掛けて、本気で恋していた。自分の中にはいつでも櫻井敦司の存在があって、自分自信の人格を形成していた。

メイクも髪型もファッションも歌い方も全てを真似していた、少しでも近付きたくて、少しでも側に櫻井敦司という人の存在を感じていたくて。

人前に立つときは常に気高く美しくあるべきだということ、品の良さや美しさは性別や年齢を凌駕するということを教えてくれた。それは、ジェンダー感に強く支配されて閉塞しきった自分にとても大きな生きる希望と自信をくれた。
そしてどんなに歳を重ねても美しく在り続け、尖り続け、ひたすらに歌い続ける姿を見せてくれた。

櫻井敦司はその存在が、自分にとっての美学そのものである。

こんなに悲しいのは29年生きてきて初めてだ。時が止まっているみたい。2023年なんてなかったことにしたい。酷く疲れた日にうなされて見るような悪い夢であってほしい。

いつか人は死ぬことはわかっていたけど、自分はあっちゃんの死を受け入れることができる自信がない。
あっちゃんがいたから、この世界は私にとって美しかったのに、あっちゃんがいなかったらこの世界はなんてゴミみたいだなと思ってしまう。あっちゃんの真っ赤な口紅の鮮やかさに照らされて自分の世界は輝いていたのに、いまは目に映る全てが色褪せている。

あっちゃん、私はどうしてもどうしてもあなたに会いたかった。あなたの目を見てその瞳に吸い込まれてクラクラと眩暈を起こしてみたかった。

当たり前だけどあなたは私の中に生き続ける。きっとこの後の人生もずっと悲しいと思うけど、受け入れられる日が来るのかわからないけど、でもやっぱりあなたは永遠に最愛の人だ。ずっとずっと世界で一番愛してるよ。生まれてきてくれて、BUCK-TICKっていうバンドで歌う人生を選んでくれて、そして最期の最期の瞬間までエンターテイナーでいてくれて、美しい景色を見せてくれて、長い夢を見せてくれて、本当に本当にありがとう。

さよならはまだ言えないね。

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