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邂逅の先へ

先日、映像作家、諸沢利彦さんと念願叶って数年越しに初対面させていただく機会に恵まれた。

諸沢さんは、自分が中学生の頃から憧憬する80年代のアンダーグラウンドシーンに始まり、名だたるアーティストの生き様や、その時代その時代のリアルを捉えて来られた方。そんな方に面と向かってお話を伺える機会ということで、久々に心が躍った。

有難いことに諸沢さんは、5年前に自分が執筆した文章「笑いとばすことができなくて、なにがパンクだと思います」で自分のことを知ってくださり、以降全ての活動を見てくださっていた。
先の個展では自分の10〜20代の表現の集大成である場を、「青春の墓場」と、これ以上になく的確で腑落ちする言葉で表現してくださった。この言葉が有ると無いとでは、"青春を終わらせる"ことへの精神的な着地は大きく違ってきただろうと思う。

そして「本当に大変なのはここからだね」という諸沢さんの言葉が今とても強く響いている。

世代は違えど、生み出していく、形づくる、表現する…にあたって、根底にある普遍的なコア、想いたるものを共有できたことが僭越でありながら大変嬉しく、光栄である。そして誌面や画面でしか後追いできなかった、かつての光景に纏わる貴重なお話はとても興味深いものだった。

何より、こんな馬鹿げたことを頑張ったところで、誰が自分のことなんて見ているんだろう、そんな半信半疑な気持ちで何年もしつこく表現を続けてきたことは、間違いではなかった。

愚直に続けている限り誰かが自分を見てくれている。現に諸沢さんはあの時からずっと自分を見続けてくださった、そして今回こうしてお会いして言葉を交わすことができた。
そう、続けてさえいれば、普段こそ辛い事ばかりでも、思いがけずある日こういう幸せなことが起きるものだ。

続けてきて良かった、そして続けていこうと心から思えたことは勿論、諸沢さんから様々なお話を伺って、もっと勉強していかなければ、思考を止めずにどんどんインプットし続けなければ、と思える、大変刺激的な日となりました。
諸沢さん、ありがとうございました。

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